福島市の放射能はいつになったら平常値に戻るのか2011年04月01日


 
 上の図は、福島県のホームページに公開されている数値から書いた、福島市にある北保健福祉事務所事務局東側駐車場の環境放射能測定結果(暫定値)。
http://www.pref.fukushima.jp/j/index.htm
http://www.pref.fukushima.jp/j/7houbu27.pdf
 横軸は、放射能が急に大きくなった3月15日17時を0とした経過日数。縦軸は放射能濃度で単位はマイクロシーベルト毎時。縦軸は対数メモリで書いています。
 
 いつになったら1マイクロシーベルトに低下するのかを推定するためにグラフに直線を入れています。最初のころは順調に減少したので、10日もすれば1マイクロシーベルトに低下するように思えました。暫くすると、下がり方がやや遅くなったので、21日程度で1マイクロシーベルトに低下するように見えました。
 
 ここ数日は、低下のペースがさらに遅くなり、このままだと、1マイクロシーベルトに低下するのは、30日弱必要に見えます。
 
放射性核種が複数混在するときの放射能濃度Rは次式となります。
  R=ΣAiexp(-ai・t) 
 ここで、iは核種。aiは核種によって定まっている数値。Aiは核種iの初期放射能濃度。
 
 この式の意味するところは、最初のころは、すばやく減少する放射性核種の影響で、順調に放射能が減るけれど、徐々に、減少時間が遅い放射性核種の影響が大きくなり、思いのほか放射能は減ってくれない可能性があることを示しています。
 福島市の放射能濃度も最初のころは、10日もすれば1マイクロシーベルト以下になるだろうと思われたのに、だんだん遅く感じられるのは、このためです。日数がたつにつれて、減少量はさらに遅くなり、なかなか、1マイクロシーベルト以下にならないかもしれません。
 
  1マイクロシーベルト毎時の放射線量は結構大きいもので、この程度の放射線に1年間暴露されていると、CTスキャン1回分程度の被爆量になります。オジサンや、婆さんには全く気にする線量ではないけれど、妊婦や子供は不必要に被爆しないほうが好ましい線量です。
  
 福島市の原発事故前の放射能濃度は、0.1マイクロシーベルト毎時以下でした。

 福島市の放射線量の積算は、すでに、2.5ミリシーベルトを超えています。『電離放射線障害防止規則』によると、女性の放射線業務従事者の被ばく限度は3カ月ごとに5ミリシーベルトとされています。福島市は、環境放射線だけで、すでにその半分になってしまった。呼吸や水・食品から摂取したものを含めたら、どうでしょう。若い女性と子供は、もう少し早い段階から退避していた方が良かったように思っているのですが、皆さん、いかがされましたか。

原発はいまだに危険な状態2011年04月04日

福島原発は依然油断できない危機的状況ですが、一応は、大幅な放射能漏れは回避されているようです。このため、福島県内の放射能もだいぶ減ってきました。福島市では、2.5μSv/h程度に下がっています。この値は、事故前に比べたら数十倍なので、決して少ない量ではないけれど、少なくともオジサンや婆さんは、それほど気にする必要のないレベルでしょう。放射能を怖がって、オジサンや婆さんが福島市から避難を続けているとしたら、ちょっと大げさに感じます。

最近、私の住んでいる埼玉でも、福島ナンバーの車を見かけるようになりました。多くの人は、気の毒な福島県民を温かく迎えていますが、中には、福島県民が放射能汚染されているのではないかと、差別・排除するような心ない人もいるようです。人が高濃度に汚染されるほど、放射能レベルは高くなかったし、そばにいるだけで危ないほど汚染されたら、急性放射能障害になっているよ。バカげた差別・排除をする人の無知にはあきれる。


ところで、放射性物質の海洋への流出が止まらないようです。茨城県鹿島灘の魚介類の放射性セシウム濃度は暫定基準値である500Bq/kgを下回っているので安全との新聞記事がありますが、もし、暫定基準程度に汚染されているならば、あまり食べないほうがよろしいかと思います。オジサンや婆さんは気にする必要ないのですが。
セシウムは半減期30年なので、いったん体内に蓄積されたら、一生なくならないと思わなくてはならない。「風評被害」の言葉で片付けてしまう人もいるだろうけれど、安全配慮は風評被害とはちょっと違うと思います。


