トムラウシ遭難考-登山雑誌(追記) ― 2009年09月20日
登山雑誌『山と渓谷』『岳人』10月号には、トムラウシ遭難の特集が有る。 『山と渓谷』の記事は、主に、自力下山した戸田新介氏への取材を元に書かれているようで、一部、事実関係の信憑性が乏しい。一例として、ヒサゴ沼避難小屋での女性の着替えについて、両誌の記述を比較する。
死亡原因は『低体温症』であることが分かっているので、当時のウエアーと、濡れ具合は、事故を解明する上で、重要である。遭難前夜のヒサゴ沼避難小屋で、着替えたのかどうかについて、『山と渓谷』『岳人』の記事がまったく異なっている。
山と渓谷P16の図には「女性は着替え困難」と書かれ、本文にも「女性たちは狭い場所に詰め込まれ、濡れたウエアを着替えることもできなかった可能性が高い」と書かれている。
一方、『岳人』は、前田和子氏、真鍋記余子氏の証言により、「女性はおたがいに目隠しをして着替えた(前田)」「上半身全部着替え、サポートタイツも着替えた(真鍋)」と記している。
山と渓谷の記事は、女性たちに直接取材した岳人の記事と、逆のことが書かれており、事実とは思えない。
死亡原因は『低体温症』であることが分かっているので、当時のウエアーと、濡れ具合は、事故を解明する上で、重要である。遭難前夜のヒサゴ沼避難小屋で、着替えたのかどうかについて、『山と渓谷』『岳人』の記事がまったく異なっている。
山と渓谷P16の図には「女性は着替え困難」と書かれ、本文にも「女性たちは狭い場所に詰め込まれ、濡れたウエアを着替えることもできなかった可能性が高い」と書かれている。
一方、『岳人』は、前田和子氏、真鍋記余子氏の証言により、「女性はおたがいに目隠しをして着替えた(前田)」「上半身全部着替え、サポートタイツも着替えた(真鍋)」と記している。
山と渓谷の記事は、女性たちに直接取材した岳人の記事と、逆のことが書かれており、事実とは思えない。
ヒガンバナ ― 2009年09月21日
ステゴビル ― 2009年09月22日
ステゴビル(続) ― 2009年09月23日
鳩山・メドベージェフ会談 ― 2009年09月25日
AFPBBニュースの記事です。
北方領土問題は、日本には『入口論』『出口論』があります。即ち、領土問題が解決されなければ、両国の交流の拡大はありえない、とする立場と、両国の交流の拡大の結果として、領土問題は解決するとの立場です。今まで、日本では、入口論に固執する勢力が優勢でした。 この記事が事実だとすると、鳩山政権は、出口論に大きく舵を切ったことになります。本当かなー。もし、そうだとすると、北方領土問題は大きく前進する可能性があります。
日本政府関係者によると、両首脳は、領土問題の解決のために経済分野での協力強化が必要だとの認識で一致したという。鳩山首相はメドベージェフ大統領に対し、「日露両国は、サハリンや東シベリアのエネルギー開発など、さまざまな分野でウィンウィン(相互利益)の関係を築ける」と語った。
北方領土問題は、日本には『入口論』『出口論』があります。即ち、領土問題が解決されなければ、両国の交流の拡大はありえない、とする立場と、両国の交流の拡大の結果として、領土問題は解決するとの立場です。今まで、日本では、入口論に固執する勢力が優勢でした。 この記事が事実だとすると、鳩山政権は、出口論に大きく舵を切ったことになります。本当かなー。もし、そうだとすると、北方領土問題は大きく前進する可能性があります。
セイロ ― 2009年09月28日
朝日新聞に『不安あおり印鑑販売容疑 統一教会信者4人逮捕 大阪』との記事があります。
http://www.asahi.com/national/update/0928/OSK200909280027.html
こういう、犯罪集団は撲滅して欲しいものです。
埼玉県所沢に、セイロ・モーターズという自動車販売会社がありますが、統一教会系だそうです(新宗教研究会『図解 新宗教ガイド』)。また、韓国の旅行会社セイロトラベルも統一教会系だそうです。
