北方海域違法操業の取締2010年02月01日

 1月29日に、クナシリ島周辺海域で、ロシアの許可を受けて操業していた、羅臼漁協所属漁船がロシア国境警備隊のヘリコプターから照明弾を発射された事件があった。その後の調べで、漁船は銃撃を受けていたことが判明したが、漁船は銃撃の事実を隠蔽しようとしていたとの報道がある。事実としたら、いかなる理由によるものだろうか。

露ヘリの国後島沖2漁船銃撃:羅臼の2漁船、被弾の穴ふさぐ 事件隠す意図か
http://mainichi.jp/select/world/news/20100201ddm041040134000c.html

漁船銃撃:被弾の2隻、弾痕を隠す 事実を隠ぺいか
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20100201k0000m040105000c.html

国後沖銃撃 漁船、被弾の穴ふさぐ 隠ぺいか、海保が聴取
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/213252.html

 報道によれば、「道は、羅臼漁協が昨秋導入した、漁船の位置を監視する衛星通信漁船管理システム(VMS)で、2隻が安全操業の海域内で操業していたことを確認している(北海道新聞、2010.2.1社説)」「羅臼漁協によると、衛星通信管理システム(VMS)のデータでは、2隻は国後島から約11キロ離れた安全操業水域にいた(毎日新聞 2010.1.31朝刊)」とのことである。 
 
 ロシアは、銃撃のときの映像を公開した。ヘリコプターからの撮影の映像には、陸地が映っているように見えるものがある。日本の主張のように、11キロも離れているようには見えない。このあたり、どうなのだろう。



北方領土問題の説明はこちらを。
http://www.ne.jp/asahi/cccp/camera/HoppouRyoudo/index.htm

北方海域違法漁獲-日本はウソをついている2010年02月02日

 1月29日に、クナシリ島周辺海域で、ロシアの許可を受けて操業していた、羅臼漁協所属漁船がロシア国境警備隊のヘリコプターから銃撃を受けていた事件があった。

 「道は、羅臼漁協が昨秋導入した、漁船の位置を監視する衛星通信漁船管理システム(VMS)で、2隻が安全操業の海域内で操業していたことを確認している(北海道新聞、2010.2.1社説)」「羅臼漁協によると、衛星通信管理システム(VMS)のデータでは、2隻は国後島から約11キロ離れた安全操業水域にいた(毎日新聞 2010.1.31朝刊)」との報道があった。

 今日になって、「銃撃時間帯の漁船位置情報なし」とのニュースがある。
 『北海道庁の調査で、銃撃があったとされる1月29日昼ごろの数時間にわたり、VMS記録が残っていないことが判明(共同通信)』
http://www.47news.jp/CN/201002/CN2010020201000263.html

『2隻が意図的にVMSのスイッチを切っていた可能性もあり、1管で船長らから事情を聞いている(読売オンライン)』
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100202-OYT1T00624.htm

 どのような理由で記録が残っていないにせよ、羅臼漁協が当初発表した「2隻は国後島から約11キロ離れた安全操業水域にいた」との情報は、虚偽だったことになる。

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毎日新聞の記事を見ると、状況がだいぶ分りました。

捜査関係者は「あまりに不自然。常習的に故意に電源を切って、区域外で操業していた可能性がある」と話している。
http://mainichi.jp/select/world/news/20100202ddm041040015000c.html

だそうで、違法操業の常習船で、取り締まり当局に目をつけられていて、それで、銃撃を受けたのかな。



北方領土問題の説明はこちらを。
http://www.ne.jp/asahi/cccp/camera/HoppouRyoudo/index.htm

北方海域違法漁獲-岡田外相の誤った判断2010年02月03日

 NHKニュースによると、国後島の沖合で日本の漁船がロシアの国境警備隊から銃撃された問題で、岡田外相は、記者会見で「漁船に対して銃撃を行ったことは、人命の損失につながりかねず容認できない」と述べ、ロシア側の行動を批判したそうです。
 この問題では、漁船の位置確認のために漁船に備え付けられているVMS装置のデータに数時間にわたって空白があることが明らかになっています。ロシアを批判した岡田外相は、一方で、「どうしてそうしたことが起こったのか、その意味することは何なのか、徹底した調査を行う必要がある」と述べたそうです。

