カタクリ2008年04月01日

 
栃木県佐野市のミカモ山には、カタクリの大群落があります。
(2008年3月29日撮影)

本の紹介-続 日本海と竹島 日韓領土問題の根本史料『隠州視聴合紀』を読む 大西俊輝/著 東洋出版 (2007/10) 388ページ2008年04月02日


本の内容は『隠州視聴合紀』の詳しい解説です。

『隠州視聴合紀』は江戸時代の1667年、隠岐郡代の齋藤豊仙が著した隠岐の地誌書です。第一巻の国代記に次の一節が有ります。

 『此二島(鬱稜島と竹島のこと)無人之地、見高麗如自雲州望隠州、然則日本之乾地、以此州為限矣』

 最後の、『然則日本之乾地 以此州為限矣』は『しからば即ち、日本の戌亥の地、この州をもって限りとなす』ですので、『日本の北西端はこの州です』という意味になります。 
 竹島領有論争が日韓で起こったとき、日本の外務官僚川上は、『州』を『島』の意味に解釈して、『日本の北西端は鬱稜島と竹島です』と説明しました。ところが、この解釈には反論が起こりました。『州』は『国』の意味なので、『日本の北西端は隠州です』という意味であるとの反論です。
 この部分の解釈は、竹島領有主張と密接に絡んでいます。
 竹島は日本の領土と主張する人たちは、『日本の北西端は鬱稜島と竹島です』と読んで、竹島は日本の領土との認識だったと解釈します。竹島は韓国の領土と主張する人たちは、『日本の北西端は隠州です』と読んで、竹島は日本の領土に含まれないとの認識だったと解釈します。
 『州』を『島』と読むか『国』と読むかの論争は、『隠州視聴合紀』全体を読むこと無しに、一節のみの解釈論が繰り返されました。

 このような状況に対して、大西は、『隠州視聴合紀』全体を読み、その中で、『州』『嶋』『洲』がどのように使い分けられているかを見ることを勧めています。

『隠州視聴合紀』では、次のように使い分けられています。
 州・・・すべて、国の意味に使われている
 嶋・・・すべて、島の意味に使われている
 洲・・・すべて、砂洲のような意味に使われている

 大西は、『隠州視聴合紀』全体を精読することにより、『日本の北西端は隠州です』の意味であると説明しています。ただし、大西は、竹島は日本の領土に含まれないとの認識だったとの解釈に立っているわけではありません。

 本の一節のみを切り出して、無理やり、自分に都合の良い解釈を作り上げるのではなく、まじめに、全体を理解して、その中で正しい解釈を目指すべきでしょう。大西の本は、『隠州視聴合紀』をまじめに理解しようとする読者にとって、格好のガイドです。

罪の巨コン2008年04月07日

(掲示板に書いた記事の転載です)

 沖縄渡嘉敷島で住民を殺害した赤松の弟等が、大江健三郎ノーベル賞作家を名誉毀損で訴えた裁判は、一審で原告全面敗訴の判決が下されました。原告は判決を不服として控訴しました

 この事件について、曽野綾子の誤読が原因との説があります。
 http://d.hatena.ne.jp/dokuhebiniki/20071118/p1
 大江が『罪の巨塊』と書いたところを、曽野が『罪の巨魁』あるいは『罪の巨魂』と誤読したとのことです。私は、曽野の著作を読んだことがなかったので、曽野綾子(あるいは三浦)なる人物が何を書いているのか良く知りません。それで、『曽野綾子/著 集団自決の真実(ワック)』を、図書館で借りてきて、少し読んでみました。
 普通に日本語ができる人ならば、曽野のように誤読することは無いだろう、そのように感じました。普通に考えたら、誤読ではなくて、捏造ではないだろうか。

