福島原発事故が原因で鼻血・・・あたりまえでしょう ― 2014年05月12日
福島原発事故が原因で鼻血:
マンガ「美味しんぼ」のなかで、福島原発事故後に、鼻血が出る人がいるとの描写があるとかで、これを批判している人たちがいるようだ。でもね、福島原発事故が原因で鼻血が出た人がいること自体、不思議でもなんでもないことです。福島では、まだ寒い時期に、長期間、避難所生活を余儀なくされたのだから、血圧が上がった人も多かっただろう。血圧が上がると、鼻血が出る人は、珍しくはない。また、避難を余儀なくされた人の中には、鼻血の原因は、直接被爆ではないのかと心配した人も多かったと思います。
福島原発事故が原因で鼻血が出た人がいたことや、直接被爆が原因ではなかろうかと心配した人がいたことは事実なので、マンガ「美味しんぼ」の記述が、事実と大きく異なるとは思えない。
長期間の避難所生活が原因で、鼻血が出るようになった人がいることは間違いないだろう。しかし、鼻血の原因はこれだけではないと思う。栄養の問題、寝具や衣類を屋外で乾燥できずカビやダニの影響があった、子供が運動できなかった等々、色々な原因が考えられる。
事故当初の放射線直接被爆の影響や、その後に、放射性物質を吸引した影響などについては、分からない。
今後、どこかの原発が事故を起こすかもしれない。そのときは、福島と同様に、被災者は、避難所に長期間放置される恐れがあるにもかかわらず、何の対策も立てずに、原発を推進しようとしている勢力にとって、この漫画が目障りであることは、間違いない。日ごろから、非常時の対応を考え、対策を建てることが必要なのに、その努力を怠っている愚か者が、マンガを批判し、騒ぎ立てているように思える。
X線CTと、放射能被曝の比較:
Twitterをみると、札幌医大の高田純氏は以下のように書いている。
『病院の放射線科や歯科医でのX線撮影で、鼻血が出たという事例は、聞いたことがありません。みなさんも、X線撮影あるでしょう。CT検査(一回、およそ10ミリシーベルト)でも、鼻血ないのです。小学館は、福島県民に謝罪し、風評被害・精神被害を賠償すべし。』
また、武蔵野市の歯科医師・野々村氏は以下のように書いている。
『もし「福島に行って被曝したので鼻血が~」が事実だとしたら、私の歯科医院のレントゲン室・CT室は毎日“血の海”でしょう。ありえません。(上顎の歯の根は鼻に近接しているので、同部の撮影時、放射線は確実に鼻粘膜を貫いています)』
これらの主張は、いったい何を言っているのでしょう。本人に直接聞けば良いのだけれど、メールアドレスが分からないので、聞けない。
X線CTのエネルギーとγ線のエネルギーは、両方ともに、Svの単位で測るけれど、両者は違うものなので、Svの値が同じでも、生体に及ぼす影響は、違うはず。それとも、両氏の使っているX線CT装置は、セシウムのγ線と同じような放射線が出るのかな。
物理が苦手な人にちょっと説明します。X線・γ線・赤外線・紫外線などは、どれも電磁波であり、光子という名前の粒子線です。光子は一粒一粒がエネルギーを持っていて、一粒のエネルギーはE=hc/λと書くことができます。γ線・赤外線・紫外線はλ(波長)が違い、光子のエネルギーが異なります。X線とγ線の違いは、波長ではなくて、作り方の違いです。電子から出てくるのをX線、原子核から出てくるのをγ線と言います。作り方の違いとは言っても、実際には、一般に、X線の方が波長が長く、光子のエネルギーが低いことが多いのです。
光子一粒のエネルギーが小さくても、たくさんの光子が飛んでくれば、総エネルギーは大きくなります。
赤外線電気炬燵に当たったときの暖かさと同程度に、紫外線を浴びたらどうなるでしょう。重症な皮膚障害になるかもしれません。暖かさが同じであるということは、総エネルギーが同じ程度であることを意味しています。このように、赤外線と紫外線とでは、総エネルギーが同じでも、生体に与える障害は全く異なります。赤外線と紫外線とでは、光子一つのエネルギーは3倍程度以上異なります。
X線CT装置のX線と、放射性セシウム由来のγ線とでは、波長が異なることが多いので、Svで表す吸収線量が同じでも、生体に与える影響は異なると考えられるはずです。
X線CTの光子一つのエネルギー(陰極管の管電位で決まる)が、セシウムのγ線よりも小さいならば、X線が安全だからと言って、γ線が安全とは言えないのです。
両先生が使っているX線CT装置のX線エネルギーは、何MeVなのだろう。
どなた様か、医科・歯科で使用するCTのX線エネルギーは、何MeV程度なのか、あるいは、陰極管電位は何MVなのか、ご存知でしたなら、教えてください。
注)以前、γ線のエネルギーと遮蔽能の関係を簡単に計算してグラフ化しました。