放射能の発がんリスクについて、まったくバカゲタ議論をする人がいます。「この程度の放射能は煙草に比べて発がんリスクはずっと少ない」。こういう、バカゲタ議論を大真面目な顔をして言う人がいるから聞いてあきれます。一体、どこの世界に、子供の口にタバコを無理に突っ込んで、煙を吸わせる奴がいるのか。子供には、タバコのリスクが大きいので、法律で喫煙が禁止されています。子供に無理にタバコを吸わせることなどない。こういうあり得ないことと比較して、リスクが少ないだのなんだの言ったところで、無意味な議論です。
誰だって子供にタバコを吸わせない。放射能だって、子供に被爆させるなと言いたい。


放射性セシウムについて追記します。
 魚介類等の放射性セシウムの日本の暫定基準は200Bq/kgですが、ウィキペヂアによると、WHOの基準は10Bq/lだとか。日本の暫定基準は、20倍の高汚染です。放射性ヨウ素の場合は半減期が8日と短いので高濃度汚染はそれほど長くは続かないだろうとの希望的判断で、暫定基準を大幅に甘くした気持ちは分かりますが、放射性セシウムの半減期は30年と長いので、汚染されたら、そう簡単に低減しないかもしれない。私は、安全側の判断で、WHO程度の10Bq/kgを越える汚染魚を子供に食べさせたくないと思います。
 ニュース報道によると、大洗町沖のカタクチイワシが30Bq/kg、イカナゴ(コウナゴ)が66Bq/kg。鹿嶋市沖の鹿島灘ハマグリが19Bq/kg、サヨリが11Bq/kgと、幾つかの魚介類で、比較的高濃度の放射性セシウム汚染が見られます。

 国の基準内ならば平気だと考えている人の気持ちが、どうもよく分かりません。放射性ヨウ素の場合は、半減期が8日と短いので、長期間にわたって汚染が続くことは無いだろうとの考えも正当です。だから、汚染されたものを飲食してもそれほど被害は無いと考えることもできます。  でも、汚染がそれほど長引かないのだったら、汚染されているときは、別の物を食べればよいではないか。他に食べるものがなければ仕方ないけれど。毎日、福島産葉物野菜や茨城産海産物をバクバク食べないと死ぬわけでもないのだから。昨年秋に取れた米ならば、汚染されていないのだから、米を主に食べれば困ることないでしょう。私の住んでいるところは、西日本の野菜がスーパーに売られているので、基本的に、これを食べています。茨城産よりも若干高いけれど、たいしたことないです。

低レベル放射能汚染水 海に放出へ2011年04月04日

ついに、東電は、放射能汚染水を海に捨てる決定をしました。

今のところ、この汚染のために、付近の魚や海草などを毎日食べ続けたとした場合、1年間に成人が受ける放射線量は0.6ミリシーベルトと、東電は言っているそうです。多めに、魚や海草を食べる人は、普通の人の倍は食べるだろう。そういう人は、年間1.2ミリシーベルト。一般の人が1年間に浴びても差し支えないとさせる1ミリシーベルトを魚介類だけで上回ります。
関東地方は、水道水や大気も若干汚染されている可能性があります。また、野菜類も汚染されています。これらの汚染と合わせたら、普通に魚介類を食べる人でも、年間基準の1ミリシーベルトを超える。

安全を考えるならば、関東を脱出するか、茨城の魚介類は食べないか。

コウナゴ2011年04月05日

茨城のコウナゴから、高濃度の放射性ヨウ素が検出されました。コウナゴって、ちょっと骨を感じる小魚で、あまり好きではないので、めったに食べません。

しかし、コウナゴは小魚なので、ほかの魚が食べて、汚染物質を取り込んでいるはず。放射性ヨウ素の半減期は短いので、長期間残留することは無いだろうけれど、警戒は必要です。
警戒するぐらいならば、安全な地域の魚を食べれば良いでしょう、となるよね。

屋内退避で放射能被害を減らすことは、できない2011年04月06日

 放射能の被害は、放射線にあたる外部被爆と、放射性物質の吸引・摂取による内部被爆がある。内部被爆について、屋内に居ると1/10になるとの説明が、行政によりなされることがある。この根拠が分からなかったので、本Blogで尋ねたら、以下の文部科学省ページを教えていただいた。
http://www.bousai.ne.jp/vis/box/qa/10.html
 このページによると、IAEAの調査で、屋内退避により外部被爆を木造家屋では約10%低減できること、内部被爆は、ヨウ素を例にとると、通常の建物で1/4~1/10に低減できるとしている。