 事実関係で不明な点が有るならば、調査する必要があるのは当然のことですが、事実がわからないうちに、一方的に他国を批判する態度は、尊大で軽率です。日本の警察でも、犯人の逃走防止等緊急事態に拳銃を使うことは、それほど珍しくありません。漁船に対する銃撃が、犯人の逃走防止のために必要不可欠な緊急対処行為ならば、取り締まり当局の拳銃使用は完全に正当です。

 この事件で、銃撃を受けた漁船が所属する羅臼漁協の田中勝博組合長は、VMS装置を解析した結果、決められた水域内で銃撃された、と説明しましていました。その後の調査で、VMSの電波は受信していなかったことがバレてしまいました。
 漁船は不法操業を隠蔽するために、故意にVMSを切断した疑いが指摘されています。
http://mainichi.jp/select/world/news/20100202ddm041040015000c.html
 
 羅臼漁協グルミの不法操業だったのかどうなのか、現時点では分りません。北方海域の漁業は、ヤクザが深く関与していることがあるので、事実がわからないうちに、一方的に他国を批判するような、尊大で軽率な態度は避けるべきです。


それにしても、不思議なのですが、羅臼漁協は、どうしてウソをついたのだろう。

 釧路新聞(2010/01/31)によると。
 『照明弾を発射された2隻も「VMSで操業位置を確認している」(同漁協)と明言しており、ルールに準じた操業だった。田中組合長は、「なぜ発射したのか分からない。このような事態は二度と起きてはならない」と話している。http://www.hokkaido-nl.jp/detail.cgi?id=3183
 北海道新聞(2010/01/30)によると。
 『田中組合長は「衛星通信漁船管理システム(VMS)で、こちらに(区域外操業などの)落ち度はない。外務省を通じて、こうしたことが二度とないように厳重に抗議していく」と述べた。 』

 VMSで確認したのか、していないのかなど、後になれば、すぐに分ることなのに。不法操業を知っていながらウソをついたのか、頭がものすごく悪かったために軽率に「VMSで操業位置を確認している」「こちらに落ち度はない」と説明してしまったのだろうか。

 現在、北方領土はロシアの実効支配下にあり、領土交渉が困難な問題であることは明らかです。少しでも、日本が不利にならないように、ウソはつかないほうが良いのに。

注)誤解が無いように。
 漁船からのVMS電波がどのような理由で受信されなかったのか。この点は、まだ解明されていません。故意に電源を切るなどの細工をしたのか、受信側が故意に隠しているのか、気象条件なのか、など、いろいろと推測は出来るかも知れませんが、確定的なことは分りません。
 漁協が電波を受信していないにもかかわらず、事実と異なった説明をしていたことは確かなようです。



北方領土問題の説明はこちらを。
http://www.ne.jp/asahi/cccp/camera/HoppouRyoudo/index.htm

クナシリ沖日本漁船銃撃事件2010年02月04日

 クナシリ島沖で日本漁船がロシア警備隊から銃撃を受けた事件は、単なる密漁で、日本国内犯罪(北海道海面漁業調整規則違反)として捜査されているようです。
http://www.47news.jp/CN/201002/CN2010020301001104.html
 日ロの外交問題ではなくて、単なる、犯罪捜査の問題で終わりかな。

 2006年8月15日、坂下登船長の密漁船がロシアの銃撃を受けて乗組員1人が死亡した事件がありました。坂下登は清水一巳の子分で、スパイ活動で有名だった人です。清水は警察の捜査で潰されたはずだったのですが。2006年の銃撃事件のときは、まだコンナヤツがいたのかと驚いたものです。今回の羅臼漁協の銃撃事件で名前が出てくる人たちは、どういう人なのか、知りません。

北方四島周辺での操業は、「北方四島周辺水域における日本漁船の操業に関する協定(1998年発効)」に基づいて行われています。 http://www.jfa.maff.go.jp/j/press/kokusai/091010.html

2月7日は北方領土の日2010年02月07日

 幕末の、1855年2月7日に日露和親条約が締結されました。日露和親条約は1895年に締結された日露通商航海条約で、総て無効になりました。さらに、日露通商航海条約は1905年のポーツマス条約で、廃止されていることが確認されました。
 無効になってから100年以上たっている条約ですが、これが締結されたことにちなんで、2月7日が北方領土の日とさられています。

