サイクロトロン ― 2013年12月03日

サイクロトロンとは荷電粒子を加速して高エネルギー状態とし、それによって、いろいろな核物理関連などの実験を行う装置のこと。今は、重イオンビームによる癌治療も行われている。
理化学研究所では、1937年に第一号サイクロトロンが建造され、1943年には第二号サイクロトロンが完成した。原爆開発では、山崎文男が中心となった検出班が、サイクロトロンを使って、ウランの濃縮が成功したかどうかの判定をした。最初の検出は 1944年11月におこなわれたが、濃縮は失敗と判定され、翌年5月の測定でも、同様の結果となったため、陸軍は二号研究の中止を決定した。
このように、当時、サイクロトロンは、原爆開発に必要な機器であったため、戦後GHQは理化学研究所のサイクロトロンを破壊した。
主権回復後の1953年には第三号サイクロトロンが完成し、さらに1966年には第四号が完成している。写真は、理化学研究所屋外に展示されている、今は使われなくなった、第四号サイクロトロン。原爆開発に使われたことはないはず。