 まず、関連する部分を記載します。

大江健三郎/著 沖縄ノート(岩波新書)(P210)
 慶良間の集団自決の責任者も、そのような自己欺瞞と他者への欺瞞の試みを、たえずくりかえしてきたことであろう。人間としてそれをつぐなうには、あまりにも巨きい罪の巨塊のまえで、かれはなんとか正気で生き延びたいとねがう。かれは、しだいに稀薄化する記憶、歪められる記憶にたすけられて罪を相対化する。つづいてかれは自己弁護の余地をこじあけるために、過去の事実の改変に力をつくす。
曽野綾子/著 集団自決の真実(ワック)(P295)
 大江健三郎氏は『沖縄ノート』の中で次のように書いている。
「慶良間の集団自決の責任者も、そのような自己欺瞞と他者への欺瞞の試みを、たえずくりかえしてきたということだろう。人間としてそれをつぐなうには、あまりにも巨きい罪の巨魂のまえで……(後略)」
 このような断定は私にはできぬ強いものである。「巨きい罪の巨魂」という最大級の告発の形を使うことは、私には、二つの理由から不可能である。第一に、一市民として、私はそれほどの確実さで事実の認定をすることができない。なぜなら私はそこにいあわせなかつたからである。第二に、人間として、私は、他人の心理、ことに「罪」をそれほどの明確さで証明することができない。なぜなら、私は神ではないからである。
 大江が『罪の巨塊』と書いたところを、曽野は『罪の巨魂』としています。
 曽野の本が単にミスプリであるとは、ちょっと考え難いことです。大江は『罪の巨塊』と、罪が物であることを示唆しているのに対して、曽野は、『なぜなら私はそこにいあわせなかつたから』と、罪が、赤松個人であるかのような記述をしています。

 ところで、大江は『集団自決』が『命令』によるものであると、断定していません。当時、そのように言われていたので、言われていたことをそのまま書いたに過ぎません。いわゆる『集団自決』が直接、軍の命令であったのか否かは、大江の関心ではなかったのでしょう。
大江健三郎/著 沖縄ノート(岩波新書)(P208)
 このような報道とかさねあわすようにして新聞は、慶良間列島の渡嘉敷島で沖縄住民に集団自決を強制したと記憶される男、どのようにひかえめにいってもすくなくとも米軍の攻撃下で住民を陣地内に収容することを拒否し、投降勧告にきた住民はじめ数人をスパイとして処刑したことが確実であり、そのような状況下に、「命令された」集団自殺をひきおこす結果をまねいたことのはっきりしている守備隊長が、戦友(!)ともども渡嘉敷島での慰霊祭に出席すべく沖縄におもむいたことを報じた。僕が自分の肉体の奥深いところを、息もつまるほどの力でわしずかみにされるような気分をあじわうのは、この旧守備隊長が、かつて《おりがきたら、一度渡嘉敷島にわたりたい》と語っていたという記事を思い出す時である。

本の紹介-独島/竹島韓国の論理2008年04月10日


『独島/竹島韓国の論理 増補版 金学俊/著 論創社(2007年11月)』

「竹島は韓国の領土である」との立場で書かれた本です。

 2004年5月に同じ出版社から出版された同名の本の増補版です。前書とは、あまり違いは無いような感じがしますが、前書が手元に無いので、どこがどう変わったのか、良くわかりません。
 一読すると、竹島は日本領との立場で書かれた本に比べ、論旨が明快のように感じます。これは、竹島に対する関心が、日本より韓国の方がはるかに高いため、いろいろと議論がなされているためでしょう。しかし、竹島韓国領論の方が説得力があるかと言うと、そうでもなくて、都合の良い資料を都合よく解釈しているようです。この点は、竹島日本領論と同じです。

ニリンソウが一輪2008年04月12日

ニリンソウ

川口市安行のイチリンソウ自生地に行きました。でも、まだ、イチリンソウは咲いていませんでした。来週ぐらいが見ごろのようです。
イチリンソウは咲いていなかったけれど、ニリンソウが一輪、咲いていました(写真)。

このほか、埼玉県さいたま市のサクラソウ自生地にも行きました。サクラソウはちょうど見ごろでした。撮った写真を以下にアップしました。今後、花の写真を、だんだん増やしてゆこうと思います。
http://cccpcamera.photo-web.cc/My_Picture/Flower/

ご参考まで2008年04月20日

 
 故陸軍上等兵 藤原良英
右今般靖国神社へ合祀被 仰出四月二十三日
招魂式二十四日二十五日二十六日二十七日臨時大祭
挙行相成候間此段及御通知候也
 昭和十九年四月
  靖国神社臨時大祭委員長
   海軍大将
遺族御中