セイロって、どういう意味だろうと思って、コンピュータCAD/CAM販売のセイロジャパンの人に聞いたら、『世一路』とのことでした。統一教会の本当の名前は『世界基督教統一神霊協会』で、略称の一つが『世一』で、要するに「統一教会への道」という意味のようです。
http://www.asahi.com/national/update/0928/OSK200909280027.html
こういう、犯罪集団は撲滅して欲しいものです。
埼玉県所沢に、セイロ・モーターズという自動車販売会社がありますが、統一教会系だそうです(新宗教研究会『図解 新宗教ガイド』)。また、韓国の旅行会社セイロトラベルも統一教会系だそうです。
セイロって、どういう意味だろうと思って、コンピュータCAD/CAM販売のセイロジャパンの人に聞いたら、『世一路』とのことでした。統一教会の本当の名前は『世界基督教統一神霊協会』で、略称の一つが『世一』で、要するに「統一教会への道」という意味のようです。
トムラウシ遭難考-ゴアテックスのレインウエア (2) ― 2009年09月29日
今年7月16日に、北海道大雪山系トムラウシ山で、ツアー登山パーティーが遭難し、登山客やガイド8人が死亡する事故が発生した。事故の詳しい内容は明らかになっていないが、死亡した登山客7人全員、発見時、雨がしみ込み、中がぬれていたとの報道がある。また、生還した戸田新介氏は、下着までびしょ濡れだったと証言している。雨がしみ込み、中が濡れたのでは、低体温による凍死も有りうることだろう。
ゴアテックスのレインウエアを着用しても、下着までびっしょり濡れることはあるのだろうかと、疑問だったので、この点、モンベルに問い合わた。モンベルの回答によると、適切メンテナンス、開口部から雨水が侵入しないようにして、汗をかかなければ、下着までびっしょり濡れることは避けられるが、限界を知って、適切に使わないとだめですよ、と言うことであった。
(http://cccpcamera.asablo.jp/blog/2009/09/05/4564474)
登山雑誌『山と渓谷』10月号にはトムラウシ遭難の特集があるが、その中、P13に次の記述がある。
『旭川在住の荻野真博さんは、遭難発生当日にロープウエイ姿見駅から入山、旭岳~白雲岳避難小屋~忠別岳避難小屋と歩いた。…雨は霧雨から小雨程度だったにもかかわらず、防水透湿素材の雨具を着ていても全身びしょ濡れになり、パンツまでずぶ濡れ、靴も水浸しだったという。「雨具の耐水性能を超える状況だったのではないか」と語った。』
これは、ゴアテックスの性能に対して疑問視しているとも読める表現なので、ゴアテックスの耐水性能について、ジャパンゴアテックス株式会社に問い合わせ、丁寧な回答をいただいた。
ジャパンゴアテックス株式会社は、生地を通して浸水することは無いと、明確に説明している。以下、回答の要点を記す。
ゴアテックスのレインウエアを着用しても、下着までびっしょり濡れることはあるのだろうかと、疑問だったので、この点、モンベルに問い合わた。モンベルの回答によると、適切メンテナンス、開口部から雨水が侵入しないようにして、汗をかかなければ、下着までびっしょり濡れることは避けられるが、限界を知って、適切に使わないとだめですよ、と言うことであった。
(http://cccpcamera.asablo.jp/blog/2009/09/05/4564474)
登山雑誌『山と渓谷』10月号にはトムラウシ遭難の特集があるが、その中、P13に次の記述がある。
『旭川在住の荻野真博さんは、遭難発生当日にロープウエイ姿見駅から入山、旭岳~白雲岳避難小屋~忠別岳避難小屋と歩いた。…雨は霧雨から小雨程度だったにもかかわらず、防水透湿素材の雨具を着ていても全身びしょ濡れになり、パンツまでずぶ濡れ、靴も水浸しだったという。「雨具の耐水性能を超える状況だったのではないか」と語った。』
これは、ゴアテックスの性能に対して疑問視しているとも読める表現なので、ゴアテックスの耐水性能について、ジャパンゴアテックス株式会社に問い合わせ、丁寧な回答をいただいた。
ジャパンゴアテックス株式会社は、生地を通して浸水することは無いと、明確に説明している。以下、回答の要点を記す。
