本の紹介-日本の「国境問題」 ― 2012年06月01日

日本の「国境問題」 現場から考える 別冊環⑲
岩下明裕/編 藤原書店 (2012/3/22)
50人の著者による論文集。千島と根室、樺太と稚内、朝鮮と九州北部・対馬、台湾と八重山、大東島、小笠原の5つの国境地域に対して、50人の著者が、それぞれの問題を書いている。歴史解説や政治問題のほかに、単なる観光案内のような内容まで、さまざま。1つの論文は数ページ、多くても十数ページと短い。
日本の国境地域に関心がある人には、参考になる論文もあるかもしれないが、すべてに興味を持つ人は少ないだろう。北方領土問題は黒岩幸子先生の11ページの解説があるが、特に目新しい内容ではない。
金星太陽面通過 ― 2012年06月06日
竹島 ― 2012年06月08日
本の紹介-ロシア文化の方舟 ― 2012年06月09日

ロシア文化の方舟―ソ連崩壊から二〇年
野中進・他/編 東洋書店 (2011/12)
ソ連崩壊後のロシアについて、20数名の研究者が多方面から執筆。ロシアの日常生活・消費生活、文化・芸術、宗教、メディア、外国人など、現在のロシアについて幅広い見地から考察される。政治や外交の記述は少ない。執筆者が多数に上るため、内容が散漫な感は否めない。
本の最後に、黒岩幸子/著「ロシアにとっての北方領土問題」(10ページの論文)がある。内容について、必ずしも全面同意できるわけではないが、ロシア側からの視点の一部解説と言う点で、北方領土問題を考える上で一つの参考になるだろう。
夜叉神峠 ― 2012年06月10日
SPEEDI-予測結果の公表は必要なかった ― 2012年06月12日
報道によると、SPEEDIの使用について、事実は以下のようだ。
「文部科学省は、2011年3月15日夕方のSPEEDIの予測を基に選んだ測定地点に、職員を派遣し、午後9時前に最大で1時間当たり330マイクロシーベルトの高い放射線量を測定した。測定結果は官邸に報告するとともに報道機関に資料を配付し、インターネットで公開した。」
http://radioactivity.mext.go.jp/old/ja/monitoring_around_FukushimaNPP_monitoring_out_of_20km/2011/03/1303726_1501_3.pdf
SPEEDIは予測システムなので、実測データが得られた後は、予測値には意味がない。不確かな予測データが得られたのが夕方で、それを確かにするために、夜9時まで時間がかかったということだ。実測データが得られたので、確かな実測値を報告・公表した。この時に、不確かな予測データを公表しないのは、当たり前のことで、SPEEDIの結果を公表しなかったことに、何の問題もない。
報道機関向けに資料を配布したにもかかわらず、その資料を報道機関が国民に報道しなかったとしたならば、報道機関の責任は重大だ。
私は、3月17日に文部科学省のホームページに、実測値が掲載されているのを知り、翌朝、このブログで関連記事を書いた。
http://cccpcamera.asablo.jp/blog/2011/03/18/5748247
この時見たのは、以下のpdfデータです。
http://radioactivity.mext.go.jp/old/ja/monitoring_around_FukushimaNPP_monitoring_out_of_20km/2011/03/1303727_1719.pdf
18日の午後、枝野長官が「直ちに人体に影響を与える数値ではない」との談話を発表したので、とんでもない人道無視と感じ、このブログで、以下の記事を書いた。
http://cccpcamera.asablo.jp/blog/2011/03/18/5748478
このとき、報道機関はどのように報道したのか。
「文部科学省は、2011年3月15日夕方のSPEEDIの予測を基に選んだ測定地点に、職員を派遣し、午後9時前に最大で1時間当たり330マイクロシーベルトの高い放射線量を測定した。測定結果は官邸に報告するとともに報道機関に資料を配付し、インターネットで公開した。」
http://radioactivity.mext.go.jp/old/ja/monitoring_around_FukushimaNPP_monitoring_out_of_20km/2011/03/1303726_1501_3.pdf
SPEEDIは予測システムなので、実測データが得られた後は、予測値には意味がない。不確かな予測データが得られたのが夕方で、それを確かにするために、夜9時まで時間がかかったということだ。実測データが得られたので、確かな実測値を報告・公表した。この時に、不確かな予測データを公表しないのは、当たり前のことで、SPEEDIの結果を公表しなかったことに、何の問題もない。
報道機関向けに資料を配布したにもかかわらず、その資料を報道機関が国民に報道しなかったとしたならば、報道機関の責任は重大だ。
私は、3月17日に文部科学省のホームページに、実測値が掲載されているのを知り、翌朝、このブログで関連記事を書いた。
http://cccpcamera.asablo.jp/blog/2011/03/18/5748247
この時見たのは、以下のpdfデータです。
http://radioactivity.mext.go.jp/old/ja/monitoring_around_FukushimaNPP_monitoring_out_of_20km/2011/03/1303727_1719.pdf
18日の午後、枝野長官が「直ちに人体に影響を与える数値ではない」との談話を発表したので、とんでもない人道無視と感じ、このブログで、以下の記事を書いた。
http://cccpcamera.asablo.jp/blog/2011/03/18/5748478
このとき、報道機関はどのように報道したのか。
簀子橋堆積場 ― 2012年06月16日
今年の1月に足尾銅山の鉱毒捨て場『簀子橋堆積場』を尾根上から見学した。
このときの写真をホームページにアップしました。
http://cccpcamera.photo-web.cc/GENPATSU/sunokobashi/index1.htm
http://cccpcamera.photo-web.cc/GENPATSU/sunokobashi/index2.htm
http://cccpcamera.photo-web.cc/GENPATSU/sunokobashi/index3.htm
簀子橋堆積場は足尾銅山の選鉱・製錬工程で発生する鉱滓を沈殿させる施設。言い換えると、鉱毒を貯めておく所。通洞の町の上部にあるため、万一決壊すれば、通洞は決定的な被害を受けるだろう。しかし、ここは、警備が厳しく、立ち入ることはできず、遠くから見ることも困難。しかし、東側の尾根に登ると、見下ろすことが可能。ただし、この尾根には、しっかりした道はないので、秋から冬でない入れないだろう。秋から冬でも、ある程度、山に慣れていないと危険です。
このときの写真をホームページにアップしました。
http://cccpcamera.photo-web.cc/GENPATSU/sunokobashi/index1.htm
http://cccpcamera.photo-web.cc/GENPATSU/sunokobashi/index2.htm
http://cccpcamera.photo-web.cc/GENPATSU/sunokobashi/index3.htm
簀子橋堆積場は足尾銅山の選鉱・製錬工程で発生する鉱滓を沈殿させる施設。言い換えると、鉱毒を貯めておく所。通洞の町の上部にあるため、万一決壊すれば、通洞は決定的な被害を受けるだろう。しかし、ここは、警備が厳しく、立ち入ることはできず、遠くから見ることも困難。しかし、東側の尾根に登ると、見下ろすことが可能。ただし、この尾根には、しっかりした道はないので、秋から冬でない入れないだろう。秋から冬でも、ある程度、山に慣れていないと危険です。
本の紹介-環オホーツク海地域の環境と経済 ― 2012年06月17日

