本の紹介ー初期仏教2018年09月30日

  
馬場紀寿/著『初期仏教 ブッダの思想をたどる 』岩波親書 (2018/8/22)
 
 久しぶりに初期仏教の本を読んだ。日本仏教の教説は後代に作られた大乗仏教の系統なので、釈迦の教えとは異なっている。本書は、大乗仏教成立以前の初期仏教の解説。
 
 初期の仏教については、中村元教授の著書が有名で、岩波文庫から何冊か出版されている。中村元教授は釈迦の教えとして残っているものの中で一番古いのは韻文形式のもので、散文形式の経はその後に成立したと考えた。このため、スッタニパータ、ダンマパダなどが最古層のもので、その後にアーガマ(阿含経)が成立したと説明した。
 
 本書は、最初に仏教が成立した歴史状況を説明した後、仏教経典成立の由来を示す。そして、中村元教授の説を批判して、現実に成立したもっとも古い経典である阿含経の思想である四聖諦と十二支縁起を中心に初期仏教思想を説明している。

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