http://cccpcamera.asablo.jp/blog/2011/03/23/5754773
マンガ「美味しんぼ」のなかで、福島原発事故後に、鼻血が出る人がいるとの描写があるとかで、これを批判している人たちがいるようだ。でもね、福島原発事故が原因で鼻血が出た人がいること自体、不思議でもなんでもないことです。福島では、まだ寒い時期に、長期間、避難所生活を余儀なくされたのだから、血圧が上がった人も多かっただろう。血圧が上がると、鼻血が出る人は、珍しくはない。また、避難を余儀なくされた人の中には、鼻血の原因は、直接被爆ではないのかと心配した人も多かったと思います。
福島原発事故が原因で鼻血が出た人がいたことや、直接被爆が原因ではなかろうかと心配した人がいたことは事実なので、マンガ「美味しんぼ」の記述が、事実と大きく異なるとは思えない。
長期間の避難所生活が原因で、鼻血が出るようになった人がいることは間違いないだろう。しかし、鼻血の原因はこれだけではないと思う。栄養の問題、寝具や衣類を屋外で乾燥できずカビやダニの影響があった、子供が運動できなかった等々、色々な原因が考えられる。
事故当初の放射線直接被爆の影響や、その後に、放射性物質を吸引した影響などについては、分からない。
今後、どこかの原発が事故を起こすかもしれない。そのときは、福島と同様に、被災者は、避難所に長期間放置される恐れがあるにもかかわらず、何の対策も立てずに、原発を推進しようとしている勢力にとって、この漫画が目障りであることは、間違いない。日ごろから、非常時の対応を考え、対策を建てることが必要なのに、その努力を怠っている愚か者が、マンガを批判し、騒ぎ立てているように思える。
X線CTと、放射能被曝の比較:
Twitterをみると、札幌医大の高田純氏は以下のように書いている。
『病院の放射線科や歯科医でのX線撮影で、鼻血が出たという事例は、聞いたことがありません。みなさんも、X線撮影あるでしょう。CT検査(一回、およそ10ミリシーベルト)でも、鼻血ないのです。小学館は、福島県民に謝罪し、風評被害・精神被害を賠償すべし。』
また、武蔵野市の歯科医師・野々村氏は以下のように書いている。
『もし「福島に行って被曝したので鼻血が~」が事実だとしたら、私の歯科医院のレントゲン室・CT室は毎日“血の海”でしょう。ありえません。(上顎の歯の根は鼻に近接しているので、同部の撮影時、放射線は確実に鼻粘膜を貫いています)』
これらの主張は、いったい何を言っているのでしょう。本人に直接聞けば良いのだけれど、メールアドレスが分からないので、聞けない。
X線CTのエネルギーとγ線のエネルギーは、両方ともに、Svの単位で測るけれど、両者は違うものなので、Svの値が同じでも、生体に及ぼす影響は、違うはず。それとも、両氏の使っているX線CT装置は、セシウムのγ線と同じような放射線が出るのかな。
物理が苦手な人にちょっと説明します。X線・γ線・赤外線・紫外線などは、どれも電磁波であり、光子という名前の粒子線です。光子は一粒一粒がエネルギーを持っていて、一粒のエネルギーはE=hc/λと書くことができます。γ線・赤外線・紫外線はλ(波長)が違い、光子のエネルギーが異なります。X線とγ線の違いは、波長ではなくて、作り方の違いです。電子から出てくるのをX線、原子核から出てくるのをγ線と言います。作り方の違いとは言っても、実際には、一般に、X線の方が波長が長く、光子のエネルギーが低いことが多いのです。
光子一粒のエネルギーが小さくても、たくさんの光子が飛んでくれば、総エネルギーは大きくなります。
赤外線電気炬燵に当たったときの暖かさと同程度に、紫外線を浴びたらどうなるでしょう。重症な皮膚障害になるかもしれません。暖かさが同じであるということは、総エネルギーが同じ程度であることを意味しています。このように、赤外線と紫外線とでは、総エネルギーが同じでも、生体に与える障害は全く異なります。赤外線と紫外線とでは、光子一つのエネルギーは3倍程度以上異なります。
X線CT装置のX線と、放射性セシウム由来のγ線とでは、波長が異なることが多いので、Svで表す吸収線量が同じでも、生体に与える影響は異なると考えられるはずです。
X線CTの光子一つのエネルギー(陰極管の管電位で決まる)が、セシウムのγ線よりも小さいならば、X線が安全だからと言って、γ線が安全とは言えないのです。
両先生が使っているX線CT装置のX線エネルギーは、何MeVなのだろう。
どなた様か、医科・歯科で使用するCTのX線エネルギーは、何MeV程度なのか、あるいは、陰極管電位は何MVなのか、ご存知でしたなら、教えてください。
注)以前、γ線のエネルギーと遮蔽能の関係を簡単に計算してグラフ化しました。
http://cccpcamera.asablo.jp/blog/2011/03/23/5754773