サンフランシスコ条約11条の訳語-右翼系評論家の誤りの源2005年10月03日

 これまで3回にわたって、サンフランシスコ条約11条のjudgementsの訳語は「裁判」で正解であること、および、judgement(裁判)はsentence(刑の宣告)のことではないことを説明しました。

 右翼系評論家は、「裁判」を裁判所・法廷の意味に誤解し、judgement(判決・裁判)とsentence(刑の宣告)の違いが分っていないのでしょう。
 この誤りは、どこから来ているのでしょう。このような誤りをしている右翼系評論家は「自分の考えは国際法学者の間では常識である」と言うことがあります。彼等の言う「国際法学者」とは誰であるのか調べてみました。国際法学者はではなく、英文法史学者の説が元になっているようです。英文法の知識だけで、条約を理解することは無理があります。

 さて、日本が受諾した、「極東国際軍事裁判所並びに日本国内及び国外の他の連合国戦争犯罪法廷の裁判」とは、具体的にどのようなことを言っているのでしょう。このことを知るためには、「極東国際軍事裁判所並びに日本国内及び国外の他の連合国戦争犯罪法廷の裁判」とは、いったい何であるかを知る必要があります。幸い、「極東国際軍事裁判所の裁判」の抄訳が本になって出版されています(3巻、合計ページ数2000ページほど)。

 今後、「極東国際軍事裁判所の裁判」とは、何であるのかを説明します。

サンフランシスコ条約11条の訳語-サンフランシスコ条約11条の目的2005年10月05日

 サンフランシスコ条約11条のを理解するためには、サンフランシスコ条約11条で述べている「極東国際軍事裁判所並びに日本国内及び国外の他の連合国戦争犯罪法廷の裁判」の具体的内容を知ることが必要であることを指摘しました。
 「極東国際軍事裁判所の裁判」の内容に立ち入る前に、サンフランシスコ条約11条の目的は何で有るのかを説明します。

 昭和26年の平和条約国会で、西村熊雄条約局長はサンフランシスコ条約11条の目的を以下のように説明をしています。

 『平和条約に戦犯に関する条項が入りません場合には、当然各交戦国の軍事裁判所の下した判決は将来に対して効力を失う…というのが国際法の原則でございます。併しこの国際法の原則は、平和条約に特別の規定がある場合にはこの限りにあらずということでございます。従つてこの第十一条によつて、すでに連合国によつてなされた裁判を日本は承認するということが特に言われておる理田はそこにあるわけでございます。』

 つまり、サンフランシスコ条約11条の目的は、極東軍事裁判所などで有罪になった者の刑の執行を、日本が連合国から引き継いで実行することに有ったわけです。

 では、受刑者に対して刑の執行を求めただけなのかというと、そういうわけでもありません。もし、裁判を受け入れないで、刑の執行のみを行ったら、犯罪行為になってしまうでしょう。日本の正当な裁判として、極東軍事裁判を受諾したからこそ、刑を執行することができたのです。日本政府は、サンフランシスコ条約11条で日本が受諾したものとは、裁判所の設立及び審理、法律、起訴状の訴因についての認定、それから判定、及び刑の宣言、このすべてを包含していると、説明しています。
 即ち、日本がサンフランシスコ条約で受諾したものは、極東軍事裁判所の正当性、審理・法理の正当性、これらすべてのものなのです。もし、そうでなかったならば、刑の執行は違法行為になってしまいます。このため、政府の説明は常に一貫しています。

 学者や評論家には、極東軍事裁判所の設立や法理が不当だとか正当だとか、いろいろと議論が有ります。刑の執行の当事者でないから、なんとでも言えるわけです。しかし、刑を執行した日本政府が、極東軍事裁判所などの裁判を不当とすることは有り得ないのです。

