福島 - 100年経って片輪が生まれてくるやら、50後に生まれた子供が全部片輪になるやら。。。 ― 2011年06月09日
福島県同様、原発が多い福井県敦賀市長(当時)高木孝一氏は、「100年経って片輪が生まれてくるやら、50後に生まれた子供が全部片輪になるやら、それはわかりませんよ、わかりませんけど、今の段階では(原発を)おやりになった方がよいのではなかろうか…。」と言っていました。
福島県知事だった木村守江氏は、在職中に積極的に原発を誘致して、最後は、汚職で逮捕されたけれど、福島県の本音も、敦賀市長と同じなのかなー。
2011年6月5日のasahi.comによると、原発事故後、福島市の雑草から1キログラム当たり、ヨウ素が119万ベクレル、セシウムが16万9千ベクレル検出されたそうです。
http://mytown.asahi.com/areanews/fukushima/TKY201106040444.html
しかし、この時、県が公表したのは、セシウムで5000分の1の濃度だった水道の数値だけでした。福島の子供は、外で遊んでいたかもしれない、汚染された自家栽培の野菜を食べたかもしれない。放射性ヨウ素の半減期は8日なので、1カ月もすれば、少なくなるだろう。しかし、セシウムの半減期は30年なので、体に取り込んだら、一生消えないと思った方が良いでしょう。国が定めた野菜の暫定基準では、セシウムは500ベクレル/kg。セシウムは雨で移動することはあっても、無くなりはしないので、今でも、福島市には、大量の放射性セシウムがあるのだろう。16万9千ベクレル/kgの放射性セシウムって、人が住むところにあってはいけない量です。
汚染地域の福島の子は、有る程度、摂取したかもしれない。気の毒です。恐ろしいことです。
「日本人は海藻などからヨウ素をとっているので、放射性ヨウ素を取り込みにくく、健康被害は小さい」などと、大嘘をついていた人もいます。 元、防衛医科大学校教授の西園寺克氏は「日本のようにもともとのヨード摂取が多い国では、ヨード剤の効果は低く、対応しなくても健康被害は心配ない可能性が高いと考えられます」と説明していました。
http://allabout.co.jp/r_health/gc/377930/
原発事故対応にあたっていた東電社員2人が250mSvを越えて被曝していた原因の一つに、ヨウ素剤を正しく服用していなかったことが挙げられています。「日本人は海草を食べているから、放射性ヨウ素の被害はない」など、とんでもないデマだったようです。福島の子供は、ヨウ素剤を服用していた方が良かったはずですが。。。
福島県知事だった木村守江氏は、在職中に積極的に原発を誘致して、最後は、汚職で逮捕されたけれど、福島県の本音も、敦賀市長と同じなのかなー。
2011年6月5日のasahi.comによると、原発事故後、福島市の雑草から1キログラム当たり、ヨウ素が119万ベクレル、セシウムが16万9千ベクレル検出されたそうです。
http://mytown.asahi.com/areanews/fukushima/TKY201106040444.html
しかし、この時、県が公表したのは、セシウムで5000分の1の濃度だった水道の数値だけでした。福島の子供は、外で遊んでいたかもしれない、汚染された自家栽培の野菜を食べたかもしれない。放射性ヨウ素の半減期は8日なので、1カ月もすれば、少なくなるだろう。しかし、セシウムの半減期は30年なので、体に取り込んだら、一生消えないと思った方が良いでしょう。国が定めた野菜の暫定基準では、セシウムは500ベクレル/kg。セシウムは雨で移動することはあっても、無くなりはしないので、今でも、福島市には、大量の放射性セシウムがあるのだろう。16万9千ベクレル/kgの放射性セシウムって、人が住むところにあってはいけない量です。
汚染地域の福島の子は、有る程度、摂取したかもしれない。気の毒です。恐ろしいことです。
「日本人は海藻などからヨウ素をとっているので、放射性ヨウ素を取り込みにくく、健康被害は小さい」などと、大嘘をついていた人もいます。 元、防衛医科大学校教授の西園寺克氏は「日本のようにもともとのヨード摂取が多い国では、ヨード剤の効果は低く、対応しなくても健康被害は心配ない可能性が高いと考えられます」と説明していました。
http://allabout.co.jp/r_health/gc/377930/
原発事故対応にあたっていた東電社員2人が250mSvを越えて被曝していた原因の一つに、ヨウ素剤を正しく服用していなかったことが挙げられています。「日本人は海草を食べているから、放射性ヨウ素の被害はない」など、とんでもないデマだったようです。福島の子供は、ヨウ素剤を服用していた方が良かったはずですが。。。
もんじゅ ― 2011年06月13日
6/11に、福井県敦賀市の「もんじゅ」を見学しました。
最近、「福島」「足尾」「敦賀」と観光旅行に行きましたが、福島は、現在進行中の負の産業遺産。足尾は、かつての負の産業遺産。もんじゅは、将来の負の産業遺産。
もんじゅの見学は、事前に申し込むと、展示館以外にも見学できる場所があります。申し込みは、原則1週間前までで、展示館以外の見学の際には、身分証明書が必要です。
展示館以外では、「ナトリウム実験棟」と「もんじゅ展望台」を見学しましたが、このほかにも、見学可能な施設があります。もんじゅ展望台は、もんじゅ構内の山の中腹にあって、上から見下ろすことが出来ます。ここは、発電所の構内なので、撮影禁止です。
