本―爆買いされる日本の領土2017年08月07日

      
宮本雅史/著『爆買いされる日本の領土 (角川新書) 』KADOKAWA (2017/7)
     
読むことを、まったく薦めない。角川新書は、こんなつまらない本を出版すようになったものだ。
     
 本の内容は、中国人や中国資本が北海道などの土地を購入しているので、日本の領土が危ないと、危機感を煽るもの。
     
 日本の景気が良かった時、日本人や日本企業はアメリカの土地を購入し、アメリカに工場進出していた。これは通常の投資であって、アメリカ領土侵略の意図があったわけではない。現在、日本の過疎地は人口減少が深刻化していて、土地価格も低迷している。このような状況で、景気好調の中国が日本に投資をしてくるのは当然のことだろう。投資対象にならなくなったら、日本はおしまいだ。
 中国人が日本の土地を購入しても、日本の領土であることに変わりはない。中国人は日本の法律と日本の制度に従って購入したのだから、日本の領有権が確立されていることの証だ。
     
 本書は、中国が日本に投資をしていることを持って、日本領土が侵略されるかのような危機感を煽り立てている。以前、日本が米国の土地を買っていたのと、どう違うのか。中国人が日本の法律に従って行動することの何が問題なのか。日本の法律を変えろとの主張なのか。日本がアメリカの土地を買っても問題ないのに、中国が日本の土地を買うことにどんな不都合があるのか。
 このような点が、記載されておらず、単に、中国が来たぞー!と危機感を煽るだけの本。

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