初めに外部被爆について。

 福島県や文部科学省のホームページには、福島県内各地点の環境放射線量が公開されている。福島市を例にとると、原発爆発以降の放射線量はすでに3ミリシーベルトを超えている。この線量は外部被爆に当たるので、屋内退避による効果は、木造建築では、10%程度の低減効果しかない。内部被爆と混同して、被爆線量の3ミリシーベルトが、1/4~1/10に低減できると思ったら大間違いだ。
 3ミリシーベルトの線量は、それほど大きいわけではないので、ただちに健康被害が出ることもないし、オジサンや婆さんが長期の影響を心配することもないだろう。しかし、内部被爆と合わせたら、妊婦や子供(特に女子)には、出来れば避けた方が良い線量に思える。個人個人、いろいろな考えがあるだろうし、いろいろな生活状況があるのだけれど、今から考えると、やはり福島市の人は、妊婦や子供(特に女子)は1カ月程度は、福島市を退避していた方が良かったのではないだろうか、そのように思えてならない。

 浪江町の被爆線量は23日以降の総計で10ミリシーベルトを超えたとの報道がなされている。原発の爆発事故は12日~15日なので、12日以降の線量を合計すると、ちょっと深刻な被爆線量になっているだろう。この被爆は外部被爆なので、木造建築では、10%程度の低減効果しかない。

(注1)木造建築の外部被爆低減効果を10%程度と書いたが、これは、普通の木造建築のことであり、お城のように分厚い土塀をもつものや、極端に厚い板を使った超高級木造建築の場合は、低減効果はもっと大きいだろう。また、放射線の種類やエネルギーによって、家屋の低減効果は異なるので、10%というのは、目安です。

(注2)放射性物質が空気中に漂っている場合、木造建築による外部被爆の低減率は10%程度であるが、放射性物質が地面に有る場合は、木造建築でも、もう少し外部被爆が軽減する可能性がある。地面に放射性物質がある場合、上階に行くほど、放射性物質から離れるので、放射能が軽減する。通常、屋外の放射能は、地上1mのところで計測するので、2F,3Fと高い位置に居る場合、放射線は測定値よりも小さな値になる可能性がある。ただし、周りの状況や、建築物の状況に依存するので、実際にどのような放射線強度なのか、測ってみないと分からない。



次に内部被爆について。

 内部被爆は、飲食物から放射性物質を摂取する場合と、呼吸により放射性物質を摂取する場合がある。

 飲食物から放射性物質を摂取することにより起こる内部被爆は、屋内退避の効果がないことは明らかだろう。

 呼吸により放射性物質を摂取することにより起こる内部被爆について、文部科学省ページでは、IAEAの研究として、ヨウ素を例にとると、通常の建物で1/4~1/10に低減できるとしている。しかし、これは、誤解を与える記述で、今となっては、ほとんど嘘である。

『フリーランスライター畠山理仁のブログ』によると、畠山理仁氏は記者会見場で、次の質問をしている。
 『「吸入」による内部被ばくを低減する屋内退避についても、許容時間を48時間程度と制限しており、それ以降は事態の収拾により退避措置が解除されるか、避難が決定されるとしています。』
http://hatakezo.jugem.jp/?eid=24
 この質問に対して、政府は「念のため」と繰り返すばかりで、48時間を越えた屋内退避の効果が期待できないことに対して、明確な解答をしていない。

 放射性ヨウ素が屋外の空気に含まれている時、窓を閉めていても、放射性ヨウ素は、隙間を通して、拡散によって入ってくる。もし、放射性ヨウ素が入ってこないように隙間をなくしたとすると、新鮮な酸素も入ってこないので、窒息してしまう。
 拡散によって入る場合、急には入らずに、時間をかけて徐々に入るものである。このため、屋内退避は、放射能の内部被爆を遅らせる効果がある。もし、屋外の放射能汚染が、すぐに収まるのならば、屋内退避は効果があるけれど、汚染が継続する場合は、屋内退避の効果は、せいぜい、48時間程度であり、それ以上の期待はできない。このため、屋内退避をするならば、その間に脱出の準備をして、48時間以内に転居することが望ましい。
 原発事故以来、3週間もたってしまっているので、屋内退避していても、内部被爆の低減は、ほとんど期待できないだろう。


注)タイトルはちょっと大げさです。外部被爆の場合は木造建築の屋内退避で10%程度削減できること、地表近くに汚染粉塵がある場合は、舞い上がった粉塵を吸わないで済むと言う効果も期待できるので、屋内退避が全く無意味と言うわけではありません。特に、落ちている物は何でも口に入れようとする幼児の場合は、屋外に出してはいけない。



