旧帝大(理系)+1の数学入試問題2011年03月03日

旧帝大(理系)+東工大の数学入試問題を解きました(一部解いていないものがある)。
解いた感想として、難易度を比較すると、次のようになっています。ただし、得意・苦手の分野があるので、難易度の順位は人によって異なると思います。

1 阪大
2 東大・名大(人による得意不得意の分野が違うので、両者の難易比較はできない)
3 京大 、東工大
4 北大、九大、東北大(この中で強いて比較すると、この順番)

昨年と比較すると、阪大、名大がものすごく難しくなった。逆に、東北大がものすごく簡単になった。
あとは、東大・京大がやや易しくなった。北大も少し易しくなったか。九大は昨年の問題を忘れたので、良く分かりません。

東工大 の入試問題は問1~問3は易しい問題。問4は当たり前すぎることなのだけれど、どのように論証して解答としてまとめるか、なかなか大変です。問4を易しい問題と捉えるか、難しい問題と捉えるのかによって、難易度は違うけれど、むしろ易化したと言えるだろう。


今年の有名大学入試問題はこちらに掲載されています。
http://nyushi.yomiuri.co.jp/

福島第1原発事故2011年03月18日

地震から1週間もたつのに、福島第1原発事故は、ますます深刻になっています。

福島第1原発北西30km地点の放射線量がものすごく高い値を示しています。170マイクロシーベルト毎時。信じがたい高濃度です。

http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/03/18/1303727_08.pdf
http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/1303726.htm

もし、この状態のところで、1年間暮らしたら、1500ミリシーベルト被ばくします。かなり危険ですが、皆さん、避難しているのだろうか。
木造家屋に屋内退避していても、何の役にも立ちません。普通の車の中も、役に立ちません。戦車ならば放射線は多少遮るかもしれない。
特に、妊娠可能な女子の場合は、24時間以上滞在しない方がいいでしょう。

福島市の放射線量は7~8マイクロシーベルト毎時です。
医療法施行規則第30条の27によると、妊娠可能な女子の腹部の許容被爆線量は、四月一日、七月一日、十月一日及び一月一日を始期とする各三月間につき五ミリシーベルト。これは、2.3マイクロシーベルト毎時に相当します。 7~8マイクロシーベルト毎時程度の地域に1カ月滞在すると、各3か月ごとの妊娠可能な女子の腹部の許容線量になります。妊娠可能な女子は1カ月以上継続して滞在しない方がいいでしょう。

このような高い放射線量がどれだけ続くのか分からないけれど、もし、しばらく続くようならば、若い女性の方は、福島市には、しばらく住めないのかなー。
 
 
 
ちょっと補足:
 一時的に、200マイクロシーベルト程度の放射能濃度が出ても、特に人体に影響する数値ではありません。この放射能濃度に24時間いたとしても、妊娠可能な女子の許容範囲ぎりぎりセーフです。「文部科学省のモニタリングカーを用いた福島第1発電所及び第2発電所周辺の空間線量率の測定結果」をみると、今回の、北西30キロ地点の高濃度は、少なくとも数時間は継続している。
 すぐに下がるのか、しばらく継続するのか。もし、継続するようならば、居住するのは危ない。

 福島市の7~8マイクロシーベルト毎時は、数カ月単位で継続する様なことがなければ、特に心配する線量ではありません。でも、数年単位で継続するならば、当分、住まないほうが良いかもしれない。


再補足:
 ちょっといい加減なことを書きました。
 「木造家屋に屋内退避していても、何の役にも立ちません。普通の車の中も、役に立ちません」と書きましたが、ずさんな記述です。
 放射線の被害は、放射性物質の体内取り込み、α線、β線、γ線の被害等があります。放射性物質の体内取り込みを避けるためには、屋内退避は効果があります。また、α線、β線は薄い金属でも相当程度防ぐことができます。このため、屋外にいるよりも、屋内退避の方がずっとましです。でも、200マイクロシーベルトの線量があるならば、多くはγ線だろうから、この線量の被爆は、屋内にいても、あまり低減されません。屋外で放射性物質を吸いこんだら、状況はさらに悪くなると考えられます。

とんでもない人道無視-枝野官房長官2011年03月18日

福島第一原発の北西30キロ地点で、「毎時100マイクロシーベルト台の数字が継続している」件に関して、枝野官房長官は、「直ちに人体に影響を与える数値ではない」として、退避範囲の拡大などは行わない考えを示した。毎時100マイクロシーベルト台を48時間被爆したら(現に、この地点の住民はすでに被爆している可能性がある)、妊娠可能な女子の腹部の3か月ごとの許容被爆線量を越えている。このまま放置していたら、将来生まれる子供に、何らかの障害が及ぶ危険がないとは言い切れない被爆線量であり、退避範囲の拡大など早急な対応が必要である。

