放射能汚染があっても基準内ならば安心か??2011年03月30日

菅谷昭・松本市長は元信州大学医学部准教授で、甲状腺疾患が専門です。平成8年に、ベラルーシにわたり5年間、チェルノブイリ被災者の甲状腺治療にあたってきました。

 『今回のほうれん草の場合でも日本の基準で2000ベクレル/キロですよね。・・・そういうなかでもってそれを要するに食べてもいいかって言われたら、語弊がありますが、できるだけ口にしないほうがいいだろう。っていうのは、これは現地行った者としては、本当に言いたいのは子ども達やあるいは妊産婦、胎児の命を守るという意味でいったら5年とか10年、チェルノブイリでもって甲状腺がんの子どもが増えたのが5年後なんですよね。・・・
 だから将来のことを考えれば、これは本当に申し訳ないけれど、作っている方々に。しかしこれはそんな事を言っても色々ありますけれど、風評ではなくて事実として、これはやはり押さえておかなければいけないと私は思って、パニックでなくて国民も冷静に聞いてくれて、そして今の時期は食も少しひかえてもらうということ・・・
 もう入ってしまったら終わりなのです。』
http://www.city.matsumoto.nagano.jp/aramasi/sityo/kaiken/teirei20110322/index.html

 ずいぶん、慎重な言い回しだけれど、要するに、日本の基準内の汚染であっても、子供の5年後10年後の健康を考えたら、食べるのはなるべく控えてほしい、そういうことですね。
 政府は、「ただちに健康に影響は無い」と言います。それは正しいのですが、子供の5年後10年後の健康に影響ないか、怪しいのです。学者の中には「健康被害の証拠は無い」と言う人もいます。5年後10年後に甲状腺がんが増えたからと言って、個々人の癌の原因が放射線であると断定する事はできませんし、そのような証拠は無いでしょう。このため、国や東電に損害賠償を請求しても、因果関係を立証することは不可能でしょう。だから、国や東電は損害賠償支払いのリスクは無い。でもね、それは、健康被害のリスクがないと言っているわけではないのです。


ちょっと補足:
 ホウレンソウは野菜なので、好き嫌いがあります。このため、人によって食べる量は大きく異なります。日本人の平均摂取量は何グラムだとの議論は、全く役に立ちません。
 私は、葉物野菜が好きなので、1日平均300g程度食べます。もし、1kgあたり2000ベクレル放射性ヨウ素で汚染されているならば、1年間で5ミリシーベルトになり、これだけで、自然界から受ける平均放射線量の2倍が加算されることになります。葉物野菜以外には、放射性ヨウ素を取りこまないのならば、特に気にする線量ではないのかもしれないけれど、葉物野菜が汚染されているならば、他の物も汚染されている危険があるので、できれば、避けたいものです。好んで放射能汚染野菜を食べることは無いし、特に、子供に無理に食べさせることは無いでしょう。汚染されていない野菜など、いくらでも入手可能なのだから。

* * * * * *

<< 2011/03 >>
01 02 03 04 05
06 07 08 09 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

RSS