・ゴアテックス生地の防水耐久性は極めて高く、たとえ豪雨であっても水圧で生地を通り抜けて浸入することはないトムラウシ遭難は、まともに雨具を使えないような不良登山者だったのだろうか、それとも、報道や生存者の証言が誤りなのだろうか。
・すべてのゴアテックス(R)レインウェアは製品化の前の段階で降雨耐久試験によってウェアが防水構造になっていることを確認している
・フィールドで体を濡らす原因としては、一般的には首回りやそで口からの浸入、汗による濡れ、ウェアにできた傷からの浸水などが考えられる
参考)ジャパンゴアテックス株式会社の回答(一部省略)
ゴアテックス(R)レインウェアは、防水透湿素材ゴアテックス(R)ファブリクス(生地)でつくられております。
この生地の防水耐久性は極めて高く、たとえ豪雨であっても水圧で生地を通り抜けて浸入することはございません。
また、ウェアを縫製する際にできる針穴もゴアシーム(R)テープというテープで裏側から目止めを施し、防水性を確保しております。
さらには、すべてのゴアテックス(R)レインウェアは製品化の前の段階で降雨耐久試験によってウェアが防水構造になっているかどうかを確認しております。
このレインテストをはじめ多くの検査に合格して、はじめて生産することができるという品質基準を設けています。
フィールドで体を濡らす原因としては、一般的には首回りやそで口からの浸入、汗による濡れ、ウェアにできた傷からの浸水などが考えられます。
お持ちのゴアテックス(R)レインウェアについて、何かご不安がおありでしたら、山行の前に私のほうで責任をもって漏水箇所が無いかどうかを検査させていただきますので、弊社カスタマーサービスセンターまでご連絡いただきますようお願い申し上げます。
トムラウシ遭難考-ゴアテックスのレインウエア (3) ― 2009年09月30日

本職は樹脂成形の物理なので、多少、樹脂の知識が有ります。ただし、化学的性質は専門外です。
そういうわけで、一般の人よりも、樹脂の知識があるので、以下、簡単に、ゴアテックスについて、一般的な説明をします。ただし、樹脂の化学は素人なので、誤りがあるかもしれません。誤りがあるならば、ご指摘願います。
現在使われているほとんどすべてのゴアテックスレインウエアーは、3層構造になっています。
このうち、中央の層が防水透湿の性能を持っています。中央の層、ゴアテックスメンブレン(ゴアテックス膜)は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)(四フッ化エチレン樹脂)の薄い多孔質フィルムで、孔の大きさは水蒸気分子の700倍、水滴の5000分の1以下であるため、水蒸気を通して、水滴を通さない性質があります。(ゴアテックスメンブレンの孔の大きさを200nm、水蒸気分子の大きさを0.3nm、水滴の大きさを1mmとして計算しました。)
表面と裏面の層は、通常ナイロン繊維が使われます。この層には防水性は有りません。強度を保つため、着心地を確保するため、着色のため等、衣類としての性能維持のための層です。
PTFEは炭素の直鎖に、炭素1個あたり2個のフッ素が結合した構造になっています。炭素とフッ素の結合エネルギーが高いため、PTFEはもっとも化学的に安定した樹脂で、耐熱性・耐薬品性・耐寒性・対光性等にすぐれています。通常の使用状態では、変質しません。熔融アルカリ金属、放射線曝露等の特殊環境では変質します。
ゴアテックスメンブレンはPTFEなので、通常の使用状態では、変質しないと思われます。
表面と裏面に使われているナイロンとは、ポリアミド合成繊維のことで、{CO-(CH2)5-NH}n の構造の6ナイロンと、
{CO-(CH2)4-CO-NH-(CH2)6-NH}n の構造の66ナイロンが有ります。どちらも、似たような性質です。
ナイロンは吸水性が大きい樹脂で、吸水すると、強度が低下しますが、ある一定の低下に止まるようで、このため、ナイロンは漁具をはじめとして、水濡れする場所でも問題なく使われています。ただし、吸水したナイロンを凍結した場合、脆化する可能性があります。
また、ピュアーなナイロンは紫外線で劣化します。このため、耐紫外線性能を附加するため、紫外線吸収剤を添加することも有ります。
