北方領土問題 ― 2006年12月15日
北方領土問題(1):
麻生外務大臣が、4島のうち50%返還で領土問題を解決する案に言及したとのことです。4島返還に固執して、戦後60年たっても一歩も進展しなかった状況よりは、だいぶマシな案です。解決の意思表示を示したという点では、多少評価しても良いのかもしれません。
北方領土問題(2):
昨日の朝日新聞によると、北大の岩下明裕氏の著書『北方領土問題 4でも0でも、2でもなく』が、大佛次郎賞になったとか。この本は、ロシア・中国国境画定問題を参考にして、日露領土問題でも、2島と4島の中間で妥協することを提言しています。
北方領土問題(3):
岡山大学の吉田浩助教授(ロシア近代史)のページをみると、『解決に向け進みはじめた北方領土問題』の題目で、三島返還論を歓迎するコメントを書いています。
http://www.okayama-u.ac.jp/user/seiyoshi/essay23.html
吉田氏は、2年半前に、3島返還論を主張していたので、最近の動きを歓迎するのは当然なのかも知れません。
しかし、日ソ共同宣言では、歯舞色丹の2島にのみ触れていることを考えると、2島を超えた要求はなかなか難しいのではないかと思います。そもそも、2島返還は、『日本の4島返還』と『ソ連の返還不要』の中間案として、出されたものであるともいえるので、さらに、2と4の中間を取って3というのは、そう簡単には行かないでしょう。
2島、3島、4島、まあ、そんなことを言っていないで、さっさと、少しでも進展して欲しいものです。
麻生外務大臣が、4島のうち50%返還で領土問題を解決する案に言及したとのことです。4島返還に固執して、戦後60年たっても一歩も進展しなかった状況よりは、だいぶマシな案です。解決の意思表示を示したという点では、多少評価しても良いのかもしれません。
北方領土問題(2):
昨日の朝日新聞によると、北大の岩下明裕氏の著書『北方領土問題 4でも0でも、2でもなく』が、大佛次郎賞になったとか。この本は、ロシア・中国国境画定問題を参考にして、日露領土問題でも、2島と4島の中間で妥協することを提言しています。
北方領土問題(3):
岡山大学の吉田浩助教授(ロシア近代史)のページをみると、『解決に向け進みはじめた北方領土問題』の題目で、三島返還論を歓迎するコメントを書いています。
http://www.okayama-u.ac.jp/user/seiyoshi/essay23.html
吉田氏は、2年半前に、3島返還論を主張していたので、最近の動きを歓迎するのは当然なのかも知れません。
しかし、日ソ共同宣言では、歯舞色丹の2島にのみ触れていることを考えると、2島を超えた要求はなかなか難しいのではないかと思います。そもそも、2島返還は、『日本の4島返還』と『ソ連の返還不要』の中間案として、出されたものであるともいえるので、さらに、2と4の中間を取って3というのは、そう簡単には行かないでしょう。
2島、3島、4島、まあ、そんなことを言っていないで、さっさと、少しでも進展して欲しいものです。
コメント
_ ayaka ― 2007年01月27日 00時05分55秒
_ cccpcamera ― 2007年01月27日 22時03分10秒
ayakaさま、コメントありがとうございます。
現在、北方領土にはロシアの人が住み、ロシアの政治が行われ、ロシアの学校があります。つまり、北方領土は、現実には、ロシアです。
多くの国の地図では、北方領土はロシアの領土になっています。これは、北方領土が現実にはロシアだからそのように書いてあるのです。たとえば、あるフランス人がエトロフ島に旅行しようと思ったとします。この人の買った地図にエトロフ島が日本の領土と書いてあるならば、この人は、日本大使館の許可を取ればエトロフ島旅行できるのだろうと思ってしまうでしょう。ところが、実際にはロシア大使館の許可が必要です。つまり、北方領土が日本の領土と書いてある地図は、旅行者にとっては、役に立たないインチキ地図です。このような理由で、多くの国の地図では、北方領土が日本の領土とはなっていません。
