サンフランシスコ条約11条の訳語-メッコールをご存知ですか2005年12月09日

 メッコールとは、麦茶を甘くしたような炭酸飲料です。サンフランシスコ条約とメッコールには、何の関係も有りません。

 今年の6月頃、靖国問題に関連して、サンフランシスコ条約11条の訳語の可否が議論されたことが有ります。話題の発端の1人は、上智大学名誉教授で英文法学者の渡部昇一氏でした。渡部昇一氏は平成17年6月18日産経新聞に、次のように書いていました。

judgmentsを「裁判」と訳したのは悪訳、否、誤訳と言ってもいい。しかし、厳密に言えば「判決」でもない。複数になっているから「諸判決」とすべきである。諸判決とは絞首刑・東条英機他六名、終身禁固刑・賀屋興宣他十五名、禁固七年・重光葵などといった極めて具体的な個々のものである。日本が受諾したのは、この諸判決であり…


 渡部昇一氏の説が、誤りであることは、以前、説明しました。
  http://cccpcamera.asablo.jp/blog/2005/09/21/82024
  http://cccpcamera.asablo.jp/blog/2005/10/16/109772


 「世界日報」という、新聞が有ります。世界日報のホームページを見ると、渡部昇一氏が推薦文を書いています。

独特の立場に立つ新聞でありながら、主張や記事の公正さに対しては世界的評価を得ている。日本にもそのような新聞が存在していることを心から喜びたいと思う。
 http://www.worldtimes.co.jp/itenews/word/word.html



 統一教会という新興宗教をご存知でしょうか。合同結婚式や、価値の無い壷を高額で売りつける霊感商法のような、反社会的行為の目立つ宗教教団です。統一教会傘下の世界日報社が発行している新聞が世界日報です。

 霊感商法…統一教会…世界日報…渡部昇一氏


 統一教会の被害は現在でもかなり深刻なものが有ります。また、統一教会の責任を認めた判決は各地で言い渡されています。
  http://www12.ocn.ne.jp/~kazoku/index.htm
  http://www1k.mesh.ne.jp/reikan/

 さて、統一教会傘下の企業の1つが製造しているとの話がある清涼飲料が「メッコール」です。缶に入って、普通に自動販売機で売られていることもありました。飲んだことないので、一度飲んでみたいと思っています。もし、首都圏で、今でも販売しているところをご存知でしたら、教えてください。

東京裁判-天皇誕生日2005年12月23日

 今日、12月23日は天皇誕生日です。昭和時代は、皇太子誕生日でした。  1948年11月に、東京裁判で死刑判決が下った、東條英機・廣田弘毅ら7人に対して、12月23日、巣鴨刑務所で絞首刑が執行されました。皇太子誕生日を意識して行われた死刑執行でした。  東京裁判は、戦争の勝者が、敗者を裁いた、報復裁判の面が有ったことは否定できません。死刑の執行日に皇太子誕生日を選んだことは、日本国に対する、アメリカの報復意図を明確に示しています。  しかし、裁判と言うのは、絶対的に強大の権力を持っている国家が、国民を裁くもので、権力のあるものが、権力のないものに、刑を科す行為です。量刑においても、遺族感情が考慮される場合があるので、刑の執行には、もともと報復意図を含んでいることがあるものです。東京裁判に報復裁判の面があったことは、特に珍しいことではないでしょう。

反日運動2005年12月31日

 今年1年を振り返ると、中国や韓国で反日運動が盛んだった年です。島根県の竹島の日設定、教科書問題、小泉総理の靖国参拝と、反日感情を悪化させる事が多い1年でした。
 私も靖国神社を参拝はしたのですが、結局3回しか行きませんで、靖国神社を十分に理解できたわけでは有りませんでした。ただし、靖国神社の展示館を、時間をかけて3回観覧すると、靖国神社は侵略を賛美し、侵略戦争をするための神社であることが、良く分かりました。

 ところで、日本の一部右翼勢力の中には、南京大虐殺(中国に侵略した日本軍が南京を占領し、南京住民の多数を虐殺した、忌まわしい事件)が存在しないと、とんでもないうそを言う人たちが存在します。人里はなれた、田舎町で虐殺した場合なら、シラをきりとおすことも可能でしょうが、大都会で白昼堂々と行われた犯罪を、隠し通すことには、無理があります。日本の皇族も、南京大虐殺があったことを、実際に見ており、戦後、著書の中で南京大虐殺の事実が記載されています。少々長い引用をもって、今年最後のBlogとします。引用が長すぎるので、関連のある部分を太字にしますが、原文は同じ字体です。
 この文章、ちょっと、嫌いです。『事変当初の一部の将兵の残虐行為』との認識は正しいのだろうか。残虐行為は一部将兵の問題ではなく、南京占領の戦略自体に付随していたことではなかったのだろうか。南京大虐殺は、日本軍が組織的に行った犯罪なのではないか、そんな疑問があります。