ナイロン繊維は、日常幅広く使われていますが、PTFEに比べると、劣化しやすい樹脂です。
10年たっていないのに、ゴアテックスの表面がぼろぼろになることが有ります。これは、表面のナイロン層の劣化です。ナイロン層にはもともと防水効果は無いので、表面がぼろぼろになっても、防水性能が失われるわけではないのですが、防水層のゴアテックスメンブレンは薄いので破れやすく、ナイロンが劣化した場合、使用は避けるべきです。
ゴアテックスの生地の寿命は、表面・裏面のナイロンの寿命です。実際に何年使えるのか予測することは、使用状態の他に、どのようなナイロンを使って作られているのか、と言うことも関係しているので、難しいところです。
ゴアテックスのスパッツの表面がボロボロになったことがあります。スパッツは吸水後凍結するし、雪山で強い紫外線を浴びるので、ナイロンにとっては、厳しい使用環境です。
ゴアテックスのレインウエアは10年くらい使っても平気なような気がしているのですが、いかがでしょう。
ちょっとおまけ。
ゴアテックスは汗を通して、水を通さないと思っている人もいるようですが、そんなことは有りません。気体の水(水蒸気)を通して、液体の水を通さない性質があります。かいた汗が水になってしまったら通しません。
このため、速乾性の無い下着を着用したために、汗が垂れるようになってきたら、ゴアテックスはお手上げです。
おまけ、その2。
ゴアテックスメンブレンの微細孔径は200nm程度ですが、精密濾過フィルターに使用する多孔質PTFEには、もっと小さな孔径のものもあります。住友電工の広報誌(2008年12月号)によると、住友電工ファインポリマー(株)は、微細孔径化に適した新しい多孔質化プロセスを独自開発し、30nmの微粒子を捕捉可能な「微細孔径ポリテトラフルオロエチレン膜」の量産化に成功したそうです。
おまけ、その3
ゴアテックスの迷信として『油がつくと防水効果がなくなる』『海水で防水効果がなくなる』との噂が有りますが、誤りです。
表面が油膜で覆われても、防水効果に変わりありませんが、透湿効果がなくなるので、汗で内部が濡れることが有り、漏水したような誤解を受けることが有ります。油や海水で表面が汚れると、透湿性が低下するので、良く洗濯する必要があります。
また、『ゴアテックスは霧を通す』との誤解も有ります。
霧の粒子の大きさは10μm~100μm、あるいはそれ以上です。ゴアテックスの孔径0.2μmに比べて、霧の粒子は大きいので、侵入することはありません。ただし、霧の時は、空中湿度は100%近いので、汗はほとんど乾かず、汗で内部が濡れることが有ります。
おまけ、その4
ナイロンには6ナイロン、66ナイロンの他にもいくつもの種類があります。歯ブラシの毛は12ナイロンが多く使われます。耐水性があって、水をつけても硬さがあまり変わらない特徴があります。人口毛髪はベースは6あるいは66ナイロンで、剛性を与えるため芳香族ナイロンを混ぜています。
そういうわけで、一般の人よりも、樹脂の知識があるので、以下、簡単に、ゴアテックスについて、一般的な説明をします。ただし、樹脂の化学は素人なので、誤りがあるかもしれません。誤りがあるならば、ご指摘願います。
現在使われているほとんどすべてのゴアテックスレインウエアーは、3層構造になっています。
このうち、中央の層が防水透湿の性能を持っています。中央の層、ゴアテックスメンブレン(ゴアテックス膜)は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)(四フッ化エチレン樹脂)の薄い多孔質フィルムで、孔の大きさは水蒸気分子の700倍、水滴の5000分の1以下であるため、水蒸気を通して、水滴を通さない性質があります。(ゴアテックスメンブレンの孔の大きさを200nm、水蒸気分子の大きさを0.3nm、水滴の大きさを1mmとして計算しました。)
表面と裏面の層は、通常ナイロン繊維が使われます。この層には防水性は有りません。強度を保つため、着心地を確保するため、着色のため等、衣類としての性能維持のための層です。