最近、「福島」「足尾」「敦賀」と観光旅行に行きましたが、福島は、現在進行中の負の産業遺産。足尾は、かつての負の産業遺産。もんじゅは、将来の負の産業遺産。
もんじゅの見学は、事前に申し込むと、展示館以外にも見学できる場所があります。申し込みは、原則1週間前までで、展示館以外の見学の際には、身分証明書が必要です。
展示館以外では、「ナトリウム実験棟」と「もんじゅ展望台」を見学しましたが、このほかにも、見学可能な施設があります。もんじゅ展望台は、もんじゅ構内の山の中腹にあって、上から見下ろすことが出来ます。ここは、発電所の構内なので、撮影禁止です。
内部被曝と外部被曝 ― 2011年06月16日
被曝には、外部被曝と内部被曝があって、内部被曝の方が健康被害が大きいと言う人がいます。一方、放射線被曝限度の基準は、シーベルトで定められているため、たとえば、外部被曝100mSvと内部被曝100mSvとでは、国の安全基準上では同じ扱いになります。
内部被曝は摂取した放射性物質の量できまり、外部被曝は受けた放射線の量です。このため、内部被曝の場合は放射性核種ごとのベクレルの値であり、外部被曝の場合は放射線種ごとのグレイの値です。ベクレルやグレイはシーベルトに換算します。グレイとシーベルトは、ほぼ同じですが、ベクレルをシーベルトに換算するためには、核種ごとに異なった値を使います。たとえば、セシウム137は1ベクレル0.013マイクロシーベルト、ヨウ素131は0.022マイクロシーベルト、などが、使われます。
もし、内部被曝と外部被曝の健康被害が異なるのだとしたら、通常使われているベクレル・シーベルトの換算が、正しくないのではないだろうか。通常使われる、セシウム137は1ベクレル0.013マイクロシーベルトなどの換算値は、どのようにして求めたのでしょう。生体への影響は考慮しないで、単に、物理的に求めたのでしょうか、それとも、発癌率等を動物実験でもとめて、生体への影響を正しく反映した値なのでしょうか。
換算値は被曝の基準に使われる重要な値です。もし、この値が、単に物理的に求めたものならば、内部被曝の安全基準など、ほとんど無意味な値ではないかと思います。
どなた様か、ベクレル・シーベルトの換算は、具体的に、どの数値を使って、どのようにして求めたものなのか、ご存知でしたら教えてください。
と、書いても、誰も教えてくれないだろうから、自分で考えてみました。健康被害を判断するには、妥当とは言えない方法、すなわち、単に物理的に求めました。
Cs137について、以下の事実が知られている。
Cs137は、半減期30年、0.512Mevでβ崩壊して、Ba137mになる。また、Ba137mは、半減期2.6分、0.662Mevでγ崩壊して、安定なBa137になる。
生体がCsを取り込むと、代射により減少するので、Cs137の生体内での半減期は70日~120日程度とされている。
ここで、いくつかの条件を置いて、1BqのCs137がどれくらいの線量に相当するのか、計算する。
1BqのCs137の崩壊エネルギーを0.512Mevとし、Ba137mのγ崩壊を無視する。また、Cs137の吸収率を100%、生体内での半減期を90日(7.8E6sec)とする。人間の体重を70kgとし、Cs137は生体に均一に分布するものとする。この条件で、1BqのCs137を摂取した時の被曝線量を計算する。
①1BqのCs137の崩壊エネルギー 0.512Mev/s=8.2E-14J/s
②生体内でのCs137のエネルギーを I(t) とすると、
I(t)=I0×exp(-t/α)
(ただし、α=半減期÷log2、I0は初期エネルギー)
となるので、生体が受けるエネルギーの積算は次式となる。
E=∫I(t)dt=I0×α=8.2E-14×7.8E6÷log2=9.2E-7 J
(人が生きる時間は90日よりも十分に長いとした。)
③体重1kg当たりのエネルギーは次式となる
9.2E-7÷70=1.3E-8 Sv=0.013μSv
以上より、1BqのCs137の内部被曝は、0.013μSv となる。
上記計算では、『Ba137mのγ崩壊を無視、Cs137の吸収率を100%』と現実離れした条件を仮定した。『Ba137mのγ崩壊を100%取り入れ、Cs137の吸収率を43%』としても、0.013μSv となる。さらに、『Ba137mのγ崩壊を77%取り入れ、Cs137の吸収率を50%』としても、0.013μSv となる。
『吸収率33%、Csのβ崩壊・Baのγ崩壊を100%考慮し、かつ、生体内の半減期を110日、体重を65kg』とすると、同じく、0.013μSv となる。
追記:
このように計算すると、1BqのCs137の内部被曝を、0.013μSv とする換算は、正当のような気がするでしょう。しかし、良く考えてみると、おかしな仮定をして、内部被曝の影響が小さくなるようにしています。セシウムはいろいろな臓器や筋肉など、広く沈着するので、「Cs137は生体に均一に分布する」との仮定は、正当なものです。しかし、均一に分布すると言うのは、あくまでも生体をマクロに見た場合で、細胞レベルで見た場合は、局在化しているかもしれない。セシウムと同じアルカリ金属のナトリウムは、主に細胞外にたまるのに対して、カリウムは主に細胞内にたまります。セシウムだって、ミクロで見た場合に、生体に均一に分布することはないでしょう。もし、局在化しているならば、その部分だけ、より大きな被曝をするので、癌の発生率は上昇します。