タイトルの背景2005年10月09日

 タイトルがcccpcamera blogなのに、カメラの話題がまったくありません。

 タイトルの背景にカメラの写真を並べて見ました。左から、Zenit-km(現行品)、Zenit-19(1980年代)、Zenit-E(1960年代)、Zorki-4(1960年代)ALMAZ(1980年代)、FED(戦前)、Kiev-5(1970年代)、Kiev-3(1950年代)です。左から4台はモスクワ近郊のクラスノゴルスク工場製、5台目はレニングラードのLOMO製、次はウクライナ・ハリコフのFED製、右の2台がキエフのアーセナル製です。

原子力発電は経済的に有利なのか2005年10月10日

昨日の朝日新聞に日本原子力振興財団の広告が載っていた。

 1gのウラン=お風呂7杯分の石油

 ウラン235は1gで石油2000リットルに相当するエネルギーなのだそうである。
 ウラン235は天然ウランの中で、0.7%に過ぎない。これを、3~4%に濃縮したものを原子力発電の燃料に使用する。ウラン235は0.7%なのだから、ウラン235を1g用意するには、天然ウラン143gが必要になる。
 すなわち、1gのウランではなく、143gのウランが必要である。

 143gのウラン=お風呂7杯分の石油
 
 さて、天然ウラン143gがあっても、ここからエネルギーを取り出すことはできない。ウラン235を3~4%に濃縮する必要があり、この濃縮に多大なエネルギーを使用する。技術の向上により、ウラン濃縮に要するエネルギーは削減されているが、このエネルギーを無視することはできない。

 しかし、原子力発電の問題はそんなところにあるのではなく、むしろ、発電後の問題が大きい。発電終了後の燃えカス(死の灰)をどのように処理すればよいのか。数年間は、原子力発電所付属プールに沈めておき、その後、ガラスに混ぜて固化し、それを、ステンレスの容器に封じ込める(ガラス固化体と言う)。しかし、ガラス固化体は多量の放射能を放出し、さらに、発熱するものであるので、この貯蔵方法が問題である。しばらくは、青森県六カ所村の貯蔵施設に貯蔵するのであるが、その後はどうするのか、方針は決まっていない。
 このような、最終処分の費用まで含めた場合、いったいどれだけのエネルギーを必要とするのか、その試算はあいまいである。

 かつて、ガラス固化体発熱の安全性に関する研究に携わっていたことがある。いろいろと仮定を入れれば、安全であるとの主張が成り立つような、計算結果を出すことは、いくらでも可能である。しかし、ガラス固化体の放射能は数万年、発熱だけでも1000年は考慮しなくてはならない。これだけの期間、ステンレス容器を含めたガラス固化体の安全性を予測することが果たして可能なのだろうか。

 原子力発電の安全性や、最終コストは、現在のわれわれの技術で予測することは、不可能だろう。

ソ連邦英雄 リヒャルト・ゾルゲ2005年10月15日

ソ連邦英雄 リヒャルト・ゾルゲを取り上げます。

 1941年10月15日、尾崎秀実の検挙に続いて、10月18日、独紙記者・大使館顧問リヒャルト・ゾルゲは、治安維持法違反容疑で検挙されました。

 リヒャルト・ゾルゲは1895年アゼルバイジャンのバクーで生まれ、3歳のときにベルリンへ移住。1933年独紙記者として、横浜に派遣、尾崎秀実らと協力して、日本やドイツの動きをソ連に送るスパイ活動に従事。
 ゾルゲは尾崎らから、日本の南進政策を入手。この情報により、ソ連はシベリアの兵力を対ドイツ戦線に送ることができ、スターリングラード攻防戦の勝利を始めとして、大祖国戦争の勝利へと結びついた。ゾルゲの功績は計り知れない。
 ゾルゲは尾崎とともに、大祖国戦争勝利がせまった、1944年11月7日革命記念日に処刑された。大祖国戦争勝利に対する功績を顕彰し、1964年、ソ連邦英雄の称号が与えられた。

