本の紹介-アイヌの世界 ― 2011年06月18日

アイヌの世界 (講談社選書メチエ)
考古学的見地から見たアイヌ民族の解説。クマ送り、安倍比羅夫の遠征、オホーツク文化との関係、鷲羽など、いくつかのトピックをもとに、明治以前のアイヌの姿を解明しようとしている。すでに、定説となっていることだけではなく、著者の見解を豊富に示し、アイヌの実像に迫ろうとしている。
同じ著者による、以下の本をともに読むと、より一層、考古学的見地から見たアイヌの歴史が分かるだろう。両書は、ともに、トピックをあげてアイヌの歴史を解説しているので、内容的には、特に重複することはない。
アイヌの歴史 海と宝のノマド (講談社選書メチエ 401)
ただし、両本ともに、考古学的見地から、トピックをあげた記述なので、アイヌの通史を理解するうえでは、分かりづらい印象を受ける。このような場合は、以下の本がわかりやすい。
アイヌ民族の軌跡 (日本史リブレット)