本の紹介-世界の領土・境界紛争と国際裁判2013年07月17日

   
『世界の領土・境界紛争と国際裁判【第2版】』 金子利喜男 /著 明石書店; 第2版 (2009/5/14)
  
 領土問題を国際法で解決することを勧める書。
 本の1/3ぐらいは、北方領土、尖閣、竹島について、日本の主張と対立国の主張を記載し、国際法による解決を勧めている。北方領土問題の解説では、歴史的経緯なども詳しい。尖閣・竹島については、双方の主張を掲載しているが、歴史的経緯の解説等は少ない。これら3つの領土問題の説明は、中立的で、好感が持てる。
 残りは、国際法による領土問題の解決事例をいくつも掲載し、解説している。
     
 領土問題を国際法で解決することを勧めるのは良いが、日本の抱えている領土問題は3つとも、国際法による解決の機運はない。それは、日本の問題ではなくて、相手国に、そのような意思が乏しいことによるので、日本人向けに啓蒙しても、あまり意味がないことなのではないだろうか。
 そもそも、領有権問題の国際法は、西側列強による植民地支配のために作られてきた経緯があるので、国際法による解決は侵略側により有利になる可能性がある。これは、侵略国だった日本には都合がよいかもしれないが、侵略を受けた側は、国際政治による解決を目指すことが可能性として高いだろう。
 ただし、ロシアは帝政時代列強の一つであったこともあり、他の2島とは異なる。ところが、国際法的解決を試みた場合、北方領土は日本に不利になる可能性があるので、日本では、北方領土を国際法による解決を目指す機運は乏しい。

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