本の紹介ーサイキック・マフィア2018年11月29日

  
M.ラマー キーン/著、皆神龍太郎/監・他『サイキック・マフィア われわれ霊能者はいかにしてイカサマを行ない、大金を稼ぎ、客をレイプしていたか』太田出版 (2001/3)

 霊媒者が口などから「エクトプラズマ」を出して霊を物質化・視覚化する心霊ショーの写真を見たことのある人は多いだろう。
 本書はエクトプラズマを出して死者を呼び出していた霊媒師によるトリックの説明。彼はトリックで相談者をだまして、高額の報酬を得ていた。エクトプラズマは、軽くて薄い布を小さく丸めて口の中に入れておき、これを口から出すものだった。また、助手が薄いひらひらの服を着て暗闇から出現して、物質化した霊を装うトリックも使っていた。著者は男性のため口から薄い布を出していたが、女性霊媒師の中には膣に入れていた薄い布を出すこともあったそうだ。
 
 このようなトリックに騙される人は今では少ないかもしれないが、昔は、薄い布があるとの知識が乏しかったので、だまされた人もいたのだろう。今なら、もっと高度なトリックが使われているに違いない。もっとも、トリックであることを分かっていながら、わざと騙されていた人もいるようだ。
 
 本書はアメリカの心霊トリックでだます話だが、アメリカではこのようなトリックを使わないと人々は騙されないのだろうか。日本の霊能詐欺は何もトリックを使うことなく、言葉で脅して不安感情を煽ることで、金銭をだまし取ることが多い。
 アメリカ人は証拠を見せないと信用しないのに、日本人は「霊のたたり」と言うだけで頭から信じ込む人が多いのだろうか。

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