3.8マイクロシーベルト2011年04月20日

 文部科学省は、福島県内の小中学校の校舎などを通常利用する際の限界放射線量を、1時間当たり3・8マイクロシーベルトに設定すると発表。この値以下の場合は、屋外で通常の運動をすることが可能になります。

 3.8マイクロシーベルト毎時で1日8時間屋外に居ると、それだけで年間11ミリシーベルトの外部被曝になります。残りの時間は屋内に居るものとして、屋内被曝量を屋外の1/2とすると、年間の外部被曝量は22ミリシーベルトになります。

注)いまどきの学校はほとんどが鉄筋コンクリートなので、校舎内に居れば、外部被曝を避けるために、それなりの効果があります。

 さきごろ、原子力安全委員会は、学校再開基準として、年間の被曝量が10ミリシーベルト以下との見解を示しましたが、福島の被曝量は、外部被曝だけでこの2倍。

 屋外で運動すれば、粉塵を吸うこともあるだろうから、放射性セシウムの内部被曝も相当に有るだろう。一般には、外部被曝よりも内部被曝の方が影響は大きいけれど、全く同じと考えると、福島の子は、内部外部被曝合わせて、年間最大44ミリシーベルトの被曝となる。福島産の野菜も食べるだろうから、その影響も考慮すれば、年間50ミリシーベルトを超えるだろう。放射能があまり減らないとすると(放射性セシウムの半減期は30年です)、小学校6年間で、300ミリシーベルト被曝する。大人でも十分に白血病になりうる被曝量です。(一般に、子供の方が、放射線被害が出やすいとされています。)

このように、机上計算すると、恐ろしくなってきます。
福島市・伊達市・郡山市の人は、本当に、3.8マイクロシーベルトで良いのかな。

 もっとも、日本は雨が多いので、汚染物質は雨で流され減少する可能性があり、6年間も、高濃度汚染が継続することは無いのかもしれません。でも、もし、このまま汚染が継続したらどうする!!!

 ところで、政府の災害対策本部は、子どもたちが受ける放射線量をできるだけ低く抑えるための留意事項として、ウガイと手洗いを推奨しています。しないよりも、した方が良いけれど、粉塵は、のどより、鼻につくので、鼻洗いをしないと、あまり効果がありません。また、手よりも髪の毛や衣服に付くことが多いので、外で体育の授業後は、すぐに、入浴、着替えをした方が良い。学校に風呂場を作った方が良いのではないだろうか。

福島・伊達・郡山市の小学校PTAの皆さま。校庭に砂埃が立たないように、児童が校庭を利用する前に、校庭に散水をしたらいかがでしょう。


注)新聞によると「学校の汚染調査から、放射性物質が沈着した砂ぼこりを吸い込むことによる内部被曝の影響は、高い学校でも全体の被曝量の3.5%ほどで、考慮する必要はないと結論付けた(asahi.com 2011年4月20日1時36分)」そうです。校庭の土壌を汚染している放射能が、砂埃と同程度の飛散であるならば、考慮する必要ないのかもしれません。しかし、放射性セシウムは、元々、原発から数十キロも飛んできたものです。砂埃と同程度に飛散するものと考えて良いのだろうか。
 なお、内部被曝の影響は考慮する必要がないほどわずかなものならば、ウガイなどは、特に必要ないはず。政府の説明は、どこか矛盾していて、必ずしも、そのまま信用するわけにはいかないように感じます。

 もし、政府の言う通り、内部被曝の影響を無視してよくても、年間20ミリシーベルト被曝すると6年で120ミリシーベルトになります。大人でも、健康被害が現れる可能性がある被爆量。
 ところで、福島の子供は、政府の基準内の放射能がついた野菜は食べないのでしょうか。内部被曝を無視するならば、基準内でも汚染された食材は食べられない。

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