本の紹介-チェルノブイリ原発事故がもたらしたこれだけの人体被害 ― 2012年10月27日

『チェルノブイリ原発事故がもたらしたこれだけの人体被害 科学的データは何を示している』
IPPNW(核戦争防止国際医師会議)ドイツ支部/著 合同出版 (2012/3/30)
チェルノブイリ原発事故では、小児甲状腺癌以外に、いろいろな放射線被曝の影響と思えるような健康被害が報告されている。
本書は、チェルノブイリ汚染により、どのような健康被害が生じているか、汚染と健康被害にはどのような統計的際が認められるか、などの、科学的データを提供するものである。汚染地帯に、健康被害が発生していても、それが、本当に放射線の影響なのか分からないが、だからといって、放射線の影響ではないと分かっていることにもならない。
チェルノブイリ汚染地帯で生じている健康被害の原因が正確に分からないとしても、危険の可能性があることを意識すべきだ。福島原発事故でも、政府やIAEAの安全神話を鵜呑みにするのではなく、どのような危険の恐れがあるのか、考慮に留め置くべきだろう。本書は、福島汚染を考えると、暗い気持ちになるが、避けては通れない。