三笠宮崇仁親王(昭和天皇の弟)の著書「帝王と墓と民衆」から引用


 そのうち参謀として南京に行くことにきまった。「軍人の本懐これにすぎず」であった。その前にも戦地に行きたいと思っていたが、なかなかやってもらえず、竹田宮が騎兵の中隊長として敵兵の中に陣頭指揮された話をきいて切歯扼腕していたときでもあったから……。
 南京に着任してみると、とにかく警戒厳重で、司令部内で用をたしにゆくときさえ憲兵がついてくるありさまで、公務出張以外、私用で外出する気にはまったくなれなかった。一年いたあいだに中華料理を食べたのはたった二回しかなかった。まあそんなことはどうでもよいとして、わたくしの信念が根底から揺りうごかされたのは、じつにこの一年間であった。いわば「聖戦」というものの実体に驚きはてたのである。罪もない中国の人民にたいして犯したいまわしい暴虐の数かずは、いまさらここにあげるまでもない。かかる事変当初の一部の将兵の残虐行為は、中国人の対日敵愾心をいやがうえにもあおりたて、およそ聖戦とはおもいもつかない結果を招いてしまった。この失敗は軍および日本政府首脳者に真剣な反省をうなかし、新たに対華新政策なるものが決定され、わたくしが南京に在住していた一年間は、司令官以下この新方針の徹底に最大の努力をした。そのこと自体はまことによい変化ではあったが、すでに手遅れであった。ただ「焼け石に水」に過ぎなかった。
 事変当初、上海に上陸したある師団長は、「支那軍が降参しなければ四百余州を焼き払う。」と豪語したとかいううわさをきいたことがある。これはきわめて極端な例だと思っていたが、戦地を回っているうちに、ほんとうにそんな気分かみなぎっていたのには驚いた。というのは例の対華新政策が発表されるや、軍司令官はただちに「四悪」を禁止するという厳重な命令を下した。四悪というのは略奪、暴行、放火、強姦のことである。ところで、ある第一線の大隊長のいうことがふるっていた。今までは敵のいた家は焼きはらって進んだので、自分の大隊の第一線がどの辺を前進しているかすぐ分かった。ところがこんど放火を禁ぜられてみると、第一線がどこにいるかさっぱり分からない、と。まったく笑えないナンセンスであった。
 わたくしが上海地区へ視察に行ったとき、日本軍の上海付近上陸以来ちょうど六年たっていたが、ある第一線の師団長はしみじみとつぎのように述懐しておられた。「われわれが戦っている相手の中国軍と、日本軍に協力してくれている中国軍と比較すると、相手のほうが一般民衆にたいする軍紀が厳正です。われわれは正義の戦をしているはずなのに、軍紀のゆるんでいる軍隊を助けて、軍紀のひきしまっているほうの軍隊を討伐することに、つくづくと矛盾を感じます。」と。この言葉はその当時のわたくしの心境にぴったりと合っていたので、今だに忘れられない。
 この両師団長の言葉は、事変勃発当初と終戦直前の在華日本軍の首脳部の考えかたの変化を示す一例として、ひじょうに興味がある。もっとも、日本軍人の中にもはじめから中国を理解し、国際正義を十分にわきまえていた人もけっして少なくなかった。が、そういう人の意見は概して下積みになって、とかく勇ましい議論が軍の大勢を左右していたのであろう。わたくしは南京の参謀になるまで軍の中枢部に勤務したことがなかったので、断言はできないが、いま当時をふりかえってみると、どうもそんな気がしてならない。こうして軍の中枢部に反省がおこるまでには、満州事変の発端から数えて、じつに十年の歳月を要したのである。長い人類の歴史を考えると十年という年月は短いといえるかもしれない。しかし、軍の首脳部のこの反省がおびただしい人命-聖戦と信じ、進んで生命を捧げた同胞と、罪なき中国の人々-の犠牲の上になされたということを、われわれは夢にも忘れてはならない
 個人の心境の変化-宗教的にいえば回心-は比較的短期間におこりうるのにたいして、人間の社会とか特定の集団とかの、心理的変化は、じつに時間のかかるもの、というより坂の上から大きな石をころがすようなものだと思える。わたくしがここで言いたいのは、聖戦という大義名分が、事実とはおよそかけはなれたものであったこと、そして内実が正義の戦いでなかったからこそ、いっそう表面的には聖戦を強調せざるを得なかったのではないかということである。こういう考えかたを持った当初は、すこし極端かなとも思ったが、「暴戻なる支那軍」の鉄道爆破事件が、じつは一部の幹部の陰謀によるとはいえ、とにかく「暴戻なる関東軍(満州に駐在した日本軍)」のしわざであったことを知るにおよんでは、もはや極端だと思わなくなった。

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