 放射能汚染が激しい飯舘村では、妊婦と乳幼児を一時、村外に避難させる方針を決めたそうです。当面1カ月。
 退避しないよりも、した方が良いのだけれど、すでに半月以上たっている今、1カ月程度退避たところで、大きな違いは無いだろう。もう少し、素早い対応をしてほしかった。それに、乳幼児だけではなくて、もう少し大きい子も退避させた方が良いのに。
 これに対して、政府の原子力災害現地対策本部(福島市)は「飯館村の放射線量はただちに影響が出る数値ではない」としているそうです。「ただちに影響が出ない」ことぐらい、誰でも知っているよね。3年後、5年後、あるいは10年後にも、影響が出ないのかどうなのかが問題です。



追記:
 5月になると、原発事故当初とは変わって、放射性セシウムが地表に堆積していることの影響になっています。このため、汚染されている地表面方遠ざかることが、被曝を低減するために有効です。屋内退避には、被曝を低減するための一定の効果があります。ただし、雨樋や屋根などに、放射性物質がたまっていることもあるので、一概に、屋内退避が良いとも決められません。 (2011.5.10)

カテゴリー変更のお知らせ2011年04月07日

これまで、福島原発事故について書いてきました。

事故当時は、これほど長引くとは思わなかったので、Blogに書くのも数日だろうとの考えで、『その他』カテゴリーとしていました。しかし、原発事故はいまだに予断を許さない危機的状況です。今後もBlogに書くこともあるだろうとの考えで、新たに『原発と核』カテゴリーを作りました。福島原発事故関連の記事は『その他』カテゴリーから『原発と核カテゴリー』に移動しました。

放射能汚染小学校-津島小学校2011年04月07日

 福島県浪江町の津島小学校の放射線強度は、毎時23・0マイクロシーベルトだそうです。
 ただちに健康被害は無い線量だけれど、本当にこんなところに小学生を通わす気なのかなー。23μSv/hって、かなりな線量で、ここに2時間いたら、胸部X線の集団検診と同程度の放射線を浴びることになります。2時間ごとに、レントゲン写真撮っているのと同じ。
 48時間いると、1ミリシーベルト。これは、一般人の、医療・自然の放射線を除く、1年間の許容線量です。つまり、津島小学校には、2日を越えて通学しない方が良い。
 なお、屋内に居れば、安全だなどと、根拠のない誤った考の人も多いかと思います。この点について、本ブログにも、いくつか書きましたので、ご覧ください。
 http://cccpcamera.asablo.jp/blog/2011/04/06/5777524
 http://cccpcamera.asablo.jp/blog/2011/03/23/5754773
 http://cccpcamera.asablo.jp/blog/2011/03/22/5753728



ところで、恐ろしいことに、福島県は、10μSv/h以下の場合は、屋外運動をしても、子どもたちの健康に支障がないとしているようです。
http://www.minyu-net.com/news/news/0407/news1.html

10μSv/hだと、毎日5回、胸のレントゲン写真を取っているようなものです。こんなに大量に子供にX線を浴びせることは、普通はしないでしょう。5日で、一般人の1年間の許容線量に達してしまいます。こんな恐ろしいところは、1週間以内に、転校した方が良いと思うのですが。。。

注)一般人の許容線量は年間1ミリシーベルトですが、これは、安全を見込んだ数値です。100ミリシーベルト以下であるならば、健康被害が起こるとの明白な証拠はありません。このため、100ミリシーベルト以下の被爆で障害があらわれても、損害賠償を求めることは不可能です。つまり、電力会社や行政にとって、10μSv/hの線量(これは年間90ミリシーベルトに相当)は、損害賠償責任が生じえない安全な基準です。
 年間の被爆線量が100ミリシーベルト以下なら、本当に健康被害は生じないのかどうなのか、良く分かっていません。
 危険であること分かっていないので、他人の子供に放射線を浴びせても平気だ、ということなのかな。

20キロ圏外にも避難指示へ2011年04月11日

『福島第一原発から半径20キロ圏の避難地域以外で累積の放射線量が高い地域に対し、新たに避難指示を出す方針を固めた』との記事があります。
http://www.asahi.com/national/update/0410/TKY201104100260.html
 何もしないよりは良いけれど、原発事故から1カ月近くたってしまったので、その間、不要な被爆をした人も多いだろう。オジサンや婆さんは、この程度の被爆を気にすることもないかもしれないけれど、子供は不必要な被爆をしない方が良かった。先月17日には、北西方向の放射線濃度が高いことが分かっていたはずなのに、今まで、どうして手をこまねいていたのだろう。

 それから、20km圏内の一時立ち入りを認めるべきとか何とか議論があるけれど、子供と爺婆さんは、放射能被害が違うのだから、住民一律の退避命令はあまり意味がないのではないだろうか。オジサンや婆さんが線量計を持って、一時立ち入りすればいいではないか。