クマガイソウ2008年04月21日

 
 日曜日、さいたま市御蔵の尾島家にクマガイソウを見に行きました(写真)。花好きの尾島さんに、いろいろとクマガイソウの話を聞きました。尾島家の広い庭には、いたるところタンポポが咲いていました。すべてカントウタンポポかシロバナタンポポ(在来種)のようで、セイヨウタンポポは見当たりませんでした。道1つ隔てた畑のあぜに咲いていたタンポポは、すべてセイヨウタンポポ。

自然に咲いている雰囲気でたくさん有ったもの
 クマガイソウ、ウラシマソウ、ホウチャクソウ、イカリソウ、アマドコロ、カントウタンポポ、シロバナタンポポ、ハナニラ、ムラサキケマンなどなど(知識が無いので、分らないのがいろいろ。ジシバリ、タチツボスミレ、ヒメオドリコソウ、オオイヌノフグリもありました。)

花壇や畑に植わっている雰囲気だったもの
 サクラソウ、イチリンソウ、ニリンソウ、タイツリソウ、キバナホウチャクソウ、スズラン、ユキモチソウ、チョウジソウ、エンレイソウ、ツルニチニチソウ、ライラックなどなど(もっとたくさん有るけれど花壇の手前しか見てないので。それから、名前を聞いたけれど忘れたものなど、いろいろ。)

有ったけれど、時期ではないので花は咲いていなかったもの
 カタクリ、ヤブレガサ、ノカンゾウかヤブカンゾウなどなど(花が咲いてないと、名前が分らない。)

見つからなかったもの
 キンラン、エビネ、トウダイグサ

Hurii Chibetto2008年04月27日

(掲示板に投稿した記事の転載です)

 北京オリンピック長野聖火リレーは混乱もなく無事終了しました。一部、右翼の妨害を排除した警察当局の対応は、当然の職務とは言え、評価に値します。
 聖火リレーを妨害していた人たち、チベットの旗を振っていた人たちは、「ふりい・ちべっと」と叫んでいました。なぜ、英語をカタカナ書きにして叫ぶのでしょう。沿道にはチベットの旗らしきも有りましたが、チベット文字が見当たりませんでした(多少あったのかもしれませんが)。聖火リレーを妨害しようとした勢力は、チベットとは無縁なヤクザだったようです。イギリスでも、イギリス人フーリガンのようでした。

 今回、中国人留学生を、日本の右翼が暴行する事件もあったようです。日本人右翼に暴行されて怪我をした中国人は気の毒です。
 でもね、自分が高校生のとき、地域で一番頭の悪い子が行く高校のグレタ高校生は、朝鮮人学校の中学生を殴っていました。高校生が中学生をよって集って殴って。情けないことでしたが、私を含めて、見てみぬふり。落ちこぼれ高校生には、タバコと朝鮮人イジメしかすることなかったのだから。(シンナーは流行ってませんでした。)
 まあ、こういうのが、右翼になっているのだから、しかたない。と、今でも、見てみぬふり。
 それから、逮捕された一人は、日本人25才無職だそうで、要するに日本社会の落ちこぼれ、反社会的行為しかすることがなかったのでしょう。ネット上でも、いわゆるネット右翼と呼ばれるニートがたくさんいます。
 今回の聖火リレーは、一部で混乱がありましたが、それぞれの国の国内事情を写しているようです。
 チベット問題の視点だけで考えてはいけないな、と思いました。

 中学生のとき、友人の亮三に、「中共はチベットを弾圧してけしからん」と言ったら、どれだけチベットを知っているのかとたしなめられました。中学生のとき以来、チベットに対する知識は、ほとんど何も変わっていません。今日、聖火リレーの周辺でチベットの旗を振っていた人の映像を見て、それを感じました。Hurii Chibetto Hurii Chibetto.

嫌な世の中です2008年04月30日

 ニュース報道によると、さいたま市御蔵の尾島さんの農園で、ボタンの花90本が何者かによって切られたそうです。
 ここは、クマガイソウ・イカリソウの自生地で、1週間前、見に行きました。尾島さんには、クマガイソウについていろいろ聞きました、本当に花好きな人です。丹精こめて作った花が切られてしまって、人の良い尾島さんが気の毒です。

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