渡来銭―安南銭、朝鮮銭、琉球銭2010年10月05日

 安南(今のベトナム)は中国文化の影響が強い地域で、10世紀初頭から中国と類似の形態の銭貨を鋳造している。安南銭には歴代王朝が鋳造したもののほかに、地方・私的に鋳造されたものがある。前者を「安南歴代銭」、後者を「安南手類銭」と言う。

 室町時代、明からの銭貨の輸入が止まると、安南の銭貨も輸入された。ただし、発掘された渡来銭の40位以内に入っている安南銭はない。

 写真は、安南で1740年~鋳造された景興通宝。日本では江戸中期で寛永通宝が十分流通していたので、安南銭をあえて輸入する必要はなかったが、長崎貿易に伴った入ってきたものもあるだろう。安南銭は現地にたくさん残っているので、近年になって、収集家により輸入されたものも多い。


 朝鮮半島では、高麗時代の12世紀初頭から「東国通宝」などの銭貨を鋳造したが、あまり普及していない。朝鮮王国建国後の1425年から鋳造された「朝鮮通宝」も、国内ではそれほど普及していないが、日本へもある程度は渡来しており、日本での発掘渡来銭の第41位になっている。
 1633年から「常平通宝」を鋳造、1679年からは大型「常平通宝・折二」を鋳造開始した。常平通宝・折二は大量に製造されたようで、現在も良く見かける。


 また、15世紀、琉球で鋳造された世高通宝も渡来銭の一つ。



渡来銭の説明はこちらをご覧ください
http://cccpcamera.photo-web.cc/COIN/Toraisenn/

北方領土問題については、以下をご覧ください
http://www.ne.jp/asahi/cccp/camera/HoppouRyoudo/index.htm

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