トムラウシ山遭難考-気象遭難なのでしょうか? ― 2010年07月19日
2009年7月16日、トムラウシ山で高齢者ツアー登山の大量遭難事故がありました。遭難原因は、低温・強風・少雨の天候のため低体温症を起こして凍死したものです。
当時の気温は5℃~8℃程度で、風速20m/sの強風が吹き荒れていました。この天候がどれくらいすごいものかを、夏の富士山と比較してみます。(出典は理科年表1994年版)
富士山の風速(1965年~1990年の平均)
最大風速10m/s以上の日数 7月 20.4日、8月 17.2日
最大風速15m/s以上の日数 7月 10.8日、8月 8.8日
最大風速29m/s以上の日数 7月 0.3日、8月 1.2日
富士山の最大風速(1932年~1992年)
5月 56.7m/s 6月 57.9m/s
7月 55.9m/s 8月 62.3m/s
富士山の気温(1965年~1990年の平均)
平均気温5℃以上の日数 7月 13.0日、8月 22.3日
平均気温5℃未満の日数 7月 18.0日、8月 8.7日
最低気温0℃未満の日数 7月 4.6日、8月 1.3日
富士山の最低気温(1932年~1992年)
7月 -6.9℃ 8月 -4.3℃
以上のデータから、トムラウシ山遭難時の気候は、富士山では特に珍しくないことが分かります。おそらく、北アルプスの真夏にも、普通に起こっている気象条件です。
北海道大雪山系の登山者は少ないけれど、北アルプスや富士山の登山者は多いので、トムラウシ山遭難と類似の気象条件で低体温症を発症するとなると、たいへんな遭難者数になる恐れがあります。トムラウシ山の遭難が気象条件が原因であるならば、北アルプスや富士山での、入山禁止を含めた、遭難防止対策が急務です。登山者の装備不良が原因だったとするならば、装備に対する啓蒙活動が必要です。
注意)
首都圏JR京葉線は風速25m/sで運休になります。2009年度は、25m/s以上の強風が約70回観測され、運行中止は10回、延べ約40時間に上りました。また、風速20m/s以上だと徐行運転になります。
当時の気温は5℃~8℃程度で、風速20m/sの強風が吹き荒れていました。この天候がどれくらいすごいものかを、夏の富士山と比較してみます。(出典は理科年表1994年版)
富士山の風速(1965年~1990年の平均)
最大風速10m/s以上の日数 7月 20.4日、8月 17.2日
最大風速15m/s以上の日数 7月 10.8日、8月 8.8日
最大風速29m/s以上の日数 7月 0.3日、8月 1.2日
富士山の最大風速(1932年~1992年)
5月 56.7m/s 6月 57.9m/s
7月 55.9m/s 8月 62.3m/s
富士山の気温(1965年~1990年の平均)
平均気温5℃以上の日数 7月 13.0日、8月 22.3日
平均気温5℃未満の日数 7月 18.0日、8月 8.7日
最低気温0℃未満の日数 7月 4.6日、8月 1.3日
富士山の最低気温(1932年~1992年)
7月 -6.9℃ 8月 -4.3℃
以上のデータから、トムラウシ山遭難時の気候は、富士山では特に珍しくないことが分かります。おそらく、北アルプスの真夏にも、普通に起こっている気象条件です。
北海道大雪山系の登山者は少ないけれど、北アルプスや富士山の登山者は多いので、トムラウシ山遭難と類似の気象条件で低体温症を発症するとなると、たいへんな遭難者数になる恐れがあります。トムラウシ山の遭難が気象条件が原因であるならば、北アルプスや富士山での、入山禁止を含めた、遭難防止対策が急務です。登山者の装備不良が原因だったとするならば、装備に対する啓蒙活動が必要です。
注意)
首都圏JR京葉線は風速25m/sで運休になります。2009年度は、25m/s以上の強風が約70回観測され、運行中止は10回、延べ約40時間に上りました。また、風速20m/s以上だと徐行運転になります。