本の紹介-樺太(サハリン)・シベリアに生きる 戦後60年の証言2012年01月24日


樺太(サハリン)・シベリアに生きる 戦後60年の証言 小川よう一/編著 社会評論社(2005.8.15)

本書の内容は、サハリン残留日本人とシベリア残留日本人の話。

 敗戦後、サハリンの日本人の多くは帰国したが、一部の人はそのままサハリンに残留した。第1章では、サハリン残留日本人数名の座談会。どのような理由で残留したのか、あるいは、残留後の苦労話など、個人的な事情が語られている。個人的な話なので、サハリン残留問題の全体像は分からない。
 第2章では、残留日本人に日本政府の援助が遅れた状況を説明している。日本政府は、残留が個人の自由意思であるとの理由で、援助をしてこなかった。民間団体が、帰国援助をするようになったのは、1989年からで、政府の委託事業となるのは1999年以降だった。
 第3章、第4章はシベリア残留日本人の話。第3章は、第1章同様に、残留日本人の座談会で、シベリアに残留することになった、個人的事情が詳細に示されている。第4章は第2章同様の説明。
 日本もソ連も悪い意味で官僚主義の国だから、苦しんでいる人がいて、容易に助けられるはずでも、救済制度が無ければ、何もしない。一般の国民も他人のことは知らない、マスコミも話題になる内容でなければ興味を示さない。そういうことの連続で、救済が遅れた。

コメント

_ 遠藤 英二 ― 2012年06月10日 10時22分38秒

初めて引上げ者として投稿します。私は昭和28年4月19日に樺太西内淵で生まれ昭和39年9月に日本に引き上げてきました。6人家族でしたが引上げる日の前夜に両親から日本という国に行くことを知らされ子供ながら不安を胸に抱きながら過ごした夜をいまだに忘れることができません。
もう引き上げた時から48年の年月がたとうとしております。
いろんな事がありましたが一度は生まれ故郷に戻ってみたいものですね。

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