 写真は、1965年に発行された記念切手です。左下の星のようなものは、ソ連邦英雄に伴って受賞した勲章(記章)です。
 スパイがこのように顕彰されて名を残すことは非常に稀ですが、リヒャルト・ゾルゲ、尾崎秀実こそ、世界をナチスから解放するにあたって、多大な功績の有った、真の英雄と呼ぶにふさわしい人物です。

サンフランシスコ条約11条-極東国際軍事裁判所の判決2005年10月16日

 サンフランシスコ条約11条により、日本国は、極東国際軍事裁判所の裁判(判決)を受諾しました。「極東国際軍事裁判所の裁判を受諾」とは、いったいどういうことでしょう。このためには、「極東国際軍事裁判所の判決」とは、何であるのか、具体的内容を知る必要があります。


 日本国はポツダム宣言を受諾しました。ポツダム宣言第10条には「一切ノ戦争犯罪人ニ対シテハ厳重ナル処罰加ヘラルベシ」となっており、戦争犯罪人の処罰が約束されていました。1946年1月19日、ポツダム宣言第10条および降伏文書に基づき、「極東国際軍事裁判所条例(極東国際軍事裁判所憲章)」が制定されました。さらに、1946年5月3日、同条例に基づき、極東国際軍事裁判所が開廷、A級戦犯の裁判が始まりました。極東国際軍事裁判所は東京におかれたので、通称「東京裁判」といいます。裁判は2年半の審理の後、1948年4月16日に結審し、長い休廷に入ります。そして、結審後半年以上たった、11月4日午前9時30分、判決の言い渡しが始まりました。
 
 極東国際軍事裁判所の判決文は、次の10章と付属書A・Bからなり、英文で1212ページにのぼっていました。

 第一章 本裁判所の設立および審理
 第二章 法 
  一 本裁判所の管轄権
  二 捕虜に関する戦争犯罪の責任
  三 起訴状
 第三章 日本の権利と義務
 第四章 軍部による日本の支配と準備
 第五章 中国に対する侵略
 第六章 ソ連に対する侵略
 第七章 太平洋戦争 
 第八章 通例の戦争犯罪
 第九章 起訴状の訴因についての認定
 第十章 判定

 判決文の読み上げにあたって、ウエッブ裁判長は、これから自分は、ジャッジメントを読み上げる、というところから始めています。即ち、極東国際軍事裁判所のジャッジメントとは、この判決文(あるいはその内容)のことであることを宣言しています。

 膨大な量のため、判決文の読み上げに7日を要しました。すなわち、第1日目の11月4日は、第四章途中まで読まれ、11月5日はさらにこれが続き、11月8日,9日には第五章、11月10日には第六章・第七章、11月11には第八章の途中まで読まれました。
 11月12日、最終日には、第八章の残りの部分が読まれた後、第九章「起訴状の訴因についての認定」が読み下されました。訴因の一部が削除されて、罪状は10項目です。引き続いて、荒木被告からアルファベット順に、被告25人に対して、訴因ごとの有罪・無罪の判定が読み下されました。その後15分の休息ののち、一人一人を呼び出して「刑の宣告」が言い渡されました
 なお、法廷で朗読された判決文は多数意見だけでした。少数意見・別個意見は法廷では朗読されず、後日、弁護人と記者団に渡されています。このうち、インドのパル判事の少数意見は、1200ページを超え、判決文(多数派意見)を上回る分量がありました。

* * * * *

 さて、サンフランシスコ条約11条では「Japan accepts the judgments of the …」となっています。judgmentの用語には、そもそも、「裁判所の設立・法理」などの意味が含まれているのでしょうか。それとも、単に「判決文」の事を指しているのでしょうか。
 しかし、サンフランシスコ条約11条を解釈するに当たって、どちらでも同じことです。「judgment」が、単に「判決文」の事を指しているとしても、判決文の中に、「裁判所の設立、審理、根拠、事実認識、起訴状の認定、判定、刑の宣告」、これらすべてが含まれています。第十章 判定の最後に書かれている「刑の宣告」は極東国際軍事裁判所の判決のごく一部に過ぎません。

