敦賀原発2012年12月01日

   
福井県敦賀市にある、日本原電の敦賀原発は、日本で唯一、活断層が原発敷地内を通り、そこから枝分かれする破砕帯が、原子炉建屋直下を通っているため、活断層と連動して動く危険性が考えられます。本当にそうなのかどうか、ボーリング調査が始まったとのニュースがあります。なぜ、こんな危険な場所に原発を作るのか。もし、今の学問水準で安全と思われても、本当に万全な知識なのか。

写真は、PR館付近から見た敦賀原発。写真をクックすると拡大します。

本の紹介-「最悪」の核施設 六ヶ所再処理工場2012年12月07日


小出裕章、渡辺満久、明石昇二郎/著『「最悪」の核施設 六ヶ所再処理工場』(集英社新書)

 日本は核関連技術力が低いので、この施設はまともに動いていないけれど、万一、動いたら、放射能垂れ流し施設になります。こんな施設、止めれば良いのに。福島原発事故の関係で、原発の危険性が国民の関心事になっているけれど、実際には、最も危険な核関連施設が、「六ヶ所再処理工場」と「もんじゅ」です。

 本書は、六ヶ所再処理工場の危険性を指摘し、最悪事故を想定したシミュレーションを行い、危険性を具体的に検証しています。さらに、施設の下には「活断層」が存在している事実を指摘し、立地も不適切であることを指摘しています。要するに、再核施設を最悪の場所に作ったのが「六ヶ所再処理工場」です。
 六ヶ所村が、どうしようもない過疎地なので、住民は、金が欲しいのは分かるのだけれど、それにしても、これほどの施設を金欲しさに作らせてしまった青森県・六ヶ所村の世論には暗澹たる思いがします。

 10年以上前に、「再処理工場」の安全性研究のため、確率論的リスク解析手法の研究に、携わったことがあります。金をもらって、いい加減な研究成果で、安全性をPRしている研究者の末席に自分もいたので、あまり大きな顔は出来ないのですが。

写真はPR館から見た 六ヶ所再処理工場 。

本の紹介-あなたの知らない北海道の歴史2012年12月08日


山本博文/著 『あなたの知らない北海道の歴史 (歴史新書)』(2012.9)洋泉社

 北海道史の古代から現代まで、70のトピックスを取り上げて、それらの解説をしている。各トピックは2ないし4ページであるため、概要程度。現代史の部分には、銘菓「白い恋人」の由来など、くだらない内容もあるが、総じて、取り上げている項目も、解説もしっかりしている。
 本は、通史ではないので、この本を読んだからと言って、北海道史が理解できるわけではないが、既に北海道史を学習したものが知識の確認に使うか、北海道史を知らない者が、知的興味を持つ入門にはうってつけ。

不思議な仏塔2012年12月09日


仏教系宗教団体、日本山妙法寺が、東京都奥多摩の大寺山に作った、鉄筋コンクリート製の仏舎利塔を見学した。以前見たときは、周辺に作業小屋が放置されていたけれど、今はそれらは撤去されている。ただし、足場の鉄パイプは周辺に放置され、作業に使った重機の残骸は、付近に捨てられていた。


離れてみると、立派な仏塔だけれど、近づいてみると、表面は所々剥げ落ち、仏像を固定したボルトも錆付いている。
  
 
内部はコンクリート打ちっぱなしで、床はゴミが散乱。危険なので、安易に立ち入ってはいけない。
 
作業に使った重機が山中に捨てられている。

2012年12月13日

昨日は、12.12.12でした。

金:
 今年の漢字は「金」です。
 北朝鮮の人工衛星打ち上げ成功と同時に、金正恩の功績をたたえて、「金」が選ばれたわけではないけれど、タイミングが良すぎるよ。

人工衛星:
 北朝鮮の人工衛星は、本当に回っているみたいですね。にわかには、信じがたい。
 北朝鮮に、危ない技術開発をさせないために、経済制裁をしてきたのではなかったか。これまでの経済制裁には、何の効果もなかったということか。金さんに、世界がバカにされているような気がする。

東通原発2012年12月14日


 大飯原発、敦賀原発に続き、青森県・東通原発でも、活断層が通っている懸念があり、13日、活断層の調査が行われました。さらに詳細な調査が必要との結論になったようで、活断層と判断された場合は、原子炉停止が長引くことになります。
 危なっかしいところに、原発を作るからこういうことになる。政権交代したら、これまでのように、委員を御用学者で固めて、安全宣言が出されるのだろうか。