それから、放射線被ばくによる発癌率データは、広島・長崎の原爆被曝の調査に基づいています。これらは、外部被曝が中心だったため、β線の被曝は皮膚付近の限られています。皮膚に被曝した場合と、臓器に被曝した場合の健康被害を、同じ尺度で測ってよいとはちょっと考えにくいことです。
と、言うことで、私が考えた手法は、健康被害を算定するには、あまりにもズサンです。いくらなんでも、こんなズサンな推定で、安全基準を作っているとは思いたくありません。本当は、どのようにして、ベクレルとシーベルトの換算値を算出したのでしょう。
原発の安全解析は、ボーっとして説明を聞くと、もっともらしいのだけれど、解析モデルや解析に用いた諸量を詳しく検討すると、本当にそれで良いのか疑問なことが多々あります。明白に間違いであるとは言えないのですが。ベクレル・シーベルト換算も同様だったら、嫌ですね。
いろいろな放射性核種に対する、ベクレル-シーベルトの換算は以下に記載されています。
http://www.remnet.jp/lecture/b05_01/4_1.html
内部被曝は摂取した放射性物質の量できまり、外部被曝は受けた放射線の量です。このため、内部被曝の場合は放射性核種ごとのベクレルの値であり、外部被曝の場合は放射線種ごとのグレイの値です。ベクレルやグレイはシーベルトに換算します。グレイとシーベルトは、ほぼ同じですが、ベクレルをシーベルトに換算するためには、核種ごとに異なった値を使います。たとえば、セシウム137は1ベクレル0.013マイクロシーベルト、ヨウ素131は0.022マイクロシーベルト、などが、使われます。
もし、内部被曝と外部被曝の健康被害が異なるのだとしたら、通常使われているベクレル・シーベルトの換算が、正しくないのではないだろうか。通常使われる、セシウム137は1ベクレル0.013マイクロシーベルトなどの換算値は、どのようにして求めたのでしょう。生体への影響は考慮しないで、単に、物理的に求めたのでしょうか、それとも、発癌率等を動物実験でもとめて、生体への影響を正しく反映した値なのでしょうか。
換算値は被曝の基準に使われる重要な値です。もし、この値が、単に物理的に求めたものならば、内部被曝の安全基準など、ほとんど無意味な値ではないかと思います。
どなた様か、ベクレル・シーベルトの換算は、具体的に、どの数値を使って、どのようにして求めたものなのか、ご存知でしたら教えてください。
と、書いても、誰も教えてくれないだろうから、自分で考えてみました。健康被害を判断するには、妥当とは言えない方法、すなわち、単に物理的に求めました。
Cs137について、以下の事実が知られている。
Cs137は、半減期30年、0.512Mevでβ崩壊して、Ba137mになる。また、Ba137mは、半減期2.6分、0.662Mevでγ崩壊して、安定なBa137になる。
生体がCsを取り込むと、代射により減少するので、Cs137の生体内での半減期は70日~120日程度とされている。
ここで、いくつかの条件を置いて、1BqのCs137がどれくらいの線量に相当するのか、計算する。
1BqのCs137の崩壊エネルギーを0.512Mevとし、Ba137mのγ崩壊を無視する。また、Cs137の吸収率を100%、生体内での半減期を90日(7.8E6sec)とする。人間の体重を70kgとし、Cs137は生体に均一に分布するものとする。この条件で、1BqのCs137を摂取した時の被曝線量を計算する。
①1BqのCs137の崩壊エネルギー 0.512Mev/s=8.2E-14J/s
②生体内でのCs137のエネルギーを I(t) とすると、
I(t)=I0×exp(-t/α)
(ただし、α=半減期÷log2、I0は初期エネルギー)
となるので、生体が受けるエネルギーの積算は次式となる。
E=∫I(t)dt=I0×α=8.2E-14×7.8E6÷log2=9.2E-7 J
(人が生きる時間は90日よりも十分に長いとした。)
③体重1kg当たりのエネルギーは次式となる
9.2E-7÷70=1.3E-8 Sv=0.013μSv
以上より、1BqのCs137の内部被曝は、0.013μSv となる。
上記計算では、『Ba137mのγ崩壊を無視、Cs137の吸収率を100%』と現実離れした条件を仮定した。『Ba137mのγ崩壊を100%取り入れ、Cs137の吸収率を43%』としても、0.013μSv となる。さらに、『Ba137mのγ崩壊を77%取り入れ、Cs137の吸収率を50%』としても、0.013μSv となる。
『吸収率33%、Csのβ崩壊・Baのγ崩壊を100%考慮し、かつ、生体内の半減期を110日、体重を65kg』とすると、同じく、0.013μSv となる。
追記:
このように計算すると、1BqのCs137の内部被曝を、0.013μSv とする換算は、正当のような気がするでしょう。しかし、良く考えてみると、おかしな仮定をして、内部被曝の影響が小さくなるようにしています。セシウムはいろいろな臓器や筋肉など、広く沈着するので、「Cs137は生体に均一に分布する」との仮定は、正当なものです。しかし、均一に分布すると言うのは、あくまでも生体をマクロに見た場合で、細胞レベルで見た場合は、局在化しているかもしれない。セシウムと同じアルカリ金属のナトリウムは、主に細胞外にたまるのに対して、カリウムは主に細胞内にたまります。セシウムだって、ミクロで見た場合に、生体に均一に分布することはないでしょう。もし、局在化しているならば、その部分だけ、より大きな被曝をするので、癌の発生率は上昇します。
