本の紹介―国防政策が生んだ沖縄基地マフィア ― 2017年08月16日

平井康嗣、野中大樹/著『国防政策が生んだ沖縄基地マフィア』 七つ森書館 (2015/5)
辺野古基地移設問題を考える上で、欠かせない一冊。
普天間基地の移設先として辺野古の埋め立て工事が続いている。移設先として辺野古が上がり、最終的には沖合にV字滑走路を造ることが決まった。この工法は、考えられる中では、最も自然を破壊するが、埋め立てにかかわる土建屋が一番儲かる工法だ。
本書では、埋め立て工事に巨額の利権がある東開発グループの仲泊弘次会長、名護市商工の荻堂盛秀会長、名護漁協の古波蔵廣組合長らを名指しで指摘するなど、辺野古移設が国費が投入され巨額な利権がらみで進められてきた実態を明らかにする。
辺野古への移設を推進した勢力は、地元の土建屋や地元の漁協組合長の他に、やくざ、右翼、政治家などの面々があり、これらの人たちに巨利が転がり込むと同時に、地元民もそのおこぼれにあずかるものだった。しかし、地元の土建屋らの強欲に、おこぼれにあずかるはずの地元民の人心が離れてゆき、その結果、移設反対派の市長が誕生し、この状態が現在も続いている。
現在、沖縄では辺野古への反対運動が根強い。沖縄県民の意識が利権から離れたため、政府が国費を投入しても、うまく回らなくなった結果だ。
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