 例年、旧軍人会館(九段会館)で、返還運動大会が開かれます。

クナシリ沖、日本漁船銃撃事件-羅臼漁協の密漁犯罪2010年02月10日

 1月29日、国後島周辺海域で操業していた、羅臼漁協所属漁船がロシア国境警備隊のヘリコプターから銃撃を受けていた事件があった。ロシアの銃撃に対して、官房長官・外務大臣・北海道知事はロシアに対する抗議声明を出した。
 北海道・高橋はるみ知事は「銃撃が事実なら、いかなる理由があろうと正当化できない事態だ。ロシア政府に強く抗議する」とのコメントを出していた。

 事実は、羅臼漁協の漁船による密漁だったようで、日本の法に違反した犯罪だったようです。
 共同通信のニュースによると、海上保安本部は船長を逮捕する方針だそうです。
http://www.47news.jp/CN/201002/CN2010020901001122.html

 日本の法に違反した犯罪者が、ロシア実行支配地域でロシアの警備当局の捜査を受けるのは当然です。停戦命令を無視して逃げ回ったら、銃撃を受けることも当然です。
 
 北海道・高橋はるみ知事は「銃撃が事実なら、いかなる理由があろうと正当化できない」との抗議声明をしていましたが、「警察官は犯人に対して武器を使用するな」といっているに等しい妄言で、まるでドロボウの言い分です。犯人が逃げ回っている場合は、警察官が、犯人逮捕のために武器を使用することは、当前です。
 北海道・高橋はるみ知事の責任は、北海道民に日本の法を遵守させることであって、犯罪を放置し犯罪を助長させる抗議声明を出すことではないはずです。

 根室や羅臼の漁船が禁止区域に入って密漁することは、これまでもたびたび起きています。元々、水産資源が豊富な海域だったのに、日本の漁船が濫獲をしたために、日本近海では資源が減少しました。日本漁船の漁が禁止されている海域は水産資源が豊富なので、そこで密漁すれば儲かるのは当然です。でも、そんなことを許したら、資源が枯渇してしまう。海は繋がっているので、北方四島近海で密漁が横行したら、日本近海の資源も枯渇してしまいます。密漁犯罪は、きちんと取り締まらないといけない。

 この海域は、北方領土問題が有るために、日本とロシアの警備当局の連携がうまく行かず、このため、不良漁民の密漁犯罪が跡を絶ちません。領土問題とは別に、羅臼漁協の犯罪を防止する日ロ警備当局の協調体制の構築が急務なはずです。


もう少し補足します:
 日本の近海で日本漁船が密漁したら、海上保安庁の巡視船は、通常、写真を撮ります。漁船員が家に帰ってから、そこに踏み込んで逮捕します。このように、犯人を容易に逮捕できるので、銃撃する必要はありません。逃げても、どうせ捕まるので、密漁はなかなか出来ないわけです。
 ところが、北方四島近海はロシアが実効支配しているので、ロシア警備当局が取り締まりますが、日本の密漁船が日本の領海に逃げ込むと、ロシアは逮捕することが出来なくなります。この場合でも、日本の海保が逮捕するわけですが、密漁の証拠を海保がしっかり握っているわけではないので、無罪か微罪で済まされることが多くなります。今回の羅臼漁協の密漁船の場合も、15日間の出漁禁止処分で済まされるかもしれません。このように、北方領土周辺海域は、密漁犯罪をした方が得になることがあるので、密漁が後を絶たないわけです。



北方領土問題の説明はこちらを。
http://www.ne.jp/asahi/cccp/camera/HoppouRyoudo/index.htm

クナシリ沖、日本漁船銃撃事件-羅臼漁協ぐるみの密漁犯罪?2010年02月15日

1月29日に、国後沖で密漁していたと思われる漁船がロシア警備隊から銃撃を受ける事件が発生しました。羅臼漁協に属する船長は海面漁業調整規則違反容疑で逮捕されています。

読売新聞(北海道発)に、「他船も区域外操業か・・・羅臼銃撃」との記事が有ります。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hokkaido/news/20100212-OYT8T00046.htm?from=nwlb