環オホーツク海地域の環境と経済 (北海道大学スラブ研究センター<スラブ・ユーラシア 叢書11>)
田畑伸一郎, 江淵直人 /著・編 北海道大学出版会 (2012/4/18)
本の前半は、オホーツク海の海流など自然環境条件の解説。オホーツク海で生まれる重い海水や鉄分が、太平洋全体の漁業資源に重要な役割を演じていることが、詳細なデータやシミュレーションを使って、説明される。
本の後半は、この地域の、エネルギー生産と経済問題の解説。前半は、理系の解説で、後半は経済学の解説になっている。領土問題や政治問題の話はない。
6月18日は『絵葉書』記念日 ― 2012年06月18日
1902年6月18日、逓信省は万国郵便連合加盟25周年を記念して、初の官製絵葉書(5種類)を発行しました。写真はそのうちの一部です。絵葉書には、日本および周辺の鉄道路線・定期航路・海底電線が描かれています。この地図の択捉島のところには『千島』『KOURILES』と書かれています。明らかに、国後・択捉をKURIELESと認識していたことが分かります。(画像をクリックすると拡大します)。
日本は、サンフランシスコ条約で千島列島の領有を放棄しました。「サンフランシスコ条約正文は英・仏・西語で、放棄したのはクーリールアイランズであって、それはウルップ以北である」との説明がまことしやかになされたことがあります。このような言葉の言い換えによる目先のダマカシが通用するはずもなく、1980年代に村山・和田氏により完全に否定され、今では、あまり言う人もいなくなっています。
この絵葉書を見れば、日本政府の認識では、クーリールアイランズに国後・択捉が含まれていることが分かります。色丹島もクーリールアイランズに含まれているようですね。