 判決には、判決理由が必ず含まれます。
 極東国際軍事裁判所条例、第十七条では「判決ハ公開ノ法廷ニ於テ宣告セラルベク,且ツ之ニ判決理由ヲ附スベシ」となっていて、判決理由が含まれることが義務付けられています。日本の刑事訴訟法でも、第四十四条には「裁判には、理由を附しなければならない」となっています。民事訴訟法、第二百五十三条には、「判決書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 主文、事実、理由、口頭弁論の終結の日、当事者及び法定代理人 、裁判所」となっています。判決には、法理が必ず含まれるわけです。さらに、裁判所の名称も含まれます。このため、裁判所の正当性は、判決の中に当然に含まれているのです。

* * * * *

靖国神社のホームページを見ると。(http://www.yasukuni.or.jp/siryou/siryou4.html
 日本語正文で「裁判」と翻訳されている単語「judgment」は、英米の法律用語辞典に照らしてみても「判決」と訳すのが適当のようです。この条文の大切な部分を「裁判」を受諾すると解するのと、「判決」を受諾すると解するのとでは、条文の意味(内容)が随分変わってきます。

 『英米の法律用語辞典に照らしてみても「判決」と訳すのが適当のようです』と書かれています。正しい翻訳とは英語を辞書で引けばそれで済むわけではなく、「judgment」の具体的内容を調べる必要があることは明らかなのに、ずいぶんとずさんな解説です。
 『「裁判」を受諾すると解するのと、「判決」を受諾すると解するのとでは、条文の意味(内容)が随分変わってきます』とも書いてあります。「裁判」と「判決」とでは、法律用語としてはほとんど違いがないことを説明しました。
http://cccpcamera.asablo.jp/blog/2005/09/21/82024
 「極東国際軍事裁判所の判決」を実際に見れば、サンフランシスコ条約11条によって日本が受諾した極東国際軍事裁判所の裁判(判決)には、「裁判所の設立、審理、根拠、事実認識、起訴状の認定、判定、刑の宣告」これらすべてが含まれていることが、良く分かります。

(この話題は今後もう少し続けます。)

サンフランシスコ条約11条の訳語-第17条でも judgment は裁判と訳されている2005年10月18日

以下の記事の補足です。
http://cccpcamera.asablo.jp/blog/2005/09/21/82024

サンフランシスコ条約11条の他に、17条でもjudgment は裁判と訳されています。 (下記、3箇所ある太線部分です)

第十七条
(b) 日本国政府は,いずれかの連合国の国民が原告又は被告として事件について充分な陳述ができなかつた訴訟手続において,千九百四十一年十二月七日から日本国と当該連合国との間にこの条約が効力を生ずるまでの期間に日本国の裁判所が行なつた裁判を,当該国民が前記の効力発生の後一年以内にいつでも適当な日本国の機関に再審査のため提出することができるようにするために,必要な措置をとらなければならない。日本国政府は,当該国民が前記の裁判の結果損害を受けた場合には,その者をその裁判が行われる前の地位に回復するようにし,又はその者にそれぞれの事情の下において公平且つ衡平な救済が与えられるようにしなければならない。

この文章で「判決」と訳したならば、命令によって刑罰が決められた場合に救済されなくなってしまいます。
judgmentを判決ではなく裁判と訳すことは、特に珍しいことではないようです。

東京裁判は正義の裁判か?2005年10月20日

 東京裁判が違法・不当な裁判だったと主張する評論家たちがいます。合法・違法は何を法として認めるのか、哲学・信条のような問題なので、個人的にいろいろなことを言う人があるわけです。

 昨日から、イラクではフセイン元大統領の裁判が始まりました。フセイン氏は、法廷の正当性を認めない考えを示したそうです。
 フセイン氏の裁判が、フセイン体制を倒したアメリカの主導で行われていることは明らかです。この裁判を日本政府も支持しているようです。また、日本の自衛隊も米軍と協力してイラク国内で活動しています。