それから、放射線被ばくによる発癌率データは、広島・長崎の原爆被曝の調査に基づいています。これらは、外部被曝が中心だったため、β線の被曝は皮膚付近の限られています。皮膚に被曝した場合と、臓器に被曝した場合の健康被害を、同じ尺度で測ってよいとはちょっと考えにくいことです。
と、言うことで、私が考えた手法は、健康被害を算定するには、あまりにもズサンです。いくらなんでも、こんなズサンな推定で、安全基準を作っているとは思いたくありません。本当は、どのようにして、ベクレルとシーベルトの換算値を算出したのでしょう。
原発の安全解析は、ボーっとして説明を聞くと、もっともらしいのだけれど、解析モデルや解析に用いた諸量を詳しく検討すると、本当にそれで良いのか疑問なことが多々あります。明白に間違いであるとは言えないのですが。ベクレル・シーベルト換算も同様だったら、嫌ですね。
いろいろな放射性核種に対する、ベクレル-シーベルトの換算は以下に記載されています。
http://www.remnet.jp/lecture/b05_01/4_1.html
本の紹介-アイヌの世界 ― 2011年06月18日

アイヌの世界 (講談社選書メチエ)
考古学的見地から見たアイヌ民族の解説。クマ送り、安倍比羅夫の遠征、オホーツク文化との関係、鷲羽など、いくつかのトピックをもとに、明治以前のアイヌの姿を解明しようとしている。すでに、定説となっていることだけではなく、著者の見解を豊富に示し、アイヌの実像に迫ろうとしている。
同じ著者による、以下の本をともに読むと、より一層、考古学的見地から見たアイヌの歴史が分かるだろう。両書は、ともに、トピックをあげてアイヌの歴史を解説しているので、内容的には、特に重複することはない。
アイヌの歴史 海と宝のノマド (講談社選書メチエ 401)
ただし、両本ともに、考古学的見地から、トピックをあげた記述なので、アイヌの通史を理解するうえでは、分かりづらい印象を受ける。このような場合は、以下の本がわかりやすい。
アイヌ民族の軌跡 (日本史リブレット)
本の紹介-原発崩壊 増補版-想定されていた福島原発事故 ― 2011年06月19日

これまで、専門の学者などから、原発の危険性が、各方面で指摘されながら、それらは無視されてきた。どのような危険性が指摘されていたか、どのようにして無視されてきたか。
この本を読むと、これまでの、原発安全審査の問題点が理解できる。
原発の安全性を考える上で、読むべき価値のある本です。
原発崩壊 増補版-想定されていた福島原発事故
明石昇二郎/著 金曜日 2011/4/25
福島原発事故以降、原発の危険性を啓蒙する図書の増補改訂版の出版が相次いでいる。この本もそのひとつ。 「第1章 想定内の津波被害と放射能来襲」「原発輸出 これだけのリスク」の2つの章と、「増補版のための前書き、後書き」が追加されている。
今回の原発事故は『想定外』だったとの見解があるが、専門家が、なぜ想定しなかったのか。本書はこの点について詳しい。東工大教授で環境工学、特に地震と活断層が専門の衣笠善博教授が、地震被害を過小評価し、原発の安全性を著しく損ねてきた点を、厳しく批判している。原発の危険性が見逃され、強引に原発建設が推し進められてきた経緯を知る上で、本書は参考になるだろう。
本書は、特に衣笠氏を批判しているが、原発の安全審査は衣笠教授一人が決定したわけではなく、多くの専門家がかかわって、故意か無知かは知らないけれど、結果的に原発の安全審査をないがしろにしていた。
福島原発事故以降、専門家諸氏により、現在の放射能汚染は健康に影響ないとの言説がまことしやかに語られている。このような言説を、鵜呑みにする前に、専門家諸氏は、原発事故以前に何をしてきた人であるのか、そういうことを考える必要があるだろう。
本書は、ルポライターが書いたものであり、原発の専門知識を必要とせずに、容易に、読み進むことができる。
内部被曝と外部被曝 -単純に線量比較で良いのか ― 2011年06月20日
今日(2011.6.20)の朝日新聞に『イラクの村、放射能汚染の影 8年経てがん相次ぐ』との記事がある。
「イラク戦争による混乱の中、近くの核施設から村民が放射性物質が入った容器を持ち出して貯水タンクなどとして使った」ことが原因で、ガン患者が相次いでいるとの趣旨である。
http://www.asahi.com/international/update/0619/TKY201106190405.html
核施設にあった放射性物質が入った容器に入っていたものは、ウラン化合物、いわゆるイエローケーキだろう。容器を十分洗浄しなかったため、ウランの一部を経口摂取した可能性が高い。では、どれくらいのウランを経口摂取すると、健康被害が現れるのだろうか。
放射性物質の質量をベクレルに変換することは、物理法則を使えば、容易である。次式となる。
1gの放射能(単位ベクレル)=アボガドロ数÷質量数÷半減期(単位は秒)÷ln2
この式を使って計算すると、
1gのウラン238は12400ベクレル
1gのウラン235は80400ベクレル
ベクレルをシーベルトに変換するためには、物理だけでは無理で、ICRPの実効放射線係数が使用される。この数値は、公益法人原子力安全研究協会のページに公開されている。
