本の紹介-隠される原子力・核の真実 ― 2011年09月27日
隠される原子力・核の真実―原子力の専門家が原発に反対するわけ 小出裕章/著 創史社 (2011/01)
福島原発事故以前、多くの人は、日本の原発は絶対安全だと思いこまされていたのではないだろうか。原子力安全委員の鈴木篤之先生や斑目春樹先生を始めとする有識者が安全性を確認しているのだから、絶対安全に違いないと思っていた人もあるだろう。
この本は、以前から原発の危険性を指摘していた京都大学の小出助教による、原発の欺瞞を指摘する啓蒙書。福島原発事故前に出版されているが、原発事故以降再版されている。一般大衆を対象にした本であり、内容は平易。原発の危険性を指摘するだけではなく、原発が経済的でもなく、地球温暖化に役立つわけでもない等、幅広く原発の問題点を指摘している。
ある程度、原発に対する知識がある者にとって、本書の内容の多くは、既存の知識であり、特に目新しい内容が書かれているようには思えない。逆に言うと、この程度のことも知らないで、被災地域の人たちは、原発を推進派の政治家に投票してきたのだろうか。それとも、危険性をある程度認識しながら、目先の補助金欲しさに、子孫の健康を売り飛ばそうとしていたのだろうか。
アメリカではTMIでメルトダウン事故が起きた。ソ連ではチェルノブイリで大きな事故が起きた。この時は、順番からして、次は日本だろうと思っていたので、福島原発事故は特に驚きではない。ついでに言うと、この次は順番からしてフランスだろう。人為ミスや地震・津波が原因ではなく、想定外の事態が起こるに違いない。
福島原発事故が起こった時「起こるべくして起こった」と思いましたか。それとも「信じられない」と思いましたか。もし、「信じられない」と思ったひとは、一度、本書を読んでみてください。この本は、原発事故前に書かれたもので、原発の欺瞞性は、すでに公知の事実だったのです。