本の紹介ー苦悩のなかをゆく2018年05月27日

     
浅原正基/著『苦悩のなかをゆく―私のシベリア抑留記断章』朝日新聞社 (1991/12)
    
 シベリア抑留者は、初年度は将校たちによって管理された。この時期には、将校に管理された兵に多数の死者が生じている。2年目以降になると、捕虜に対して、ソ連は共産主義教育をするようになった。そして、共産主義者になった捕虜が、他の捕虜を管理するようになっていった。日本人将校が管理していた時期は、日本兵の死者が多発していたが、2年目以降になると死亡も減っていった。しかし、将校にとっては、逆に管理されいじめられる側になった。
    
 著者の浅原正基は東大在学時代に共産主義運動で逮捕された人で、シベリア抑留初期の段階で、対日工作将校イワン・コワレンコに従って、シベリア抑留日本人向けの共産主義教育を行うための日本新聞の作成に携わった。なお、イワン・コワレンコは関東軍の降伏に際して通訳をした人物。 
 浅原正基は抑留者でありながら、ソ連側の人間としてふるまった。しかし、抑留中にスパイ容疑で逮捕され、その後は受刑者として懲役刑に服することになった。1956年に日ソ共同宣言が成立して帰国した。
     
 本書は最初の1/3が浅原正基とイワン・コワレンコとの対談。残りの2/3が浅原正基の生い立ち・軍務・シベリア抑留のようす・有罪判決とシベリア受刑・帰国後の生活。

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