本―北方部隊の朝鮮人兵士 ― 2017年04月26日

北原道子/著『北方部隊の朝鮮人兵士 日本陸軍に動員された植民地の若者たち』 現代企画室 (2014/3)
樺太・千島など北方に動員された朝鮮人兵士の状況を明らかにしている。本書では、最初の章で朝鮮人が日本軍兵士となったいきさつ(布告など)を示し、以下の章で、樺太・千島等の朝鮮人兵士の日本軍での状況を明らかにしている。また、本書後半では、北方部隊の日本軍兵士となった朝鮮人の回想。
このような研究はあまり見たことがないので、未解明分野の研究として重要なのはわかるのだけれど、正直言ってあまり興味が持てなかった。一般民衆レベルでは、朝鮮人は植民地人として差別を受けたが、軍隊にあっては階級によって同じ仕事をするので、それより仕事ができるかどうかが重要になり、出身がどこかで差別を受けることは多くはない。朝鮮人だからと言って、差別を受けたことが全くないとは言わないが、一般民衆レベルよりも差別はずっと少なかったようだ。でも、そうすると「普通ですね」「特に違いはないですね」で終わってしまい、素人的には面白味に欠ける。
ただし、これだけの研究をして出版したことには敬意を表したい。
ホームページ資料追加 ― 2017年04月28日
『北方領土問題関連資料」のページに2つの資料を追加しました
http://www.ne.jp/asahi/cccp/camera/HoppouRyoudo/HoppouShiryou/HoppouShiryou.htm
・国後地方ウプラウレニヤ法令
http://www.ne.jp/asahi/cccp/camera/HoppouRyoudo/HoppouShiryou/19460012Upuraureniya.htm
・北海道附属島嶼復帰懇請根室国民大会の決議
http://www.ne.jp/asahi/cccp/camera/HoppouRyoudo/HoppouShiryou/19470810Ketsugi.htm
この資料は、北海道附属島嶼復帰懇請委員会 [編] 『四島を返せ : 択捉・国後・色丹・歯舞群島返還運動史』のなかに、当時の資料の写真が掲載されています。それを見ると、「千島列島の一部を成す択捉島、国後島」となっているので、国後島・択捉島は千島列島に含まれるとの認識がわかります。ところが、浦野起央/編著『資料体系アジア・アフリカ国際関係政治社会史 第2巻 [第5分冊 h] 』では、「千島列島の一部を成す」の文が欠落しています。
浦野の本では、この決議文の出典がなんであるかがわからないので、信頼性の検証ができない。
http://www.ne.jp/asahi/cccp/camera/HoppouRyoudo/HoppouShiryou/HoppouShiryou.htm
・国後地方ウプラウレニヤ法令
http://www.ne.jp/asahi/cccp/camera/HoppouRyoudo/HoppouShiryou/19460012Upuraureniya.htm
・北海道附属島嶼復帰懇請根室国民大会の決議
http://www.ne.jp/asahi/cccp/camera/HoppouRyoudo/HoppouShiryou/19470810Ketsugi.htm
この資料は、北海道附属島嶼復帰懇請委員会 [編] 『四島を返せ : 択捉・国後・色丹・歯舞群島返還運動史』のなかに、当時の資料の写真が掲載されています。それを見ると、「千島列島の一部を成す択捉島、国後島」となっているので、国後島・択捉島は千島列島に含まれるとの認識がわかります。ところが、浦野起央/編著『資料体系アジア・アフリカ国際関係政治社会史 第2巻 [第5分冊 h] 』では、「千島列島の一部を成す」の文が欠落しています。
浦野の本では、この決議文の出典がなんであるかがわからないので、信頼性の検証ができない。