おじさんや、婆さんには「直ちに人体に影響を与える数値ではない」けれど、子供、特に女の子の被爆を放置するなど、とんでもない人権感覚の欠如だ。

200万キロカロリー毎時2011年03月19日

今日の新聞に、18日の東電の発表が載っています。4号機貯蔵プールは200万キロカロリー毎時だそうで、朝日新聞の説明では、プールの水温を毎時2度上げる熱量であるとのこと。

はじめから、わかっているならば、電気が止まった時点で、何をしなくてはならないか分かるはず。なんで、4号機が壊れるまで放置したのか。18日になるまで、公表しないのか。あきれる。

福島市の放射能濃度2011年03月19日

 福島第一原発の北西60kmにある福島市の18日18時の放射線濃度は8.0マイクロシーベルト毎時です。
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/03/19/1303727_1910.pdf
 この程度の被爆をしても、直ちに障害が現れることはないけれど、数ヶ月単位で被爆するならば、将来妊娠する女子には奇形児出産・流産の可能性が高まるとも考えられるので、若い人は、福島市を離脱したほうがいいのではないかと思います。
 今すぐ障害が出ることはないし、もし仮に将来、奇形児出産・流産になったとしても、今回の被爆が原因であることを立証することは不可能でしょう。このため、電力会社や国には、被爆に対して損害賠償責任が生じることは考えられないので、その意味では、ほぼ100%安全と言えます。(損害賠償を払う必要がないという意味で、電力会社や国は安全と言うことです。)
 でもね、親戚に福島市民がいたら、子供だけでも避難するように勧めるけどなー。どうでしょう。

 福島第一原発の北西30km地点の濃度は18日13時32分現在150.0マイクロシーベルト毎時です。こんな高濃度の放射線に若い人が暴露されるのは、いくらなんでもまずい。若い人は住んでいない地域なのだろうか。すでに、住民全員が退避しているのだろうか。24時間が限度のように思うのだけれど、すでに48時間以上たってしまっているのだろう。

 福島第一原発の北西40km地点の濃度も18日14時50分現在30.0マイクロシーベルト毎時の測定値があります。1日ぐらい被爆しても、特に気にする線量ではないけれど、1週間この濃度のところにいたら、5ミリシーベルトになってしまう。

 伊達市のデータが分かりませんが、大丈夫なのだろうか。
 どうも、原発の北西方向が悪いようです。



80キロ以内は退避すべし:
 米政府は16日、福島第一原子力発電所から半径80キロ以内に住む住民に避難勧告を出したそうです。アメリカ以外に、イギリス政府、韓国政府、オーストラリア政府も自国民に対して、同様な退避勧告を出しています。
 福島第一原子力発電所から60km北西に位置する福島市の放射線濃度が8.0マイクロシーベルト毎時と、かなり高い値を示しているので、80km以内を退避勧告範囲としたのは、妥当な判断です。

福島の牛乳から暫定基準を超える放射線量2011年03月19日

枝野官房長官の記者会見によると、福島の牛乳から暫定基準を超える放射線量が検出されたそうです。この牛乳を日本人の平均摂取量で1年間摂取し続けた場合の被曝(ひばく)線量は、コンピューター断層撮影法(CT)スキャン1回程度だそうです。

具体的な数値が分からないので、なんとも言えないのですが、概算の計算をして見ます。

日本人の平均牛乳摂取量を年間50kgとして、CTスキャンの1回の放射線量を10ミリシーベルトとすれば、牛乳1リットルあたり0.2ミリシーベルトになります。

1日2リットル牛乳を飲む子がいると2週間で5ミリシーベルトを超えます。
おじさんや婆さんには無視してよい放射線量だけれど、子供でも、本当に影響がないといえるのだろうか。

注意)CTスキャン1回と言っても、体のどの部位のCTスキャンなのか、どの医療機関なのかによって、大きく異なるので、枝野官房長官の言う「CTスキャン1回」がどの程度の線量なのか、よく分からないので、上記概算は大きく事実に反する可能性があります。

CTスキャン1回分2011年03月20日

昨日、牛乳とホウレンソウから暫定基準値を超える放射性物質が検出されたことに関連して、枝野長官は「牛乳がCTスキャン1回分、ホウレンソウが5分の1程度と説明」しました。

