静かな環境2012年01月30日

 1月28日、来日中のラブロフ外相と玄葉外相の会談で、北方領土問題を静かな環境で議論することで、合意した。
 このニュースだけだと、もっともな合意に感じられるけれど、「静かな環境」は近年ロシア側の主張する交渉に先立つ要求であり、その意味では、ロシア側要求を日本が受け入れたことを意味している。

 「静かな環境」とはどのような意味だろう。「静かでない環境」を考えれば、「静かな環境」の意味は明確だ。平成21年7月、日本は北特法を改正して、北方領土を「わが国固有の領土」と法律の中に明記したが、これに対して、ロシアは激しく反発した。日本の行為は、国内宣伝のために、国民を扇動するものであると、ロシア側には映っている。日本は、毎年予算を付けて、北方領土返還運動をしているが、このような行為が「静かでない環境」だ。

 日本には、北方領土返還運動団体があって、毎年国民の税金が投入されている。「返還運動マフィア」と揶揄されるが、このような団体が「静かでない環境」を作っている。今回、日ロ合意のなった「静かな環境」を実現するためには、「返還運動マフィア」へ、国民の税金を渡すことを控えなくてはならない。しかし、「返還運動マフィア」は一定の政治勢力であるため、予算カットは簡単ではない。今回の日ロ合意は、領土問題棚上げの口実に使われる可能性が大きい。

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