ファンデルワールス気体 ― 2015年10月09日
めったに本職の話は書かないのだけど、「へえー」と思ったことがあったので書きます。
空気を断熱圧縮するときの温度上昇と圧力上昇を理想気体を使って計算していた。500atm程度加圧した時、理想気体から大きくずれる恐れがあるので、ファンデルワールス近似で計算して、理想気体近似の計算結果と比較した。
上の図は、標準状態の窒素を断熱圧縮した時の温度と圧力の関係。窒素のファンデルワールス定数はa=141E-3(Pa・m6/mol2),b=39.2E-6(m3/mol)を使用した。
600atmに圧縮しても、そんなに違わないんだ。5000atmぐらい加圧しても、温度にはそれほど大きな違いはないけれど、体積は大きく異なってきます。
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(気体断熱圧縮の解説)
以下、1molあたりで記述する。
断熱圧縮は次式で表される。(直感的には与えた仕事が内部エネルギーに転化する)
dU+PdV=0 ①
ここで、Uはエネルギーで次式となる。cRは定容比熱。
dU=cRdT ②
理想気体とは次の状態方程式が成り立つ気体のことを言う。
PV=RT ③
①②③式から、dU,Pを消去すると次式となる。
c×dT/T+dV/V=0 ④
積分して次式となる。
c×log(T/T0)=log(V0/V)
すなわち、
V×T^c=一定 ⑤
状態方程式により次式が成立
P×V^γ=一定 ⑥
ただしγ=1+1/c でγは比熱比と言う。
④⑤式が理想気体の断熱圧縮の式。
ファンデルワールス気体とは③式の変わりに③’式が成り立つ気体を言う。
(P+a/V^2)(V-b)=RT ③’
このときは、④式のように温度と体積を分離することはできない。
空気を断熱圧縮するときの温度上昇と圧力上昇を理想気体を使って計算していた。500atm程度加圧した時、理想気体から大きくずれる恐れがあるので、ファンデルワールス近似で計算して、理想気体近似の計算結果と比較した。
上の図は、標準状態の窒素を断熱圧縮した時の温度と圧力の関係。窒素のファンデルワールス定数はa=141E-3(Pa・m6/mol2),b=39.2E-6(m3/mol)を使用した。
600atmに圧縮しても、そんなに違わないんだ。5000atmぐらい加圧しても、温度にはそれほど大きな違いはないけれど、体積は大きく異なってきます。
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(気体断熱圧縮の解説)
以下、1molあたりで記述する。
断熱圧縮は次式で表される。(直感的には与えた仕事が内部エネルギーに転化する)
dU+PdV=0 ①
ここで、Uはエネルギーで次式となる。cRは定容比熱。
dU=cRdT ②
理想気体とは次の状態方程式が成り立つ気体のことを言う。
PV=RT ③
①②③式から、dU,Pを消去すると次式となる。
c×dT/T+dV/V=0 ④
積分して次式となる。
c×log(T/T0)=log(V0/V)
すなわち、
V×T^c=一定 ⑤
状態方程式により次式が成立
P×V^γ=一定 ⑥
ただしγ=1+1/c でγは比熱比と言う。
④⑤式が理想気体の断熱圧縮の式。
ファンデルワールス気体とは③式の変わりに③’式が成り立つ気体を言う。
(P+a/V^2)(V-b)=RT ③’
このときは、④式のように温度と体積を分離することはできない。
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