『第1管区海上保安本部(小樽市)は、国後島周辺海域での違反操業が常態化していたとみて、安全操業を行っていた全漁船の航行記録などを調べる』とのことです。

羅臼漁協ぐるみの、密漁犯罪だったのかなー。

本の紹介-流亡 日露に追われた北千島アイヌ2010年02月21日




『流亡 日露に追われた北千島アイヌ』小坂洋右/著 道新選書(1992.7)
 樺太千島交換条約で、北千島が日本の領土になると、国防上の観点から、北千島に住んでいたアイヌは、色丹島に強制移住させられた。生活の手段を失われた北千島アイヌは、色丹島で、人口を大きく減らし、民族として滅亡した。
 第1章はイントロで、第2章から第4章が日露の北千島進出の歴史の説明。第5章6章は、日露の衝突から樺太千島交換条約までの歴史の説明。第2章から第6章までは、北千島アイヌのそのものの話よりも、日露の千島進出史が中心。この分野の歴史解説としては、かなり詳細。
 第7章から第9章は、日本の領土になった以降の北千島アイヌの悲劇の歴史の説明。
 第10章は、日立島アイヌが現在どのような状況におかれているのかを説明している。この本が執筆される20年前に、最後の北千島アイヌの生き残りが死亡し、北千島アイヌは絶えてしまっていた。この人は生前に北千島アイヌのことを語ることはなかった。
 しかし、ポーランドに樺太千島交換条約のときにロシアに渡った北千島アイヌの末裔が住んでおり、その人の話が記載されている。
 なお、『千島アイヌの軌跡 ザヨンツ・マウゴジャータ/著 草風館 (2009/04) 』では、ポーランドに北千島アイヌの末裔がいることに否定的である。

クナシリ沖、日本漁船銃撃事件-羅臼漁協ぐるみの密漁犯罪?2010年02月24日

 羅臼漁協所属の漁船が国後沖で密漁していた事件では、船長が逮捕されています。これは、日本の法で義務付けられているVMS(衛星通信漁船管理システム)を船長が故意に切っていたとの容疑です。
 asahi.comによると「過去には、田中組合長がVMSデータの不自然な空白を指摘したこともあったという」と、羅臼漁協の組合長が、VMSを故意に切っていた可能性を認識していたことを示唆しています。田中組合長は、当初、『VMSで、こちらに(区域外操業などの)落ち度はない。外務省を通じて、こうしたことが二度とないように厳重に抗議していく』 と述べていました(北海道新聞 2010/01/30)。漁協グルミの密漁犯罪が横行していて、そのごく一部をロシアが取り締まったのかなー。

この話とは、全然関係ないのですが。
 北海道新聞によると、羅臼町教委は、給食費滞納問題対策として、給食費を前納にすることと、一律額の徴収から食べる分だけに改める、そうです。(http://www.hokkaido-np.co.jp/news/education/217249.html
 学校給食制度って不思議なんですよね。医者の命令で食べられない子供にも強制的に給食を支給して料金を強制徴収して、給食を棄てさせる。医者の診断書が無い子供には、本人が嫌がっても、強引に食わせる。
 コンナ無茶苦茶な食事制度って、イクラなんでも止めるべきです。ま、嫌がっている子供に強制的に食わせるのは、健康上も好ましくないので、教師もしなくなっているようです。

女性器検査(陰門改メ)2010年02月25日

 新聞によると、長崎県では18歳未満に避妊具を販売することの是非が議論されているそうです。多くの県では18歳未満でも避妊具販売は何の問題もないのだけれど、長崎県では条例で規制されているのだとか。避妊具は性病感染の予防に効果があるので、青少年が避妊具を使うことは奨励されているのだろうと思っていたので、条例で規制されている点、ちょっと驚きです。

 長崎は、売春婦(遊女)に対して、性病検査(陰門改メ)をした最初の地です。
 長崎市・稲佐地区にある悟真寺近辺に、かつて露西亜マタロス休憩所があったそうです。でも、今では、すっかり民家になっていて、当時の面影を残すものはありません。(悟真寺の裏手なのか、丸尾地区なのか、良く分りません。)
 ウラジオストックは冬季凍結するので、当時、ロシア人水夫は長崎に滞在することが多く、性病の蔓延を恐れたロシアが、遊女たちに陰門検査を求めたところ拒絶されたので、ロシア人専用の遊郭を作ったのが、露西亜マタロス休憩所です。
 新たに、近在の娘を募って売春させたものですが、彼女達には性器検査が行われました。当時、金のために喜んで体を売る習慣が有ったのか、遊女は簡単に集まったそうです。

 渡辺 淳一/著 長崎ロシア遊女館 (講談社文庫) を読みました。
 この本は、著者の短編がいくつか納められているもので、最初の40ページほどが『長崎ロシア遊女館』です。
 どこまでが史実で、どこからが作り話なのか良く分りませんが、性器検査の経緯や、どのようにして女性器を開いて検査したのかが良く分ります。

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