本の紹介-基礎からわかる 日本の領土・海洋問題 ― 2012年12月25日

読売新聞政治部『基礎からわかる - 日本の領土・海洋問題』(2012/11) 中公新書ラクレ
この本は、お薦め本なのか、そうでないのか、判断に迷う。
本の内容は、前半が領土問題(尖閣・北方領土・竹島)の解説で、日本政府の主張を説明している。相手の主張は含まれず、客観的な歴史的経緯の記述も薄く、国際法も、日本政府の解釈のみ。
このような内容は、新聞報道や、ニュース解説などで、すでに広く知られているので、新聞を読んでいる人にとって、いまさら、この本を読む必要は無いように思える。
しかし、昨今の領土問題が、どういうことであるのか良く分からない人には、領土問題をまとめて書いてあり便利かもしれない。ところが、本書は、図や写真は少なく、ほとんどが活字であり、新聞よりも平易に理解できるように作られているわけではなく、新聞を読んでも領土問題が理解できなかった人が、本書を読んでも、理解は深まらないだろう。
北方領土問題や竹島問題について知りたい人は、本書よりも、外務省がpdf公開しているパンフレットの方が、内容も充実しており、読みやすい。