正義2005年07月06日

ソ連の対日参戦は正義か否か:

 政治に対して、どのような評価を下すかは、それぞれ個々人によって異なります。ソ連の対日参戦は正義と見る人も不正義と見る人もいるでしょう。
 ソ連が勝者の側であることは明白です。ソ連対日参戦は米国の要請・英国の支持・中国の歓迎と協調の元に行われました。戦後、国連安保理常任理事国はこれら4カ国とフランスが勤めています。国連安保理常任理事国のうち1カ国でも反対すると決議案は成立しません。常任理事国のうち4カ国までもが、ソ連対日参戦に一体となっているのだから、戦後政治でソ連対日参戦を不正義とする考えが受け入れられる余地はないでしょう。
 なお、ソ連対日参戦は米大統領ルーズベルトの提案によるものですが、提案者米大統領を不当と非難する意見を日本であまり聞きません。

 ソ連の対日参戦に対して、どう考えるべきか、中国東北部・南樺太・千島でそれぞれ異なると思います。
 中国東北部は中国が評価すべきことです。中国は、ソ連軍を中国解放のための協力者と評価していますので、私はその考えに従っています。
 南樺太・千島はどうでしょう。そもそも、評価すべき正当な主体は誰なのか、よく分かりません。
 ソ連対日参戦の大部分は中国東北部であるため、ソ連対日参戦を大雑把に評価するならば、中国の認識に従って、「正義の解放者」は正しい認識でしょう。この認識は、南樺太・千島には当てはまりません。どのように評価すべきなのか、評価すべき正当な主体は誰なのか、良く分かりません。


北方領土(あるいは千島・南樺太)の領有は日本とロシアと、どちらが正義か:

 千島や樺太にはもともとアイヌの人たちが住んでいました。北からはロシアが、南からは日本が侵入し支配しました。北から侵入するのと、南から侵入するのとでは、どちらが正義かといったところで、全く無意味です。

 以下の、和田春樹氏の考えは全く正当です。
 『クリル諸島とサハリンというアイヌの土地に攻め込んだロシアと日本は支配したところを自らの領土としようとして、互いに争いあった。第二次大戦後はソ連がサハリンもクリル諸島もすべてをわがものとしてしまったのに対して、日本はそれではあんまりではないか、すこしは日本によこしなさいと言っている。理屈はいろいろつけているが、赤裸々に言えば、そういうことである。だから、争いがあっても、本質的対立にはならない。 』
 http://www.wadaharuki.com/

 北方領土問題は、お互いにいろいろと理屈をつけていますが(日本のほうがずっと多いですね)、要するに、お互いの力関係から見た場合、どこに線引きしようか、それだけのことでしょう。

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