http://www.remnet.jp/lecture/b05_01/4_1.html
ウラン238、235を経口摂取した場合の実効放射線係数は、それぞれ、4.5E-8,4.7E-8となっている。
これらの値を使って、1gのウランを経口摂取した場合の被曝量は何シーベルトになるのかを計算する。原発の燃料はウラン235が0.7~5%程度なので、ここでは、ウラン235が3%、238が97%とする。
12400×4.5E-8×0.97 + 80400×4.7E-8×0.03 = 6.55E-4 (Sv)
すなわち、1gの燃料ウランを経口摂取した場合の被曝量は0.655ミリシーベルトとなる。今回、福島原発事故では、原発労働者の被曝基準が250ミリシーベルトと定められている。この程度の被曝では、健康被害がないとの説明がなされる。250ミリシーベルト被曝するためには、燃料ウランをどれだけ摂取するのか計算してみよう。
250÷0.655=381(g)
驚くことに、燃料ウランを381グラム経口摂取すると、250ミリシーベルト被曝に相当することになる。つまり、公益法人原子力安全研究協会のページに公開されている『実効放射線係数』を正しいものと信用するならば、燃料ウランを381グラム経口摂取しても、放射能による健康被害は起こらないと言うことである。
再び、朝日新聞の記事に戻ろう。容器を十分に洗わなかったとしても、一人当たり、燃料ウランを381グラムを経口摂取するなどあり得ないことだ。
質量をベクレルに換算することは、単に物理法則なので、疑問の余地はない。ICRPの実効放射線係数を正しいものと考えると、250ミリシーベルト被曝は燃料ウラン381グラムを経口摂取することと同等であるが、こんな多量のウランを経口摂取するなど、有り得ないだろう。
朝日新聞の伝える「イラクの健康被害」は虚偽であると考えるべきか、ICRPの実効放射線係数は、健康被害には当てはまらないと考えるべきか。なお、ICRPの実効放射線係数は、現在、食品や水道水の残留放射能安全基準に、使われています。
「イラク戦争による混乱の中、近くの核施設から村民が放射性物質が入った容器を持ち出して貯水タンクなどとして使った」ことが原因で、ガン患者が相次いでいるとの趣旨である。
http://www.asahi.com/international/update/0619/TKY201106190405.html
核施設にあった放射性物質が入った容器に入っていたものは、ウラン化合物、いわゆるイエローケーキだろう。容器を十分洗浄しなかったため、ウランの一部を経口摂取した可能性が高い。では、どれくらいのウランを経口摂取すると、健康被害が現れるのだろうか。
放射性物質の質量をベクレルに変換することは、物理法則を使えば、容易である。次式となる。
1gの放射能(単位ベクレル)=アボガドロ数÷質量数÷半減期(単位は秒)÷ln2
この式を使って計算すると、
1gのウラン238は12400ベクレル
1gのウラン235は80400ベクレル
ベクレルをシーベルトに変換するためには、物理だけでは無理で、ICRPの実効放射線係数が使用される。この数値は、公益法人原子力安全研究協会のページに公開されている。
http://www.remnet.jp/lecture/b05_01/4_1.html
ウラン238、235を経口摂取した場合の実効放射線係数は、それぞれ、4.5E-8,4.7E-8となっている。
これらの値を使って、1gのウランを経口摂取した場合の被曝量は何シーベルトになるのかを計算する。原発の燃料はウラン235が0.7~5%程度なので、ここでは、ウラン235が3%、238が97%とする。
12400×4.5E-8×0.97 + 80400×4.7E-8×0.03 = 6.55E-4 (Sv)
すなわち、1gの燃料ウランを経口摂取した場合の被曝量は0.655ミリシーベルトとなる。今回、福島原発事故では、原発労働者の被曝基準が250ミリシーベルトと定められている。この程度の被曝では、健康被害がないとの説明がなされる。250ミリシーベルト被曝するためには、燃料ウランをどれだけ摂取するのか計算してみよう。
250÷0.655=381(g)
驚くことに、燃料ウランを381グラム経口摂取すると、250ミリシーベルト被曝に相当することになる。つまり、公益法人原子力安全研究協会のページに公開されている『実効放射線係数』を正しいものと信用するならば、燃料ウランを381グラム経口摂取しても、放射能による健康被害は起こらないと言うことである。
再び、朝日新聞の記事に戻ろう。容器を十分に洗わなかったとしても、一人当たり、燃料ウランを381グラムを経口摂取するなどあり得ないことだ。
質量をベクレルに換算することは、単に物理法則なので、疑問の余地はない。ICRPの実効放射線係数を正しいものと考えると、250ミリシーベルト被曝は燃料ウラン381グラムを経口摂取することと同等であるが、こんな多量のウランを経口摂取するなど、有り得ないだろう。
朝日新聞の伝える「イラクの健康被害」は虚偽であると考えるべきか、ICRPの実効放射線係数は、健康被害には当てはまらないと考えるべきか。なお、ICRPの実効放射線係数は、現在、食品や水道水の残留放射能安全基準に、使われています。
放射能汚染 暫定基準と安全基準 ― 2011年06月21日
福島原発事故以降、政府は、飲料水や食物の残留放射能について、暫定基準を定めています。暫定基準を安全基準であるかのように誤解している人が多いようですが、暫定基準はあくまで暫定基準です。
