竹島=独島論争2007年03月25日

 最近出版された『竹島=独島論争 歴史資料から考える(内藤正中・朴炳渉 /著 新幹社)』を読みました。
 日本政府は竹島は日本の固有の領土であると主張しています。この本は、竹島は日本の領土であるとの主張を歴史資料から批判しています。竹島が韓国の領土であると積極的に主張しているわけではありません。著者の島根大学名誉教授・内藤正中氏は歴史学者で、特に、島根県の歴史がご専門のようです。歴史学者であるため、歴史考証は厳密正確です。
 竹島日本領論を唱えている第一人者は拓殖大学の下條正男氏ですが、こちらは著書によって主張が異なることがあったり、我田引水的解釈が目立ったりと、歴史の解説としてみると力量に格段の違いを感じます。
 この本の、もう一人の著者である朴炳渉氏の説明には賛否両論があると思いますが、下條正男氏に比べれば、説明が論理的です。

 現在、島根県は下條氏を座長として、竹島問題の研究をしているようですが、内藤正中氏を中心に据えれば、もっとまともな研究ができるのではないだろうかと思います。

 北方領土問題では、北方領土返還運動は単なる利益団体として、返還運動自体を食い物にしている場合があります。島根県の竹島返還運動にも、そういうところがあるのかもしれません。歴史的根拠の厳密さなどどうでも良いから、国の補助金を地元に投入させるための手段として、竹島問題を騒いでいるのでしょうか。もし、そうだとしたら、内藤正中氏のように、正確な歴史研究を目指すのではなく、下條氏のように、竹島日本領ありきで、運動を推し進める必要があるのでしょう。

 竹島返還運動を、一部の人たちの食い物にさせないためにも、竹島が日本の領土であるとの主張を歴史資料から見直す必要が有ります。

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