メドベージェフのメッセージ2010年11月02日

11月1日、メドベージェフ大統領は、国家元首として、初めて、北方領土の国後島を訪問しました。

日本のマスコミは「今回の北方領土訪問の背景には、2012年のロシア大統領選をにらみ、強い指導者像をアピールして権力基盤を固める狙いがあると見ることもできる」(読売新聞社説)のように、ロシアの強硬姿勢の表れとの解説が、ほとんどすべてです。そして、今後日ロ関係が後退するとの警告を発しています。

このような一面的な解釈しかできないのでは、ちょっと、知恵がなさすぎです。メドベージェフは、今回、クナシリ島を訪問しました。クナシリ島をロシアの領土として保全することを宣言しています。これは、同時に、シコタン島を交渉の対象であることを示していることにもなりえます。

日ソ間の条約は1956年の日ソ共同宣言で、この中に、平和条約締結後の歯舞・色丹の日本への引き渡しが約束されています。プーチン、メドベージェフは、法と正義に基づいて解決すると言っていますが、日ソ、日ロ間で「法的拘束力を有する国際約束」は1956年の日ソ共同宣言です。
今回の、クナシル島訪問は、日ロ間の領土問題は、法と正義に基づいて解決すべきとの、メドベージェフのメッセージでしょう。

菅内閣、日本の国内世論に、メドベージェフのメッセージを受け止める能力があるのか。

なお、日本の頑迷な4島返還論者は、1993年の東京宣言も「法的拘束力を有する国際約束」であるかのような言説を吹聴しますが、日本政府(小泉内閣)は、平成十八年二月二十四日受領 答弁第六九号で、「千九百九十三年十月十三日付けの日露関係に関する東京宣言は、法的拘束力を有する国際約束ではない」と、明確に否定しています。

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