 写真は、PR館から見た東通原発。

本の紹介-教科書が教えてくれない日本の領土の歴史2012年12月22日

  
『教科書が教えてくれない日本の領土の歴史』歴史探訪シリーズ (2012.10) 晋遊舎

 多くの人には、特にお勧めしない本。勉強嫌いで、活字が苦手な人が、昨今の領土問題を理解しようと、一念発起して、本を読もうとした場合には、ふさわしい本かもしれない。

 本は大判で写真が多用されており、活字が苦手な人にも、抵抗なく読めるように配慮されている。本の題名「教科書が教えてくれない」からも、この本は、自分で勉強することが苦手な階層をねらって書かれたものだと分かる。

 本の前半は、日本の領土問題-尖閣・北方領土・竹島・南鳥島-の説明。後半は、日本の領土拡大の歴史、特に、明治以降、日本の領土がどのように拡大したか、の説明。
 領土問題や、日本史の全貌を明らかにするものではなく、領土問題については、日本政府の主張を説明する内容であるので、領土問題のニュース報道を聞いても、内容が良く理解できない人には、大いに参考になるだろう。より深い理解を求める者は、本書では不足。

本の紹介-日本の領土 これが答えだ!2012年12月22日

 
それで、どうする! 日本の領土 これが答えだ! (2時間でいまがわかる!)
小川和久/著  (2012/11)アスコム

 読むことをお勧めしない本。
 ただし、領土問題・政治問題にまったく無知で、さらに、社会的に落ちこぼれて、引きこもり・ニート状態になった人が、「日本は世界に冠たる強大国である」と妄想して、自分の境遇をしばし忘却するためには、最適な本かもしれない。

 日本の領土問題-尖閣・北方領土・竹島-の解説本であるが、領土問題や歴史的経緯よりも、現状と対処案の説明に主眼が置かれている。
 内容は、領土問題については、日本の主張を繰り返すもので、ニュース報道以上のより深い理解を求めている者にとっては、物足りないだろう。ただし、この部分は、特に大幅に間違った、いい加減なことが書かれている分けではなくて、著者が、一定の勉強はしているのだろうことは推察できる。
 領土問題の対処案は、ちょっと笑える。北方領土問題では、メドベージェフの国後島訪問を批判するくだりで、自衛隊を北方領土のぎりぎりのところで演習させれば、視察をためらうかもしれない、などと書いている。また、南樺太と全千島を要求すれば、4島返還の可能性が出てくると書いている。このような議論は、子供の喧嘩の口上ならばともかく、現実政治では、話にならない。弱い軍隊が脅威ではないことは明らかで、ロシアにとって、日本の自衛隊は、まったくの脅威になっていない。弱い軍隊に頼って、領土要求しても、良いことは一つもない。

ディアナ号の大砲2012年12月23日

 幕末、日本との開国交渉にやってきたロシアのプチャーチン一行を乗せた艦船ディアナ号は、安政大地震のため、伊豆・戸田沖に沈没した。
 靖国神社に展示されているカノン砲には、ディアナ号に搭載していたとの説明書きがある。ただし、この大砲の紋章は英国のもののようだ。
 http://cccpcamera.asablo.jp/blog/2009/01/25/
 英国の紋章が書かれているからといって、ロシアの艦船に搭載されたものではないということにはならないが、もし、ディアナ号のものだったとしたならば、どのような理由で搭載されたのか不思議だ。
 靖国神社のほかに、横須賀・三笠公園にもディアナ号のものと推測されているカノン砲が展示されている。砲には紋章らしきは見当たらなかった。

カノン砲を、真上から撮った
      
説明板

本の紹介-基礎からわかる 日本の領土・海洋問題2012年12月25日

 
読売新聞政治部『基礎からわかる - 日本の領土・海洋問題』(2012/11) 中公新書ラクレ

この本は、お薦め本なのか、そうでないのか、判断に迷う。

 本の内容は、前半が領土問題(尖閣・北方領土・竹島)の解説で、日本政府の主張を説明している。相手の主張は含まれず、客観的な歴史的経緯の記述も薄く、国際法も、日本政府の解釈のみ。
 このような内容は、新聞報道や、ニュース解説などで、すでに広く知られているので、新聞を読んでいる人にとって、いまさら、この本を読む必要は無いように思える。
 しかし、昨今の領土問題が、どういうことであるのか良く分からない人には、領土問題をまとめて書いてあり便利かもしれない。ところが、本書は、図や写真は少なく、ほとんどが活字であり、新聞よりも平易に理解できるように作られているわけではなく、新聞を読んでも領土問題が理解できなかった人が、本書を読んでも、理解は深まらないだろう。

 北方領土問題や竹島問題について知りたい人は、本書よりも、外務省がpdf公開しているパンフレットの方が、内容も充実しており、読みやすい。

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