「計画的避難区域」「緊急時避難準備区域」2011年04月12日

 政府は、これまで、安全としていた飯舘村など、北西方向で放射能汚染が深刻な地域を、新たに「計画的避難区域」に指定し、一か月をメドに、退避を指示しました。
 「安全」と言い続けるよりはマシだけれど、少なくとも、妊婦と子供は、もう少し早い時期に退避すべきだったのではないだろうか。子供は不要な被爆をしない方が良い。
 これまで、国は「原発は安全」と言い続けてきました。今回、安全でなかったことが明らかになった。放射能汚染についても、安全と言ってきたけれど、今回の「計画的避難区域」指定で、安全との説明が、かなり怪しいことが、明らかになりました。

注1)爺さん婆さんには、気にする必要はない放射線量だと思います。爺さん婆さんだけ残して退避しろとは言えないので、全員退避なのでしょう。

注2)今回「計画的避難区域」に指定された地域の放射線量は、ただちに健康被害が起こる量ではないので、その意味では安全です。また、長期的な健康被害は、わずかな確率があると言う意味なので、たいていの人は、長期にわたって健康被害は起こりません。ごく一部、運の悪い人に健康被害が生じるかもしれない。

 
 また、これまで、屋内退避としてきた20㎞~30㎞の範囲の中で、放射線量が少ないところを「緊急時避難準備区域」にするそうです。屋内退避の効果があるのは、汚染後、数日です。既に1カ月もたったのだから、屋内退避は、ほとんど無意味。ただし、福島原発は、いまだに、危機的状況で、いつ新たな爆発があるとも限りません。今後、新たに放射性物質を大量に放出することがあったら、到達するよりも前に屋内に退避する必要があります。
 今回、「緊急時避難準備区域」に指定したのは、妥当な判断です。でも、もう少し、早い方が良かった。

福島市:自分だったら子供は退避させるけどなー2011年04月14日

 原子力安全委員会は今月13日、学校再開基準として、年間の被曝量が10ミリシーベルト以下との見解を示したそうです。
http://www.asahi.com/national/update/0413/TKY201104130527.html
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011041300939
http://mainichi.jp/life/today/news/20110414k0000m040112000c.html
http://news24.jp/articles/2011/04/14/07180899.html

 子供の安全を考えたら、当然の判断なのですが、年間10ミリシーベルトを逆算すると、毎時1.14マイクロシーベルトになります。福島市の放射線量は、13日17時で毎時1.79マイクロシーベルト。この値は、徐々に下がってはいるけれど、最近、低下の速度が遅くなっています。それに、原発事故以来の積算量は、既に3ミリシーベルト程度になっています。あと11カ月の平均が毎時0.9マイクロシーベルトならば、年間で10ミリシーベルトを越えます。

 原発事故以来、福島市の子供と妊婦は、早めに退避したほうがいいと思っていました。退避しなかった人は、すでに、少量の被曝をしてしまったけれど、出来れば、今からでも、退避したほうが良いように思います。

 誤解のないように付記しますが、年間10ミリシーベルトの被曝は、ごくわずかなので、ただちに健康被害が出るようなことはなく、さらに、将来にわたっても健康被害が出るとの証拠はありません。年間の被曝量が10ミリシーベルトを下回るようにするべきとの見解は、あくまで、安全を考えての対処です。

 それから、今、5歳の女の子は、20年後には25歳になって、結婚適齢期を迎えます。原発事故の時、福島に住んでいたことが、結婚差別につながらないだろうか。心配です。


 飯舘村には、一か月をメドに退避指示が出ていますが、皆さんどうされているのでしょう。どうせ退避するのならば、子供だけでも、なるべく早く退避させた方が良い。1カ月も待つことないです。


(追記)
 4月6日の放射線量を見ると、福島市立第一小学校で3.4μSv/h、伊達市立保原小学校で2.9μSv/h。福島市立第一小学校の土壌中の放射性セシウムは6550Bq/kg、ヨウ素131は8193q/kg。伊達市立保原小学校の土壌中の放射性セシウムは8286Bq/kg、ヨウ素131は5653Bq/kg。
 これを見ると、放射線量は、そのうち1μSv/h強に減るだろうけれど、その後はなかなか減らないかもしれない。もし、1μSv/h以下に減らないとすると、子供が住むのに適切な町とは言えない。
 福島第一小学校や保原小学校には、児童が通学しているのだろうか。本当に、それで良いのか、親御さんは良く考える必要があります。
 行政が安全と言っているから安全なのだろうとの考えは、この際やめた方が良い。これまで、行政も専門家も、原発は安全だと言い続けてきました。それが、今回の事故。単純に、行政の言うことを信じてはいけない。

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