本の紹介―日本にとって沖縄とは何か2016年07月27日

 
新崎盛暉/著 「日本にとって沖縄とは何か」岩波新書(2016/1)
 
 「沖縄現代史 新版(岩波新書)」と同じような視点で書かれている。出版が10年後で、その間、普天間の辺野古移設問題で、沖縄県と政府が対立することになったので、この問題の経緯が詳しい。終戦後の米軍占領以降の反基地闘争は、革新勢力の反米軍・反基地派と、保守勢力の親米軍・親基地派とに分かれていた。しかし、辺野古移設問題に関しては、オール沖縄対自民党政府の様相となっている。本書では、どのような経緯をたどって、オール沖縄になっていったのか、この問題の解明が詳しい。
 米軍占領時代以降の反基地闘争については「沖縄現代史 新版」の方が詳しいが、本書でも主要なことには触れられており、歴史の流れを理解するためには、かえって理解しやすいかもしれない。

本の紹介―沖縄現代史2016年07月28日

 
櫻澤誠/著『沖縄現代史 米国統治、本土復帰から「オール沖縄」まで』中公新書(2015/10)
 
 本書の内容を一言でいえば、終戦以降の沖縄の政治史。経済や民衆についても書かれている箇所があるが少ない。
本書を読めば、沖縄が本土とは全く異なる政治状況に置かれてきた歴史が分かるだろう。でも、逆にいえば、ある程度歴史知識のある人は、すでに知っている内容なので、新たに学ぶことが多いわけでもなく、また、多くの歴史書と同様な観点で書かれているので、あまり面白くなかった。

ホームページ更新―原爆投下後の葉書2016年07月30日

「切手で見る歴史―GHQ」のところに原爆投下1週間以内に、江田島海軍兵学校から差し出された葉書を掲載しました。
http://cccpcamera.photo-web.cc/Hi-Ho/Stamp/Japan/GHQ/Ghq.html

江田島海軍兵学校の生徒たちは、原爆投下直後の広島市内で救護活動などに携わり、その時に被爆した人もいます。

本の紹介―社会人のための現代ロシア講義2016年07月31日

 
塩川伸明・他/編 『東大塾 社会人のための現代ロシア講義』東京大学出版会 (2016/6)
 
東大社会人向け講義の講義録。現在のロシアを知るうえで重要な10の講義がおさめられている。
 
・ソ連崩壊後のロシア史
・ナショナリズム
・クリミア問題
・司法制度
・経済
・シベリアとシベリア開発
・都市交通
・資源エネルギー
・北極海航路
・ロシアの今後  
このうち、「シベリアとシベリア開発」は帝政ロシア時代のロシアの東進など、歴史的な話が多い。「ロシアの今後」はロシア史や幕末以降の日ロ関係市などを概観したうえで、今後を見据えている。
 
この2つの講義を除くと、現在のロシアの姿を知るための講義内容になっている。
新聞などでは得られない、専門的で高度な内容ではあるが、予備知識がなくても読める記述になっている。

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