小林よしのりのマンガ(3)2006年09月15日

小学館のSapioに、小林よしのりが、おかしなマンガの解説を書いていました。内容もでたらめ、絵も汚らしいで、見る気が全然起きません。

 サンフランシスコ講和条約11条の目的に関して、小林よしのりのマンガではデタラメな説明ガなされています。最初に、小林のデタラメ説明と、条約締結国会での政府の正しい説明を掲載します。

小林よしのりのデタラメな説明
 サンフランシスコ講和条約第11条とは、日本政府が、占領中の連合国の軍事行動で戦犯とされた者たちの、「刑の執行」を肩代わりせよという条約であり、ただしその「刑の執行」も条件次第では停止して釈放してもよいという条約なのである。


昭和26年日本政府の説明
 第十一條は戰犯に関する規定でございます。この條約の規定は、日本は極東国際軍事裁判所その他連合国の軍事裁判所がなした裁判を受諾するということが一つであります。いま一つは、これらの判決によつて日本国民にこれらの法廷が課した刑の執行に当るということでございます。そうしてこの日本において刑に服しておる人たちに対する恩赦、特赦、仮釈放その他の恩典は、将来は日本国政府の勧告に基いて、判決を下した連合軍のほうでこれをとり行うという趣旨が明かにされております。極東軍事裁判所の下した判定については、この極東軍事裁判所に参加した十一カ国の多数決を以て決定するということになつております。一体平和條約に戰犯に関する條項が入りません場合には、当然各交戰国の軍事裁判所の下した判決は将来に対して効力を失うし、又判決を待たないで裁判所が係属中のものは爾後これを釈放する、又新たに戰犯の裁判をするということは許されないというのが国際法の原則でございます。併しこの国際法の原則は、平和條約に特別の規定がある場合にはこの限りにあらずということでございます。従つてこの第十一條によつて、すでに連合国によつてなされた裁判を日本は承認するということが特に言われておる理田はそこにあるわけでございます。戰犯に関する限り、米国政府の態度は極めて友好的であつたと私は一言ここに附加えておきたいと、こう思います。(昭和26年10月26日 参議院-平和条約及び日米安保委員会 政府委員 西村熊雄)


 政府の説明では、『日本国が裁判を受諾すること』『日本国民に課した刑の執行に当る』と2つの規定が有ることが明確にされています。小林は自分に都合の悪いところは故意に隠しています。
 さらに、政府の説明では、『すでに連合国によつてなされた裁判を日本は承認するということが特に言われておる』と『裁判を承認する』ことであると、明確に説明されています。

 ところで、小林は『占領中の連合国の軍事行動で戦犯とされた』と書いていますが、軍事行動で戦犯とされた人はいないので、これは、どのようなつもりで書いたのでしょう。単なるミスなのか、サピオの読者をだます下心なのか。

* * * * * *

<< 2006/09 >>
01 02
03 04 05 06 07 08 09
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

RSS