原発事故時に放射能が放出されるのは、ある程度仕方ないので、このような場合、ある程度の健康被害のリスクを住民は負わなくてはなりません。水道水が微妙に汚染されているからと言って、飲まなければ脱水症で死んでしまいますし、汚染地から脱出するためにはある程度の被曝は避けられません。このため、事故時の暫定基準は、平常時の基準とは別に定められます。
日本政府が定めている平常時の水道水放射能基準はどれだけなのでしょう。放射性セシウムや放射性ヨウ素などは原爆実験か原発事故以外には、環境に存在しないものなので、日本では、これら核種の基準は定められていませんでした。しかし、ウランは天然に存在するので、ウランに対する水道水の基準が定められています。
厚生労働省、平成15年の水道水基準では、ウランの量に関して、0.002mg/L以下(暫定)が「水質管理目標設定項目と目標値」に定められています。
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/suido/kijun/kijunchi.html
この値は、0.026ベクレル/Lに相当します。
同じ、シーベルトの値に換算すると、セシウム137では、0.1ベクレル/Lになります。
水道水の放射能基準は、アメリカでは0.111ベクレル/Lなので、原発事故以前、日本のウランの水道水基準は、アメリカと同等です。
なお、厚生労働省によると、『ラットの実験では、最小有害影響量(LOAEL)は硝酸ウラニル六水和物で0.96mg/Lとみなされた』と書かれています。
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/suido/kijun/dl/moku02.pdf
硝酸ウラニル六水和物で0.96mg/Lはウラン0.47mg/Lに相当するので、6.1ベクレル/Lになります。
福島原発事故以降に定められた、水道水の暫定基準は、ウラン20ベクレル/L、セシウム200ベクレル/Lと、数百倍以上の高い値に設定されています。
以上、計算間違いをがあるかもしれません。もし、そうなら、ご指摘ください。なお、ウラン238が99.3%、235が0.7%として計算しました。
原発事故時に放射能が放出されるのは、ある程度仕方ないので、このような場合、ある程度の健康被害のリスクを住民は負わなくてはなりません。水道水が微妙に汚染されているからと言って、飲まなければ脱水症で死んでしまいますし、汚染地から脱出するためにはある程度の被曝は避けられません。このため、事故時の暫定基準は、平常時の基準とは別に定められます。
日本政府が定めている平常時の水道水放射能基準はどれだけなのでしょう。放射性セシウムや放射性ヨウ素などは原爆実験か原発事故以外には、環境に存在しないものなので、日本では、これら核種の基準は定められていませんでした。しかし、ウランは天然に存在するので、ウランに対する水道水の基準が定められています。
厚生労働省、平成15年の水道水基準では、ウランの量に関して、0.002mg/L以下(暫定)が「水質管理目標設定項目と目標値」に定められています。
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/suido/kijun/kijunchi.html
この値は、0.026ベクレル/Lに相当します。
同じ、シーベルトの値に換算すると、セシウム137では、0.1ベクレル/Lになります。
水道水の放射能基準は、アメリカでは0.111ベクレル/Lなので、原発事故以前、日本のウランの水道水基準は、アメリカと同等です。
なお、厚生労働省によると、『ラットの実験では、最小有害影響量(LOAEL)は硝酸ウラニル六水和物で0.96mg/Lとみなされた』と書かれています。
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/suido/kijun/dl/moku02.pdf
硝酸ウラニル六水和物で0.96mg/Lはウラン0.47mg/Lに相当するので、6.1ベクレル/Lになります。
福島原発事故以降に定められた、水道水の暫定基準は、ウラン20ベクレル/L、セシウム200ベクレル/Lと、数百倍以上の高い値に設定されています。
以上、計算間違いをがあるかもしれません。もし、そうなら、ご指摘ください。なお、ウラン238が99.3%、235が0.7%として計算しました。
チェルノブイリ・そして福島 ― 2011年06月22日
チェルノブイリ事故後の1990年、IAEA(国際原子力機関)は、国際諮問委員会を設置し、チェルノブイリ事故汚染状況と住民の健康を調査し、汚染地帯の住民には放射能による健康影響は認められないとの報告をした。調査団の団長は、財団法人放射線影響研究所理事長だった重松逸造氏がつとめた。しかし、この時、すでに、小児甲状腺がんの患者が現れており、さらに、その後、患者は激増することになる。日本の放射線研究医師らの報告は、被爆者退避の遅れや被害者救済の遅れに、一定の役割を果たしているようだ。
「福島を含め一般市民の健康への影響はゼロといっていい(東京大学医学部付属病院放射線科の中川恵一准教授)」との発言に代表されるように、福島原発事故では、放射線医療に携わる医師らにより、安全を強調する発言がなされている。このような説明の通りに、福島の子供に被曝の影響は現れないのか。それとも、チェルノブイリの時のように、日本の医師らの見込みは全く外れて、患者が続出するのか。それは、5年後、10年後になってみれば分かることだ。

