本の紹介‐<独島・竹島>の日韓史2016年08月15日

 
保坂祐二/著 『<独島・竹島>の日韓史』論創社 (2016/07)
 
韓国・朝鮮から見た、鬱陵島・竹島の19世紀以前の歴史を詳細に解説。
 
6世紀、鬱陵島は新羅に服属し、以降、朝鮮の領土だったが、15世紀には倭寇対策として、空島政策がとられ、居住者はいなくなった。しかし、対馬藩も鬱陵島が朝鮮の領土であることを認識していた。17世紀、鬱陵島で朝鮮人・安龍福が日本人漁民によって捕らえられ、日本に連行されたことがあった。このとき、日本と朝鮮との間で、鬱陵島が朝鮮の領土であることが確認され、日本人漁民が出漁しないことが合意された。
竹島は、鬱陵島から見えるので、鬱陵島とセットでとらえられることが多い。そして、朝鮮でも日本でも、朝鮮と隠岐の島の間には2つの島があることが知られていた。鬱陵島と竹島の領有が異なるとの見解は、日本・朝鮮ともに一度もなかった。
このような理由から、韓国では鬱陵島・竹島ともに歴史的な韓国の領土であると考えている。
 
本書は、これらの点を、歴史資料に基づき詳細に解明している。日韓両国の資料を元にしているが、韓国側の資料の方が多い。豊富な古文書・文献をもとに、6世紀以降19世紀までの韓国・朝鮮でも鬱陵島・竹島の歴史が詳述されているので、竹島が日韓どちらの領土であるとの見解とは別に、歴史事実を正しく理解する上では大いに参考になる本である。
 
本書に従えば、竹島が韓国の領土であることに疑いはないだろう。しかし、19世紀以前の朝鮮における竹島領有は現在の国際法における領土の領有と一致するわけではないので、19世紀以前の竹島が朝鮮の領土であったかどうかについては種々の見解がありうる。

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