ただし、地図にロシアの領土であると書いてあるからといって、地図を出版した国が、北方領土はロシアの領土であるべきと公式認定しているわけではありません。北方領土問題は日本とロシアの問題なので、日本とロシアの話し合いで決めるべきことだから、外国は口出しをしないことが原則です。
日本政府は、北方領土が日本の固有の領土であるので、我が国に帰属すべき領土であると説明しています。ただし、日本が北方領土は日本の領土と主張している理由は、本音では、人によっていろいろ違いが有ります。
北方領土問題は戦後60年たっても全く進展していません。毎年、国の予算が北方領土返還運動に流れます。北方領土返還運動で、金が入る人がいることも事実です。こういう人のなかには、北方領土返還を声高に叫ぶことによって、よりたくさんの金をせしめようとしている人がいることも事実のようです。
ayakaさまは、中学生ですよね。こういう、大人のどろどろした汚い話は、このぐらいで止めておきます。
現在、北方領土にはロシアの人が住み、ロシアの政治が行われ、ロシアの学校があります。つまり、北方領土は、現実には、ロシアです。
多くの国の地図では、北方領土はロシアの領土になっています。これは、北方領土が現実にはロシアだからそのように書いてあるのです。たとえば、あるフランス人がエトロフ島に旅行しようと思ったとします。この人の買った地図にエトロフ島が日本の領土と書いてあるならば、この人は、日本大使館の許可を取ればエトロフ島旅行できるのだろうと思ってしまうでしょう。ところが、実際にはロシア大使館の許可が必要です。つまり、北方領土が日本の領土と書いてある地図は、旅行者にとっては、役に立たないインチキ地図です。このような理由で、多くの国の地図では、北方領土が日本の領土とはなっていません。
ただし、地図にロシアの領土であると書いてあるからといって、地図を出版した国が、北方領土はロシアの領土であるべきと公式認定しているわけではありません。北方領土問題は日本とロシアの問題なので、日本とロシアの話し合いで決めるべきことだから、外国は口出しをしないことが原則です。
日本政府は、北方領土が日本の固有の領土であるので、我が国に帰属すべき領土であると説明しています。ただし、日本が北方領土は日本の領土と主張している理由は、本音では、人によっていろいろ違いが有ります。
北方領土問題は戦後60年たっても全く進展していません。毎年、国の予算が北方領土返還運動に流れます。北方領土返還運動で、金が入る人がいることも事実です。こういう人のなかには、北方領土返還を声高に叫ぶことによって、よりたくさんの金をせしめようとしている人がいることも事実のようです。
ayakaさまは、中学生ですよね。こういう、大人のどろどろした汚い話は、このぐらいで止めておきます。
_ ayaka ― 2007年01月28日 20時19分02秒
解説ありがとうございます。非常にわかりやすく、助かりました。
一言に北方領土問題と言っても、細々とした問題がたくさんあるのですね。国際問題はなかなか解決しませんが、国民がこういう事についての知識を知っておくことは今後の社会に役立つと思います!これからも、関心を持っていきたいです。
本当にありがとうございました。
一言に北方領土問題と言っても、細々とした問題がたくさんあるのですね。国際問題はなかなか解決しませんが、国民がこういう事についての知識を知っておくことは今後の社会に役立つと思います!これからも、関心を持っていきたいです。
本当にありがとうございました。
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領土問題に関心がありHPを拝見させて頂きました。
1つ疑問があるので、よろしければ教えて頂けないでしょうか?
HPを拝見させて頂いたところ世界各国の地図では北方領土はロシア領として表記されているものが多いようです。なぜ、世界の国々は北方領土をロシアの領土と認めているのでしょうか?日本が北方領土は日本の領土と主張しているのは、領海や経済水域に関わるからだけなのですか?
基本的な所だと思いますが、勉強不足で分かりません。。よろしければ解説お願い致します。