写真は、チェルノブイリ事故のバッチ。チェルノブイリ事故では、、事故終焉のために、多くの人が動員された。それらの人に、送られた記念品です。勲章・徽章とは異なって、単なるバッチなので、これをもらっても、特典はなかった。このバッチをもらった人の中には、癌・白血病を患う人や、すでに死亡した人も多いようです。
静岡茶は飲みたくない ― 2011年06月23日
環境省は海水浴場の放射性セシウムの基準を「水1リットル当たり50ベクレル以下」とする方針を固めた、との記事があります。
http://www.asahi.com/national/update/0623/TKY201106220754.html
水を1日に1リットルのみ込み、皮膚を通して体内に入ったとしても、夏の2カ月間の被曝量は0.1ミリシーベルト以下になる量だとのことです。海水浴は、生活必需行為ではなく、レジャーなので、なるべく不要な被爆は避けた方が良いとの判断でしょう。
静岡茶では、高濃度放射能汚染が、見つかっています。静岡県のずさん検査をすり抜けた放射能汚染茶が、民間食品宅配業者や、輸出先のフランスで見つかったものです。いずれも、500Bq/kgの暫定基準さえも超える、とんでもない高濃度汚染茶でした。
ところが、静岡県は、飲茶にすれば10ベクレル程度で安全であると、食品販売者としては信じがたい発言をしています。
確かに、国の水道水暫定基準では、200Bq/Lなので、飲茶にすれば暫定基準値は下回っています。しかし、200Bbq/Lは安全基準ではなくて、暫定基準です。原発事故の緊急事態が起こったので、水道水の汚染は避けられませんでした。だからと言って、水道水を飲まなければ、脱水症で死ぬ恐れがあります。そこで、健康被害の確率が低く、それほど心配ではなく、かつ、水道水の供給が可能な値として、200Bq/Lが定められました。
お茶は、飲まなくても、普通の人は健康被害は起こらないでしょう。なにも、汚染を覚悟してまで、飲む必要があるとは思えません。そういう意味では、飲茶による年間被爆量は海水浴で被曝する限度程度の0.1ミリシーベルト以下に抑えるべきです。もし、1日2リットルお茶を飲む人は、10Bq/L汚染されていると、年間0.1mSvになります。普通に考えたら、安全を見て、1/2の5Bq/Lを越えたお茶は避けたいところです。
チェルノブイリでは、汚染肉を安全な肉と混ぜて、見かけ上、放射能濃度を下げて販売したそうです。これが、放射能被害を拡大した要因の一つになっているかもしれない。静岡茶は、高濃度に汚染された荒茶と、汚染されていない荒茶を混ぜて、基準以下の製茶を作り、安全を装って販売されてはいないだろうか。当初、静岡県知事は荒茶の検査に反対していましたが、荒茶の検査がなければ、このような手法も可能になります。
ところで、ドイツの水道水の放射能の基準は0.5Bq/L、米国の基準は0.111Bq/Lだそうです(あやふやです、間違いかもしれない)。
お茶は、嗜好品なのだから、内部被曝覚悟で無理に飲む必要はないはずです。飲茶で0.5Bq/Lを越えた汚染があるならば、私は、飲みたくないです。
皆さまは、いかがですか。放射性セシウムが好きな人は、多少の汚染ならば、飲んでも構わないと思います。
http://www.asahi.com/national/update/0623/TKY201106220754.html
水を1日に1リットルのみ込み、皮膚を通して体内に入ったとしても、夏の2カ月間の被曝量は0.1ミリシーベルト以下になる量だとのことです。海水浴は、生活必需行為ではなく、レジャーなので、なるべく不要な被爆は避けた方が良いとの判断でしょう。
静岡茶では、高濃度放射能汚染が、見つかっています。静岡県のずさん検査をすり抜けた放射能汚染茶が、民間食品宅配業者や、輸出先のフランスで見つかったものです。いずれも、500Bq/kgの暫定基準さえも超える、とんでもない高濃度汚染茶でした。
ところが、静岡県は、飲茶にすれば10ベクレル程度で安全であると、食品販売者としては信じがたい発言をしています。
確かに、国の水道水暫定基準では、200Bq/Lなので、飲茶にすれば暫定基準値は下回っています。しかし、200Bbq/Lは安全基準ではなくて、暫定基準です。原発事故の緊急事態が起こったので、水道水の汚染は避けられませんでした。だからと言って、水道水を飲まなければ、脱水症で死ぬ恐れがあります。そこで、健康被害の確率が低く、それほど心配ではなく、かつ、水道水の供給が可能な値として、200Bq/Lが定められました。
お茶は、飲まなくても、普通の人は健康被害は起こらないでしょう。なにも、汚染を覚悟してまで、飲む必要があるとは思えません。そういう意味では、飲茶による年間被爆量は海水浴で被曝する限度程度の0.1ミリシーベルト以下に抑えるべきです。もし、1日2リットルお茶を飲む人は、10Bq/L汚染されていると、年間0.1mSvになります。普通に考えたら、安全を見て、1/2の5Bq/Lを越えたお茶は避けたいところです。
チェルノブイリでは、汚染肉を安全な肉と混ぜて、見かけ上、放射能濃度を下げて販売したそうです。これが、放射能被害を拡大した要因の一つになっているかもしれない。静岡茶は、高濃度に汚染された荒茶と、汚染されていない荒茶を混ぜて、基準以下の製茶を作り、安全を装って販売されてはいないだろうか。当初、静岡県知事は荒茶の検査に反対していましたが、荒茶の検査がなければ、このような手法も可能になります。
