信越線-横軽 ― 2016年03月07日
本の紹介-地図から読む江戸時代 ― 2016年03月10日

上杉和央/著『地図から読む江戸時代』(2015/9)ちくま新書
中世の日本地図は奈良時代の僧侶・行基に由来するとされる行基式日本地図だった。本書は、江戸時代の初めごろに流布していた行基式地図が徐々に形を変えて、伊能図に変化していく過程を追っている。
本書は、江戸時代の日本地図の変遷史を解明するものであって、「古地図で見る江戸散歩」のような類ではない。
本の紹介-琉球の風 ― 2016年03月13日

山田信夫、陳舜臣/著『琉球の風―NHK大河ドラマ・ストーリー』NHK出版 (1993/01)
本書は、1993年前半に放映されたNHK大河ドラマ『琉球の風』の解説本で、配役やあらすじなどが記されている。NHK大河ドラマはDVD化されたものも多いが、琉球の風はDVDもビデオも発売されていない。
ドラマは、17世紀初めに琉球が薩摩の進攻を受けて、薩摩の支配にされるときの様子を琉球の視点で描いている。
本の紹介-アイヌと縄文 ― 2016年03月14日

瀬川拓郎/著『アイヌと縄文-もうひとつの日本の歴史』 筑摩書房 (2016/2)
縄文、続縄文、擦文、アイヌ文化、各時代のアイヌ民族史。オホーツク文化にも触れられているが多くはない。
本の紹介-日本と世界の領土 ― 2016年03月19日

帝国書院編集部/編 『日本と世界の領土』帝国書院 地理シリーズ 別巻 (2016/2)
小学生が地理のより深い学習をするための参考書。「領土の概要」「日本の領土問題」「世界の領土問題」に対する説明がある。図を豊富に使って平易に書かれているが、全体で63ページと薄いので詳しい内容はない。
薄い本なのに、価格は税抜き3000円と高いので、小学生が図書館などで借りて読むにはよいが、わざわざ買って読む価値は感じられない。日本の領土問題の解説は、基本的には政府見解を踏襲しているので、日本政府が無料で配布しているパンフレットと大きな違いはない。
甲状腺がん-チェルノブイリと福島 ― 2016年03月21日

本の紹介 岩波「世界」2016年3月号
チェルノブイリ原発事故では事故後5年後に甲状腺がんが発生したとの都市伝説がある。福島では、事故後3年から小児甲状腺がんが激増している。福島大学医療関係者や放射線医療専門家の中には、チェルノブイリの都市伝説に基づいて、事故後5年しないうちの甲状腺がんは原発の影響ではないとの主張が見受けられる。
岩波「世界」2016年3月号には、ロシア研究者・尾松亮氏の論文「チェルノブイリ被災国の知見は生かされているか」が掲載されている。尾松氏は2011年のロシア政府報告書内容を紹介することにより、チェルノブイリ原発事故では事故の翌年から小児甲状腺がんが増大していると説明している。
現在、福島で激増している小児甲状腺がんの原因は、普通の頭で考えたら、原発事故の初期に放射性ヨウ素に被爆したことが原因と思うでしょう。原発事故当時、浪江町民は、汚染が激しい津島に数日滞在したし、飯館村では数か月とどまったのだから。