本の紹介-福島原発で何が起こったか 政府事故調技術解説2013年01月27日


福島原発で何が起こったか-政府事故調技術解説- (B&Tブックス)

 福島原発事故調査報告には、民間事故調・国会事故調・政府事故調・東電事故調と、4種類ある。本書は、政府事故調委員による、原発事故敬意の解説。事故調の報告書は、背景や避難誘導、その後の対応など多方面にわたっているが、本書は、そのうちの事故に対する技術的な解説書である。
 第1章は概要と技術的内容を理解するための予備知識、第5章は、原発と放射能に対する一般的な解説になっている。物理や原発の基本的なことを知っている場合、第5章は読む必要ないが、そうでない人は、第1章と、第5章を読んでから第2章~第4章を読むと良い。
 第2章は1,2,3,4号機の事故の経過で、本書の主要部分になっている。原発事故の技術的内容が主体で、技術用語が多いが、第1章で概略の解説があるので、第1章を読めば、それほど困難なく読み進めると思う。事故の経過はすでに新聞等でも報道されているので、ある程度のことは知っている人も多いだろうが、時系列的に、きちんとまとめた記述を読むことで、知識をまとめることに役立つ。本書は政府事故調の技術解説書であるため、政府事故調の見解であり、国会事故調見解とは、地震で原発が破損したのかどうかとの点で、見解が異なる。
 第3章・4章は事故がなぜ防げなかったのか、今後どのようにすればよいのかとの点に対する、技術面からの考察。

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