ところで、ドイツの水道水の放射能の基準は0.5Bq/L、米国の基準は0.111Bq/Lだそうです(あやふやです、間違いかもしれない)。
お茶は、嗜好品なのだから、内部被曝覚悟で無理に飲む必要はないはずです。飲茶で0.5Bq/Lを越えた汚染があるならば、私は、飲みたくないです。
皆さまは、いかがですか。放射性セシウムが好きな人は、多少の汚染ならば、飲んでも構わないと思います。
内部被曝 ― 2011年06月24日
内部被曝の人体への影響を計算するときは、ICRPの実効放射線係数が使用される。セシウム137を1ベクレル摂取すると、0.013μSvに相当するとして計算する。この値はどのようにして求めたのだろう。本Blogの以下の記事、『内部被曝と外部被曝 -単純に線量比較で良いのか』では、いい加減な方法で、0.013μSvを算出した。
http://cccpcamera.asablo.jp/blog/2011/06/16/5916124
いくらなんでも、こんなズサンナ方法で、健康被害を見積もっているなどと、考えたくはなかった。
琉球大学の矢ヶ崎克馬先生は、内部被曝の影響を懸念している一人であるが、彼の論文では、ICRPが出した実効放射線係数はどのようにして求められたものであるかを説明し、「この方法は内部被曝を科学的に評価できるものでは無く、恐ろしく過小評価するもの」と、ICRPの実効放射線係数を使うことに対して、警告している。
http://www.cadu-jp.org/data/yagasaki-file01.pdf
この論文によると、ICRPがもとめた実効放射線係数は、私がズサンナ計算で求めた手法と同じだ。
放射能の影響知ろうとしても、研究が不十分なときは、ザックリと求めた値で、健康被害を推定する以外に方法はないので、ズサンナ計算で求めた値を使うこと自体は、ある程度仕方がない面がある。しかし、このような数値を、健康被害が起こらない基準の値として使われてしまったら、たまったものではない。詳しいことが分からないときは、ザックリ求めた値に、安全係数をかける必要がある。1/10~1/100か、それ以下を基準とすべきだろう。ヨーロッパの市民団体である欧州放射線リスク委員会では、低線量の内部被曝についてのICRPのリスク評価モデルでは100倍から1000倍の規模でリスクを過小評価していると説明している。
http://www.jca.apc.org/mihama/ecrr/ecrr2003_dl.htm
やはり、ICRPの実効放射線係数を使って求めた放射能の基準は、1/100~1/1000にして、使用すべきなのだろう。
政府は、飲料水のセシウム137の暫定基準を200Bq/Lに定めているが、こんなに大きな値では、とても安心できない。特に、子供の飲料水は、最悪でも2Bq/L以下にしたいものだ。
日本の食品は500Bq/kgの汚染でも、出荷して消費者が食べることになっているが、こんなに汚染されたものは食べたくない。当分の間、福島産・茨城産・千葉産・栃木産などの野菜は、なるべく買わないようにしている。
http://cccpcamera.asablo.jp/blog/2011/06/16/5916124
いくらなんでも、こんなズサンナ方法で、健康被害を見積もっているなどと、考えたくはなかった。
琉球大学の矢ヶ崎克馬先生は、内部被曝の影響を懸念している一人であるが、彼の論文では、ICRPが出した実効放射線係数はどのようにして求められたものであるかを説明し、「この方法は内部被曝を科学的に評価できるものでは無く、恐ろしく過小評価するもの」と、ICRPの実効放射線係数を使うことに対して、警告している。
http://www.cadu-jp.org/data/yagasaki-file01.pdf
この論文によると、ICRPがもとめた実効放射線係数は、私がズサンナ計算で求めた手法と同じだ。
放射能の影響知ろうとしても、研究が不十分なときは、ザックリと求めた値で、健康被害を推定する以外に方法はないので、ズサンナ計算で求めた値を使うこと自体は、ある程度仕方がない面がある。しかし、このような数値を、健康被害が起こらない基準の値として使われてしまったら、たまったものではない。詳しいことが分からないときは、ザックリ求めた値に、安全係数をかける必要がある。1/10~1/100か、それ以下を基準とすべきだろう。ヨーロッパの市民団体である欧州放射線リスク委員会では、低線量の内部被曝についてのICRPのリスク評価モデルでは100倍から1000倍の規模でリスクを過小評価していると説明している。
http://www.jca.apc.org/mihama/ecrr/ecrr2003_dl.htm
やはり、ICRPの実効放射線係数を使って求めた放射能の基準は、1/100~1/1000にして、使用すべきなのだろう。
政府は、飲料水のセシウム137の暫定基準を200Bq/Lに定めているが、こんなに大きな値では、とても安心できない。特に、子供の飲料水は、最悪でも2Bq/L以下にしたいものだ。
日本の食品は500Bq/kgの汚染でも、出荷して消費者が食べることになっているが、こんなに汚染されたものは食べたくない。当分の間、福島産・茨城産・千葉産・栃木産などの野菜は、なるべく買わないようにしている。