CTスキャン1回分って、本当に心配ないものなのだろうか。オジサンはCTスキャンで精密検査することがあるので、オジサンには、心配する放射線量ではないのでしょう。でもね、妊婦に不用意にCTスキャンを実施する医者はいないでしょう。もちろん、必要に応じて、妊婦に対してもCTスキャンが実施されるので、それほど心配する被ばく量でも無いのでしょう。

CTスキャン1回分は、オジサンには全く心配する被爆量ではないけれど、妊婦には、できれば避けた方が良い被爆量です。ただし、ただちに健康被害を生じる被爆量ではありません。


福島市の放射線量は、3月19日17時15分には6.5マイクロシーベルト毎時と依然として高い線量を記録しています。この値ならば、30日浴びても、4.7ミリシーベルトとCTスキャン1回分よりも、むしろ少ない値です。オジサンには、気にする量ではありません。また、妊婦にとっても、ただちに影響が出る量ではありません。だから、妊婦や女の子も避ける必要はないと判断するのか、妊婦や女の子は避けた方が良いと判断するのか、それは、個人個人の判断です。
オジサンや婆さんは、気にする線量ではありません。オジサンが避けようとアタフタするのは滑稽です。

福島市の放射能はいつになったら平常値に戻るのか2011年03月21日



 上の図は、福島県のホームページに公開されている数値から書いた、福島市にある北保健福祉事務所事務局東側駐車場の環境放射能測定結果(暫定値)。
http://www.pref.fukushima.jp/j/index.htm
http://www.pref.fukushima.jp/j/7houbu7.pdf
 横軸は、放射能が急に大きくなった3月15日17時を0とした経過日数。縦軸は放射能濃度で単位はマイクロシーベルト毎時。縦軸は対数メモリで書いています。

 放射性物質は崩壊するときに放射線を出すわけですが、放射線を出すにつれて、徐々に減ってくるので、それに伴って、時間とともに放射能も減少します。単一核種の場合は、縦軸を対数で書くと、直線的に減少してゆくことが知られています。つまり、放射能濃度Rは次式となります。
  R=Aexp(-a・t) 
 ここで、tは時間、aは核種によって定まっている数値。Aは初期放射能濃度。・は掛け算です。


 上の図は、いつになったら1マイクロシーベルトに低下するのかを推定するためにグラフに直線を入れたもの。最初のころは順調に減少したので、10日もすれば1マイクロシーベルトに低下するように思えましたが、現在の減少量を見ると、21日程度で1マイクロシーベルトに低下するように思えます。

放射性核種が複数混在するときの放射能濃度Rは次式となります。
  R=ΣAiexp(-ai・t) 
 ここで、iは核種。aiは核種によって定まっている数値。Aiは核種iの初期放射能濃度。
 この式の意味するところは、最初のころは、すばやく減少する放射性核種の影響で、順調に放射能が減るけれど、徐々に、減少時間が遅い放射性核種の影響が大きくなり、思いのほか放射能は減ってくれない可能性があることを示しています。
 福島市の放射能濃度も最初のころは、10日もすれば1マイクロシーベルト以下になるだろうと思われたのに、今では21日程度かかるように感じられるのは、このためです。日数がたつにつれて、減少量はさらに遅くなり、なかなか、1マイクロシーベルト以下にならないかもしれません。
 
 1マイクロシーベルト毎時の放射線量は結構大きいもので、この程度の放射線に1年間暴露されていると、CTスキャン1回分程度の被爆量になります。オジサンや、婆さんには全く気にする線量ではないけれど、妊婦や子供は不必要に被爆しないほうが好ましい線量です。
 
 福島市の原発事故前の放射能濃度は、0.1マイクロシーベルト毎時以下でした。
 

追記)
 上の図は、適当に、21日で1/20程度に減少するように直線を引いたけれど、実際には8日で1/2に減少しているのかもしれない。これだと、24日で1/8になります。放射性のヨウ素の半減期がおおよそこの程度なので、福島市の放射能の原因は放射性ヨウ素の可能性が高い。ヨウ素は、体内の取り込まれると甲状腺にたまるので、外出は控えたほうがいいですね。

