木村汎著『日露国境交渉史』改定新版2006年02月09日

下の記事では、些細な事を書いて、肝心な事を書きませんでした。

昨年10月、角川選書から改訂新版が出版されました。改定新版と旧版(中公新書)の違いを説明します。

 改定新版では、エリツイン時代の後半と、プーチン時代の領土交渉が加筆されています。さらに、解決策の部分がだいぶ変っています。序章も違います。それ以外の部分、日露の出会い・国境確定・戦後の占領・国交回復・田中ブレジネフ会談・ゴルバチョフ、と、これらの説明は、多少違いはありますが、大きく変ったところは無いようです。

 中公新書の旧版は¥754に対して、角川選書の新版は¥1995と2倍以上になっています。内容が2倍以上になったわけではないけれど、どちらかを入手しようかと思っている人は、最新の知識も加わっている、新版のほうがよろしいかと思います。

 北方領土問題に関心のある人は、『北方領土問題 歴史と未来』和田春樹/著(朝日新聞社1999.3) あるいは、『北方領土問題と日露関係』長谷川毅/著(筑摩書房2000.4) と、この木村汎著『日露国境交渉史』の両方を読むと良いでしょう。両方を読むことをおすすめします。
 和田春樹氏・長谷川毅氏の本は、正確な知識を伝える事を目的としているようです。木村汎氏の本は、四島返還論の正当性の根拠を理解する上で重要です。

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