本の紹介-中世に国家はあったか ― 2013年09月25日

中世に国家はあったか 新田一郎/著 (2004/09) 山川出版社(日本史リブレット)
100ページあまりの薄い本。
現在、日本は3つの領土問題を抱えているが、すべてにおいて『日本固有の領土』と主張している。短絡的に、固有の領土と主張する前に、日本の歴史を振り返った時、日本の国家とは何か、領土とは何か、そもそも国家があったのか、そういうことを考えてみる必要を感じる。現代国際社会における国家や領土の概念と、アジア中近代における国家・領土概念は一致しない。
本書は、このようなことを考える上で、参考になる。
本の紹介―北海道の歴史がわかる本 ― 2013年09月26日

北海道の歴史がわかる本 桑原真人、川上淳/著 亜璃西社 (2008/3)
文章は易しく書かれており、予備知識も特に必要とせず、容易に理解できるように書かれている。内容は正確なので、気楽に正しい知識を得ることができるようになっている。
本の前半は川上氏による著述で、明治維新までの北海道史。アイヌ史や対ロシア史をトピックスを元にまとめているが、主要なポイントはきちんと押さえているので、この時代の歴史教科書として読むことができる。トリビアな話題はない。
後半は桑原氏による明治以降の北海道史。おおむね戦前まで。トピックスを取り上げた解説で有るが、トリビアなものも多く、歴史教科書ではない。北海道近現代史を有る程度知った上で読んだほうが良いかもしれない。