チェルノブイリ・そして福島 ― 2011年06月22日
チェルノブイリ事故後の1990年、IAEA(国際原子力機関)は、国際諮問委員会を設置し、チェルノブイリ事故汚染状況と住民の健康を調査し、汚染地帯の住民には放射能による健康影響は認められないとの報告をした。調査団の団長は、財団法人放射線影響研究所理事長だった重松逸造氏がつとめた。しかし、この時、すでに、小児甲状腺がんの患者が現れており、さらに、その後、患者は激増することになる。日本の放射線研究医師らの報告は、被爆者退避の遅れや被害者救済の遅れに、一定の役割を果たしているようだ。
「福島を含め一般市民の健康への影響はゼロといっていい(東京大学医学部付属病院放射線科の中川恵一准教授)」との発言に代表されるように、福島原発事故では、放射線医療に携わる医師らにより、安全を強調する発言がなされている。このような説明の通りに、福島の子供に被曝の影響は現れないのか。それとも、チェルノブイリの時のように、日本の医師らの見込みは全く外れて、患者が続出するのか。それは、5年後、10年後になってみれば分かることだ。

写真は、チェルノブイリ事故のバッチ。チェルノブイリ事故では、、事故終焉のために、多くの人が動員された。それらの人に、送られた記念品です。勲章・徽章とは異なって、単なるバッチなので、これをもらっても、特典はなかった。このバッチをもらった人の中には、癌・白血病を患う人や、すでに死亡した人も多いようです。