東京裁判-その後(2)2006年02月06日

②日本は東京裁判の判決に示されている「東京裁判史観」を尊重する必要があるか。

「東京裁判史観」とは何であるのか、よく分かりませんが、日本の誰が、何を尊重する必要があるのか、具体的に考えないといけない問題です。

 東京裁判の判決は司法判断です。司法では何をどのように尊重する必要があるでしょう。日本国憲法第76条では、『すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される』となっているので、東京裁判の判決には拘束されませんね。

 次に行政ではどうでしょう。憲法第98条では『日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする』となっているので、東京裁判の判決は誠実に遵守する必要があります。東京裁判の判決に反して、A級戦犯に対して重ねて起訴することはできません。
しかし、行政が司法判断に示された判決理由に束縛される制度は日本には存在しません。東京裁判の判決理由に示された内容に、日本政府の行政が束縛されるとの解釈は成り立たないでしょう。
 しかし、日本は東京裁判の判決を受諾しています。このため、東京裁判の判決文に対して「これは誤りである」「違法である」などと、評論する立場にもないわけです。

 では、政治家はどうでしょう。東京裁判の判決理由に示された内容に従ったほうが、選挙のときに票が取れるのならば、特に、従わないと落選する恐れがあるのならば、東京裁判の判決理由に示された内容に従がわなくてはなりません。これは、法的要請ではなくて、単に、個人利益の問題です。

 現在、日本政府は、東京裁判の判決に抵触するような行為を行っていません。また、東京裁判の判決を否定する評論をしているわけでもありません。東京裁判判決を金科玉条のごとく扱ってもいません。おおむね妥当な態度だと思います。

 以上、つまらない結論になってしまいました。

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