直ちに健康に影響を及ぼす数値ではない2011年03月21日

福島市のホームページに、「放射線について理解を深める講話の概要」が掲載されています。
http://bousai.city.fukushima.fukushima.jp/info/img/copy_of_eee.pdf
医学的な観点から、放射線による障害には、①数日から数週間で起きる急性障害、②数年後以降に起きる晩発性障害、の2種類がある。現時点の状況から言えることは、今の退避行動をとっていれば急性障害は起こらない、晩発性障害の可能性はあるが時間があるので対応する余裕がある、ということ。
この説明、全く同感です。枝野長官は放射線量を説明するときに「直ちに健康に影響を及ぼす数値ではない」と付け加えるのを忘れません。
 
でも、多くの人は、自分に生じるかもしれない「急性障害」よりも、子供や孫に生ずるかもしれない「晩発性障害」を恐れているのではないだろうか。たとえば、妊婦が被爆して生まれた子供の知能が低かった場合、発覚するのは小学校入学後のことでしょう。そうなった場合は、行政としては、特殊学校の用意などをすればよいので『対応する余裕がある』ことになります。でもね、生まれる本人や親にとっては、そんなことではないでしょう。
 
チェルノブイリ被災地の子供は、他の地域に比べて、学力が低いとの話もあります。平均のことだから、被災地にも頭のいい子はいるし、被災していなくても単なるバカな子もいます。

(補足)誤解のないように補足します。チェルノブイリ原発汚染地域の子供の平均学力が低かったとしても、ただちに放射能の影響ともいえません。たいていの人は、汚染地域にとどまりたくないだろうから、お金があれば、引っ越しをすっる人も多いでしょう。このため、汚染地域にとどまっている人は、貧しい人が多く、元々、親の学力が低かったとも考えられます。 

枝野長官は「直ちに健康に影響を及ぼす数値ではない」と言っています。枝野長官の説明は、嘘ではないけれど「晩発性障害の可能性は全くない」と言ってくれない限り、危機意識を持たなくてはならないのです。子や孫に晩発性障害が起こったら、おしまいです。
 
福島市の人は「急性障害は起こらない」「直ちに健康に影響を及ぼす数値ではない」のであるならば、それで満足なのでしょうか。人それぞれの考えだと思うのですが、私ならば、放射線濃度が今なお高い地域からは、子供だけでも退避させるけどなー。 いまだに、数マイクロシーベルト毎時って、うれしくない数値です。

誤解の無いように追記すると、数マイクロシーベルト毎時程度の放射線量は微弱なので、遺伝障害を含む晩発性障害の可能性も無いか非常に低いものです。可能性は無いとの説の人もいます。でも、もし、万一起こったら、取り返しが付かない。そこをどのように考えるのかは、個人個人の問題です。

ホウレンソウ・かき菜などの出荷停止指示2011年03月22日

基準を超える放射能が検出された件に関して、菅直人首相は、福島、茨城、栃木、群馬の各県産ホウレンソウ、かき菜などの出荷停止を指示しました。期間は「当分の間」。
風評被害を防ぐうえでも、仕方ないのかもしれないけれど、ずいぶん過剰反応のように感じます。ホウレンソウを買ってきたまま、洗いもしないで、生でバクバク食べる人はいないだろう。青虫じゃないのだから。普通に洗った後、普通に加熱調理すれば、放射性のヨウ素は相当減るだろうから、食べるときには、基準以内になっているだろう。

ホウレンソウの放射能の基準は2000ベクレル/kgだそうで、24000ベクレル/kgのホウレンソウが見つかったのだとか。
では、24000ベクレル/kgのホウレンソウを洗わないで生で毎日食べたらどのくらいのものだろうか。毎日300g食べるとしよう。放射性ヨウ素1ベクレルは0.02マイクロシーベルトに相当するとして計算すると、1日当たり144マイクロシーベルト。これは、1時間当たりに換算すると、6マイクロシーベルト毎時です。これって、福島市の放射能と同じくらいです。

一番汚染されているホウレンソウを、洗わないで、生で、毎日、食べるのは、やめた方が良いですね。そんな人、いないですよね。


 事故原発北部の飯館村では、水道水から基準値の3倍以上の放射性ヨウ素が検出されています。飲んだとしても、ただちに健康に影響する量ではないけれど、水は洗うわけに行かないので、困ったものです。
 対策本部は「1リットル飲んで受ける放射線量は胃のエックス線検診1回の28分の1」との説明だそうですが、普通、人は1日2リットルぐらい水分を摂取するので、そうすると、14日で胃のエックス線検診1回に相当することになります。ただちに健康に影響する量ではないけれど、このまま続くとしたら、うれしくない線量ですね。

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