北方領土問題(その5・・・今も生きているマッカーサーライン) ― 2009年02月05日
昭和21年6月22日、GHQはSCAPIN1033を命令して、日本漁船の漁業範囲を定めました(昭和23年12月に千島・歯舞での境界を明確にした改訂がおこなわれています)。いわゆる、マッカーサーラインです。この指令は、サンフランシスコ条約締結直前に取り消され、現在は効力をもっていません。
しかし、北方四島付近での、日本とロシアの国境は、事実上、マッカーサーラインが踏襲されており、北方領土近海漁業に大きな影響を与えています。
図に『中間線』と書いてある青線は、『北海道海面漁業調整規則による参考ライン』で、この線のロシア側での漁業は原則禁止されており、この海域で密漁をすると日本でも処罰されることが有ります。赤×印は、納沙布岬灯台と貝殻島灯台のちょうど中間地点、赤丸印は、マッカーサーラインで定められていた納沙布岬・貝殻島の中間地点です。現在の中間線は、マッカーサーラインと、ほぼ同じ位置に引かれています。桃色線で囲まれた所は、日ロで認められた昆布漁海域で、ここで昆布漁をするためには、ロシアに入漁料を支払う必要があります。
国連海洋法条約第十五条では、海の国境線のことを『中間線』といいます。北方四島はロシアの領土であることを日本が正式に認めているわけでは有りませんが、事実上の海の国境になっているので、通常、図の青線ののことを『中間線』と言います。
(つづく)
コメント
_ 望月喜市 ― 2009年03月05日 17時52分30秒
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記事が切れ切れで不便です。ある時点たとえば,09年2月末までを一区切りとして,まとまった記事として読みたいのですが,方法を教えてください。上記した,URLは,マグマグを利用して書いています。統一テーマは「離陸するロシア・極東」です。ご覧いただければ幸甚です。
私の作品をメール添付で送信したいのですが,メールアドレスを教えていただけませんか?