本の紹介-近代北方史 アイヌ民族と女性と2015年05月12日

 
海保洋子/著『近代北方史 アイヌ民族と女性と』 (1992/6)三一書房
 
 本の前半は近代アイヌ民族の歴史。
 後半は、アイヌ女性が和人に蹂躙された歴史と、北海道の遊所の話がある。この問題を取り扱った本は少ないので、北海道開拓を理解する上で参考になるだろう。
 本書は、著者の論文をまとめたようで、各章に、必ずしも統一感はなく、興味のある章を読めば良い。
  
 樺太千島交換条約の結果、樺太がロシア領となり千島が日本領となった。このとき、樺太アイヌは対雁に強制移住させられ、千島アイヌは色丹島に強制移住させられた。移住先は、彼らにとって、劣悪な環境だったため、多くの樺太アイヌ・千島アイヌが死亡した。
 本書では、このような歴史を解説し、北方領土問題に対して、アイヌ民族が無視されている点を批判している。

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