メドベージェフ国後島訪問-捏造報道はよくない2010年11月03日


11月1日、国後島を訪問したメドベージェフ大統領は、自身のツイッターに訪問の話題を書き込んだ。
http://twitter.com/kremlinrussia

これに対して、読売新聞はメドベージェフの書き込みを「きょう初めて国後島を訪れた。住民と話し地熱発電所を訪ねた」と報道した。産経新聞も同様な報道をしている。
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20101102-OYT1T00545.htm
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/101102/erp1011021112006-n1.htm

メドベージェフは読売・産経新聞の報道のような書き込みをしていない。
正しくは「きょう初めてクリルを訪れた。住民と話し地熱発電所を訪ねた」と書かれている。
記者の誤りなのか、捏造なのか、いずれにしても、誤報はよくない。

メドベージェフは「クリルを訪れた」と書いている。日本はサンフランシスコ条約でクリルを放棄したので、クリルは日本の領土ではない。このため、メドベージェフが「クリルを訪れた」と書いているのは、正当性の主張が入っているのだろう。
読売・産経新聞の誤報のように、メドベージェフが「きょう初めて国後島を訪れた」と書いているならば、日本は、単純にメドベージェフを非難すればよいのかもしれないが、「クリルを訪れた」と書いている以上、日本がメドベージェフの訪問を批判するのならば、国後島がクリルでないことを世界に向けて説明する必要がある。

写真は、1902年、逓信省発行、印刷局印刷 紀念絵葉書の一部。日本政府も国後・択捉をクーリール(KOURILES)と認識していたことを示す一例です。

読売・産経新聞の報道は単純な『誤報』だろうか、日本の正当性を国民に植え付けるためにメドベージェフのツイッターを『捏造』したのだろうか。

なお、朝日新聞の11月3日朝刊では、「クリル」と正しく書かれている。

メドベージェフのツイッターは、地理上の常識で「クリル」に含まれる「国後・択捉」は返還する意思はないと言っているように思う。色丹・歯舞は返還の余地があるとの意味だろうか。メドベージェフの国後訪問は、1956年に締結した条約(日ソ共同宣言)に基づいて、国境画定交渉をしようとのシグナルではないだろうか。

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