本の紹介―新人類と宗教 若者はなぜ新・新宗教に走るのか2018年11月09日

 
室生忠/著『新人類と宗教 若者はなぜ新・新宗教に走るのか』三一書房(1986.10)

 1970年代ごろからのスピリチュアルブームで、若者の中には新興宗教・カルト教団などに入信するものがあった。この傾向は1980年代になると一層強まったが、1990年代にオウム真理教事件が起こると、新興宗教のいかがわしさ・恐ろしさが認識され、若者の新興宗教ブームは終わった。

 本書は1980年代に書かれた本で、以下の10のマイナーな新興宗教などを取り上げている。
  クリシュナ意識国際協会
  世界真光文明教団
  小岩キリスト栄光教会
  日本ラエリアン・ムーブメント
  スーフィ瞑想センター
  自由精神開拓団
  サビアン・トランスパーソナル・アストロロジー
  国際心理開発協会
  高千穂神霊教団(日本聖道教団)
  太陽を信じるピラミッドの会
 
 著者は統一教会に入信した若者を親が奪回させようとした時に、統一教会側に立って奪回阻止の論陣を張り、統一教会を擁護したフリージャーナリスト。本書に取り上げられた教団の中には、洗脳により財産を巻き上げられたとか、教祖が若い女性信者に性行為を強要している等の黒い噂のある教団もあるが、本書ではそのようなことは書かれていない。
 本書の内容は、教団でどのような宗教行為が行われているのか、入信の動機は何か、若者が教団に入信した社会的背景はどのようなものか、などが書かれており、いわば教団の表の顔を説明したものである。この本を読んで、安易に入信しないほうが良い教団もあるので、注意が必要だ。

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