原子力発電は経済的に有利なのか ― 2005年10月10日
昨日の朝日新聞に日本原子力振興財団の広告が載っていた。
1gのウラン=お風呂7杯分の石油
ウラン235は1gで石油2000リットルに相当するエネルギーなのだそうである。
ウラン235は天然ウランの中で、0.7%に過ぎない。これを、3~4%に濃縮したものを原子力発電の燃料に使用する。ウラン235は0.7%なのだから、ウラン235を1g用意するには、天然ウラン143gが必要になる。
すなわち、1gのウランではなく、143gのウランが必要である。
143gのウラン=お風呂7杯分の石油
さて、天然ウラン143gがあっても、ここからエネルギーを取り出すことはできない。ウラン235を3~4%に濃縮する必要があり、この濃縮に多大なエネルギーを使用する。技術の向上により、ウラン濃縮に要するエネルギーは削減されているが、このエネルギーを無視することはできない。
しかし、原子力発電の問題はそんなところにあるのではなく、むしろ、発電後の問題が大きい。発電終了後の燃えカス(死の灰)をどのように処理すればよいのか。数年間は、原子力発電所付属プールに沈めておき、その後、ガラスに混ぜて固化し、それを、ステンレスの容器に封じ込める(ガラス固化体と言う)。しかし、ガラス固化体は多量の放射能を放出し、さらに、発熱するものであるので、この貯蔵方法が問題である。しばらくは、青森県六カ所村の貯蔵施設に貯蔵するのであるが、その後はどうするのか、方針は決まっていない。
このような、最終処分の費用まで含めた場合、いったいどれだけのエネルギーを必要とするのか、その試算はあいまいである。
かつて、ガラス固化体発熱の安全性に関する研究に携わっていたことがある。いろいろと仮定を入れれば、安全であるとの主張が成り立つような、計算結果を出すことは、いくらでも可能である。しかし、ガラス固化体の放射能は数万年、発熱だけでも1000年は考慮しなくてはならない。これだけの期間、ステンレス容器を含めたガラス固化体の安全性を予測することが果たして可能なのだろうか。
原子力発電の安全性や、最終コストは、現在のわれわれの技術で予測することは、不可能だろう。
1gのウラン=お風呂7杯分の石油
ウラン235は1gで石油2000リットルに相当するエネルギーなのだそうである。
ウラン235は天然ウランの中で、0.7%に過ぎない。これを、3~4%に濃縮したものを原子力発電の燃料に使用する。ウラン235は0.7%なのだから、ウラン235を1g用意するには、天然ウラン143gが必要になる。
すなわち、1gのウランではなく、143gのウランが必要である。
143gのウラン=お風呂7杯分の石油
さて、天然ウラン143gがあっても、ここからエネルギーを取り出すことはできない。ウラン235を3~4%に濃縮する必要があり、この濃縮に多大なエネルギーを使用する。技術の向上により、ウラン濃縮に要するエネルギーは削減されているが、このエネルギーを無視することはできない。
しかし、原子力発電の問題はそんなところにあるのではなく、むしろ、発電後の問題が大きい。発電終了後の燃えカス(死の灰)をどのように処理すればよいのか。数年間は、原子力発電所付属プールに沈めておき、その後、ガラスに混ぜて固化し、それを、ステンレスの容器に封じ込める(ガラス固化体と言う)。しかし、ガラス固化体は多量の放射能を放出し、さらに、発熱するものであるので、この貯蔵方法が問題である。しばらくは、青森県六カ所村の貯蔵施設に貯蔵するのであるが、その後はどうするのか、方針は決まっていない。
このような、最終処分の費用まで含めた場合、いったいどれだけのエネルギーを必要とするのか、その試算はあいまいである。
かつて、ガラス固化体発熱の安全性に関する研究に携わっていたことがある。いろいろと仮定を入れれば、安全であるとの主張が成り立つような、計算結果を出すことは、いくらでも可能である。しかし、ガラス固化体の放射能は数万年、発熱だけでも1000年は考慮しなくてはならない。これだけの期間、ステンレス容器を含めたガラス固化体の安全性を予測することが果たして可能なのだろうか。
原子力発電の安全性や、最終コストは、現在のわれわれの技術で予測することは、不可能だろう。
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