 フセイン元大統領の裁判に協力し、東京裁判を批判するような態度には、賛成できません。

 イラクもここまで来たのだから、フセインを有罪にしなければ、先に進まないでしょう。現実問題として、フセイン有罪は仕方ないことでしょう。
 東京裁判も東条以下全員有罪の判定は、仕方のなかったことだでしょう。裕仁を死刑にする選択肢もあったとは思いますが。。。

スパイ2005年10月21日

 新聞によると、東芝子会社元社員は、半導体関連資料をロシア側に譲渡し会社に損害を与えた背任の疑いで、東京地検に書類送検された、そうです。東芝の子会社は「今回流出した資料はプレゼンテーション用で、軍事転用できるものではない」としているそうです。

 東西冷戦時代だったら、ココム違反で逮捕になるところですが、今回は、背任容疑だそうです。法的には、社員が会社に損害を与えた、それだけです。しかも、プレゼンテーション用資料であるならば、損害はものすごく軽微で、おそらく不起訴処分になるでしょう。今回の報道は、単なる日本国内の世論操作のためのものなのか、それとも今後、大掛かりなスパイ摘発事件に発展するのか、さてどちらでしょう。
 日本の公安部門が存在意義を示すための世論操作である可能性が高いと思っています。

サンフランシスコ条約11条-日本は極東国際軍事裁判所の正当性を受諾している2005年10月23日

日本はサンフランシスコ平和条約第十一条で、極東国際軍事裁判所の判決を受諾しました。
 極東国際軍事裁判所の判決文は、10章、英文で1212ページにのぼる膨大なものでした。判決の最初、第一章は「本裁判所の設立および審理」です。ここで、裁判所およびその審理の合法性・正当性が明確に示されています。


 日本国内の一部勢力からは、以下のようなおかしな説明がなされることがあります。
講和条約で日本が受け入れたのは、判決が科した刑罰の執行の継続であって、裁判や判決の趣旨を受け入れたわけではない。(稲垣武 ジャーナリスト 正論-扶桑社 8月号 平成17年度)

 扶桑社の雑誌に良く見られるこのような主張が成り立たないことは、極東国際軍事裁判所の判決文を読めば、疑問の余地のないことです。(右翼評論家は判決を読まずにデタラメを書いているのでしょうか。不思議です。)

 極東国際軍事裁判所の判決文では、裁判所の設立の根拠を次のように説明しています。

 極東国際軍事裁判所はカイロ宣言、ポツダム宣言、降伏文書、それから1945年12月26日のモスクワ会議に基づいて、またこれらを実施するために設立された。モスクワ会議の結果、米・英・ソ・中により、次のことが協定された。
 「最高司令官は日本降伏条項の履行、同国の占領及び管理に関する一切の命令並びに之が補充的命令を発すべし」
 この機能に基づいて、最高司令官は特別宣言書により極東国際軍事裁判所を設置した。この宣言書によって、裁判所の構成、管轄および任務は、同日最高司令官の承認を得た裁判所条例中に規定されたところによると宣言された。


 要するに「カイロ宣言、ポツダム宣言、降伏文書に基づいて、マッカーサーが命令して設立された」、これが、極東国際軍事裁判所の正当性の根拠になっています。これで、正当性の根拠になるのかどうか、評論家や法律学者にはいろいろと意見があることでしょう。しかし、日本国は条約によって判決を受け入れたのだから、後になってから「この判決に書かれていることは受け入れない」と言える筋合いではないのです。

 ところで、通常の裁判で、裁判所の設立などが判決に入ることはないでしょう。極東国際軍事裁判所の判決文では、裁判所の設立の根拠が記されているのはなぜでしょう。これは、直接には、裁判の中で日本側弁護団から、裁判所の正当性を否定する意見があったので、この意見に対して判定する必要があったためです。日本国が裁判所の正当性を受け入れることになった直接の原因は、日本側弁護団の法廷戦術にあった可能性否定できないかもしれません。

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