本の紹介―原発ジプシー2011年05月29日


  原発ジプシー
堀江 邦夫(著) 1979/10発行 (現代書館)
 

   文庫本も出版されたようだが、長い間、どちらも絶版になっていた。
 福島原発事故があって、原発の実態に、世間の関心が高まってきたので、現代書館から単行本が、講談社文庫からは、文庫版が再版された。

原発ジプシー 増補改訂版 ―被曝下請け労働者の記録
原発労働記 (講談社文庫)

   福島原発事故対応では、東電のずさんな労働管理が明らかになっているが、この本は、30年以上前から、原発のずさんな放射線管理の実態を明らかにしている。原発労働は、下請け、孫請け・・・とピラミッド構造になっているが、原発労働では、著者は、自ら、日雇い労務者として、美浜原発、福島原発、敦賀原発の労働に従事した。この本は、そのときのルポルタージュ。特に、福島原発は、今回大事故を起こした福島第一原発2号機での作業である。
 原発は高度科学技術を駆使して作られているとの宣伝とは裏腹に、実際の作業は、日雇い労務者に大量被曝をさせることにより、何とか、維持されている。また、公にされない事故や、労働者災害は、現場でうやむやにする等の、脱法行為がまかり通っているが、著者の明らかな労働災害も、うやむやにしたことが、記されている。

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