PTFEは炭素の直鎖に、炭素1個あたり2個のフッ素が結合した構造になっています。炭素とフッ素の結合エネルギーが高いため、PTFEはもっとも化学的に安定した樹脂で、耐熱性・耐薬品性・耐寒性・対光性等にすぐれています。通常の使用状態では、変質しません。熔融アルカリ金属、放射線曝露等の特殊環境では変質します。
ゴアテックスメンブレンはPTFEなので、通常の使用状態では、変質しないと思われます。
表面と裏面に使われているナイロンとは、ポリアミド合成繊維のことで、{CO-(CH2)5-NH}n の構造の6ナイロンと、
{CO-(CH2)4-CO-NH-(CH2)6-NH}n の構造の66ナイロンが有ります。どちらも、似たような性質です。
ナイロンは吸水性が大きい樹脂で、吸水すると、強度が低下しますが、ある一定の低下に止まるようで、このため、ナイロンは漁具をはじめとして、水濡れする場所でも問題なく使われています。ただし、吸水したナイロンを凍結した場合、脆化する可能性があります。
また、ピュアーなナイロンは紫外線で劣化します。このため、耐紫外線性能を附加するため、紫外線吸収剤を添加することも有ります。
ナイロン繊維は、日常幅広く使われていますが、PTFEに比べると、劣化しやすい樹脂です。
10年たっていないのに、ゴアテックスの表面がぼろぼろになることが有ります。これは、表面のナイロン層の劣化です。ナイロン層にはもともと防水効果は無いので、表面がぼろぼろになっても、防水性能が失われるわけではないのですが、防水層のゴアテックスメンブレンは薄いので破れやすく、ナイロンが劣化した場合、使用は避けるべきです。
ゴアテックスの生地の寿命は、表面・裏面のナイロンの寿命です。実際に何年使えるのか予測することは、使用状態の他に、どのようなナイロンを使って作られているのか、と言うことも関係しているので、難しいところです。
ゴアテックスのスパッツの表面がボロボロになったことがあります。スパッツは吸水後凍結するし、雪山で強い紫外線を浴びるので、ナイロンにとっては、厳しい使用環境です。
ゴアテックスのレインウエアは10年くらい使っても平気なような気がしているのですが、いかがでしょう。
ちょっとおまけ。
ゴアテックスは汗を通して、水を通さないと思っている人もいるようですが、そんなことは有りません。気体の水(水蒸気)を通して、液体の水を通さない性質があります。かいた汗が水になってしまったら通しません。
このため、速乾性の無い下着を着用したために、汗が垂れるようになってきたら、ゴアテックスはお手上げです。
おまけ、その2。
ゴアテックスメンブレンの微細孔径は200nm程度ですが、精密濾過フィルターに使用する多孔質PTFEには、もっと小さな孔径のものもあります。住友電工の広報誌(2008年12月号)によると、住友電工ファインポリマー(株)は、微細孔径化に適した新しい多孔質化プロセスを独自開発し、30nmの微粒子を捕捉可能な「微細孔径ポリテトラフルオロエチレン膜」の量産化に成功したそうです。
おまけ、その3
ゴアテックスの迷信として『油がつくと防水効果がなくなる』『海水で防水効果がなくなる』との噂が有りますが、誤りです。
表面が油膜で覆われても、防水効果に変わりありませんが、透湿効果がなくなるので、汗で内部が濡れることが有り、漏水したような誤解を受けることが有ります。油や海水で表面が汚れると、透湿性が低下するので、良く洗濯する必要があります。
また、『ゴアテックスは霧を通す』との誤解も有ります。
霧の粒子の大きさは10μm~100μm、あるいはそれ以上です。ゴアテックスの孔径0.2μmに比べて、霧の粒子は大きいので、侵入することはありません。ただし、霧の時は、空中湿度は100%近いので、汗はほとんど乾かず、汗で内部が濡れることが有ります。
おまけ、その4
ナイロンには6ナイロン、66ナイロンの他にもいくつもの種類があります。歯ブラシの毛は12ナイロンが多く使われます。耐水性があって、水をつけても硬さがあまり変わらない特徴があります。人口毛髪はベースは6あるいは66ナイロンで、剛性を与えるため芳香族ナイロンを混ぜています。