アイヌは犬であって人間ではない ― 2010年06月22日
イザベラ・バード/著 高梨健吉/訳 『日本奥地紀行』(東洋文庫240)読みました。
終りのほうの1/4は、北海道旅行記で、アイヌの様子が詳しく書かれています。著者の従者を務めた伊藤はアイヌを見下していて、アイヌは犬であって人間ではない、と言っていたことが記されています。当時の日本人の普通の感覚だったのでしょう。
第35信の終わりのほうに、次の記述があります。
北方領土問題で、日本の固有の領土であると、日本政府は主張しています。あの地域は、もともとアイヌの居住地で、日本人(和人)が住むようになったのは、一部を除き明治以降です。アイヌが人間の一種ならば、アイヌを無視して「日本人の固有の領土」「父祖伝来の地」などと言えたものではありません。しかし、平然と固有の領土というのは、アイヌは領有権が主張できる人間ではないとの感覚が残っているのでしょう。
終りのほうの1/4は、北海道旅行記で、アイヌの様子が詳しく書かれています。著者の従者を務めた伊藤はアイヌを見下していて、アイヌは犬であって人間ではない、と言っていたことが記されています。当時の日本人の普通の感覚だったのでしょう。
第35信の終わりのほうに、次の記述があります。
私はシーボルト氏に、これからもてなしを受けるアイヌ人に対して親切に優しくすることがいかに大切かを伊藤に日本語で話してほしい、と頼んだ。伊藤はそれを聞いてたいそう憤慨していった。「アイヌ人を丁寧に扱うなんて!彼らはただの犬です。人間ではありません。」
北方領土問題で、日本の固有の領土であると、日本政府は主張しています。あの地域は、もともとアイヌの居住地で、日本人(和人)が住むようになったのは、一部を除き明治以降です。アイヌが人間の一種ならば、アイヌを無視して「日本人の固有の領土」「父祖伝来の地」などと言えたものではありません。しかし、平然と固有の領土というのは、アイヌは領有権が主張できる人間ではないとの感覚が残っているのでしょう。